木麗な住まいのつくり方(第二章 森のメッセージ)
近頃、春先になると花粉症の症状を訴える人が増えています。御多分に漏れ
ず私もその一人なのですが、春先に出る症状は杉や桧の木から飛び散る花粉
が主な原因です。その他1年を通し何らかの花粉が飛んでいるようですしハ
ウスダストと言う住まいの中の埃やカビ等に反応する方もいらっしゃいます。
自然保護の観点から木は切らないほうが良いのではないかと言う意見を伺う
事があるのですが、成長を遂げ輪齢50年を過ぎた木は光合成も出来なくなり
二酸化炭素を吸収しなくなります、そのようになった大きな木は葉も広範囲
に茂り、森に光を通さず陰をつくります。こうなると木の存在意義は半分以
上失われたことになります。従って有効に資源を循環させるために適切な輪
齢の日本の山の木を切ることは環境破壊には結び付かないのです。
京都議定書に基づき、これから日本は二酸化炭素の排出を抑えていかなけれ
ばいけません。
化石燃料の使用を控えることも方法の一つですが、森を元気にし排出された
二酸化炭素を吸収してもらう方法もあるのではないでしょうか?
私達の住まいづくりは日本の木を大切に使い、資源を有効に循環させる事で
森を元気に活性化し本来の山の姿を取り戻す事に貢献します。
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このように被害にあった山の木々はその搬出も難しいようで、未だに山に
そのまま放置された状態です。しかし再び大雨により土砂の流出がおこる
とそれらと共にあの大きな木がいつ麓にまで流れてくるかもしれないので
す。都会に住む方には山の現状は見え辛いかも知れませんが、写真でその
一例を紹介致します。これは私が住む丹波のある地域の山なのですが平成
16年の台風23号により壊滅的なダメージを被り猛烈な北風を受けこのよう
な姿になりながら半年以上が経過した今の段階でもまだ何の手も打たれて
いないのです。いや、打ちようが無いのかも知れません。急峻で林道が整
備されていない山は木を搬出するための機械を入れる事も出来ず放置され
ているのです。
このように元気の無い山は災害の原因になるばかりでなく、生き物も住め
なくなってしまいます。一時、熊が人里に現れたと言うニュースをテレビ
で頻繁に流していましたがこれは山に食べ物が無いために山を降りて来た
事が主な原因になっています。山に住む動物は熊だけではなく鹿や猿、猪
などもいます。昔は里山といって人里と森の境界線の役割をする山の姿が
ありましたが、今はその形が崩れてしまっているのが大半です。
しかし、今も元気に自分たちの山を守ろうと努力をされている地域も存在
します。そう言った山のパワーを受け継ぎ住まいへと形を変えて資源を循
環させる事これが明日の日本を取り戻すのです。