楽しい家(旧綾部の家)

リーフレットでピンときました

漠然と私たちはハウスメーカーで家を建てるだろうと考えていました。兵庫県丹波市にある丹波年輪の里で手にしたリーフレットで、芦田さんが手がけられたお家の写真を拝見したとき、ピンときて、ハウスメーカー以外の選択肢もあるのかな、と初めて考えました。

旧家の大規模リフォームをした友人の家がとても素敵で、木造の家っていいなと思いました。

建築家と家をつくる

建築家というのは、教育施設や公共の建物を設計するもので、一般人の住宅を手掛けるというイメージがありませんでしたので、自分たちの家づくりを考え始めたときには、全く選択肢に上がっていませんでした。ホームページにアクセスして、直接メールさし上げた際も、本当に私たちでいいのかな?と自問していました。

ホームページの洗練されたイメージと、事務所のそれのギャップが大きくて、妙に打ち解けることが出来ました。

わたしたちは、自分たちが住む家を建てるのに、ただ受身のお客さんでいたくはありませんでした。そういう私たちには、ハウスメーカーのDMや電話、自宅への訪問などの営業活動は、少し行き過ぎで、精神的に負担に感じていました。特に、当時住んでいた家に対する辛辣な意見を聞いたときは、そもそも満足していたら家なんか建てるはずないのに、何故そんなことを言う必要があるのか理解出来ませんでした。

土地が変われば

ある工務店さんのプランと芦田さんのものとに絞って、話を進めていた時の話です。私たちは、土地を取得するために不動産屋さんに2つの土地を候補として挙げて頂いて、検討していました。工務店さんが提案頂いた図面について、担当の方に、この図面はもう一方の土地を購入した場合でも使えますか?と訊ねたら、もちろん可能です、と答えられました。

しかし、同じ質問を、芦田さんにしたところ、土地が変われば、条件が変わるので、プランはまた新たに考え直すものですよ、と仰いました。当然といえばそうなんですが、素人目線で考えても、土地が変わって家が同じで良いわけがありません。仕事に対する生真面目さのようなものに惹かれたのも、芦田さんと家づくりをすると決めた大きな要因でした。

住む側にとっての最良の住まい

打ち合わせはほぼ半年掛かりました。提案の際には、自分たちでは絶対に思いつかないプランが出てきました。私たちの希望を汲んで考えて頂いたのはわかっているつもりでしたが、本当にこんな斬新で素敵な家に私たちが住めるのか、半信半疑だったのを覚えています。能登ヒバの風呂に関しても、出来たらいいな、くらいにしか考えてなかったので、メンテナンスも含めてどうやら実現可能だとなったときは、正直驚きのほうが大きかったです。

夏を越した木の方が良いので、前倒しするようなことは止めましょう、など、そういう素人にはわからないアドバイスを頂けるのはとてもありがたかったです。

前述の土地と図面のエピソードもそうですが、芦田さんは、家づくりの何かを決定する際に、施工する側の段取りではなく、わたしたち住む側にとって最良の住まいをつくることを優先することに終始一貫しておられました。

資金計画も無理なく立てて頂いて、当初の予算通りでした。周りに聞くとなかなかそうはいかないケースも少なくないようです。

地盤改良に思ったよりも費用が掛かって、全体を検討し直さなくてはならなかった際も、わたしたちが優先すべきことを明確にしていただきました。家の周辺のコンクリート舗装はするべきか、カーポートは?ウォシュレットは?などなど、後回しにして良いことはして、本当に必要なことが何かをアドバイス頂いて、私たちが何か選び取らなければならないときに、常に助けて頂きました。

正解にたどり着く方法

芦田さんに選んでいただいた施工業者の方がたも皆さん感じの良い方ばかりで、建築中も安心でした。何か疑問があれば、主にメールで芦田さんに問い合わせをして、その都度、分かりやすく説明をいただきました。仕事が忙しいので時間を気にせず連絡を取り合えるメールは、とても役に立ちました。建築中は特に、ブログを楽しみに読んでいましたし、未だにチェックを欠かしません。

家具や内装選びに関しても、芦田さんにおんぶにだっこ、という状態でした。私たち自身、あまりそういったものに対する目利きに自信があるほうではありません。例えば、照明をとっても、各部屋バラバラではなく、家全体を見渡した上で、選んでいかないと大変なことになります。さらに、常に予算はついて回ります。予め、いくつかに絞って頂いたり、あるところが決まれば、セオリーのようなものに沿って付随する部分を提案していただくほうが、正解にたどり着きやすいと思います。

自分たちが選んだぞ、という満足感も大切なことだとは思うのですが、私たちと施工業者さん達だけで決めた場合、今のような水準に達したか甚だ疑問です。

木の家に住むということ

3年が経過した今、あまり聞かなくなりましたが、ピシッと家のどこかで木が弾けると音を聞くと、木の家に住んでるな、と嬉しくなります。

やはり、木の表面の傷や汚れなどは、最初はとても気になりました。落書きしないように、汚れた手で木の柱を触らないように、字を書くときは下敷きを必ず敷くように、能登ヒバのお風呂なので入浴中は飛沫をあげないように、などと言っても子供たちが聞く耳を持つわけがありません。子供たちが駒の練習をするのを許可した頃が、ターニングポイントだったでしょうか。そのうち風合いだと吹っ切れました。

引き戸にすることにこだわった玄関を開け閉めする際にその日の天気が分かるのもおもしろいところです。

提案の際に、南中高度という学生以来聞かない言葉が出てきて驚いたのですが、庇の長さや窓の大きさや位置、塀の高さまで、きちんと計算、調節されていることに気づきます。日中は照明が全く要りません。陽射しで冬も暖かく、前の家から持ってきたストーブも3年間一度も使っていません。風の通りも良いので、夏にクーラーを掛けることもほとんどありません。日当たりは光熱費に直結するので、とても助かります。

また、デッキにつながる大きな開口部分にこだわって、最後の最後まで、予算との折り合いを見ながら、実現することを選んだのは、本当によかったです。この解放感がとても気に入っています。近所の方に気楽にお声掛け頂いたり、子どもが集まって、動物園、もとい幼稚園のようになったり、昔の縁側のような空間を作りたかったのです。たまに降る雪が、床と同じ高さで積もるのを眺めるのもなかなかのものです。天気の良い日や星いっぱいの夜に、デッキで食事をすると子供たちはとても喜びます。大人からするとほんの数メートル移動しただけなのですが。

当初は、受身なお客さんにはなりたくない、と考えていたのですが、実際家づくりの過程では、素人には到底わかりえない事柄がたくさん出てきます。魅力的なプランニングももちろん大切でした。それと併せて、芦田さんが監理として関わられることで、造る側の段取りに家づくりを任せてしまうのではなく、状況を理解、納得した上で次に進めました。芦田さんとの家づくりが私たちにはとても合っていたと言えると思います。

聞き手・構成: 芦田成人建築設計事務所ウェブサイト制作チーム(担当:植村)

 

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