芦田成人建築設計事務所 /
Narito Ashida Archi Studio
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私共が提案する木の住まいは?
私は大学卒業後、設計事務所に勤めマンションやビル等の設計監理の業務に携わってきました。
バブル真っ只中の頃、それまでに自分が関わって来た仕事に何の疑いも抱いていませんでした。
とあるマンションの竣工検査にて、ある1室に入った所から世界が変わりました。
ツーンとした匂いと共に目からは涙がボロボロとこぼれ、明らかに何かしらのガスが充満した部屋
の中には1分と留まる事が出来ず新鮮な空気を求めベランダへ飛び出しました。
他に同行していた先輩所員や現場監督などは多少の匂いや空気は気になるけども、と言った感じ
で検査は続きましたが、私には絶えられない仕事でした。それが世に言うホルムアルデヒドの影響
によるものと知ったのは数ヶ月後の事でした。まだ世の中ではシックハウスはごく一部の専門家の
間でだけ知られていたので直ぐには原因を突き止められずに要したのがその時間でした。私はそ
れを不謹慎ながらガス室と呼び、とうとう被ってしまった自身のその後の症状を憂えながら自分が
これまでに携わってきた住まいづくりに疑問をもつきっかけになったのです。
それからの私は関連本を沢山読みあさり、ある程度の知識を身に付けました。
そうこうする内にバブルは弾け、やがて阪神大震災が関西を襲ったのですが、ちょうどその頃は
豊中のマンションで震度5を経験しました。幸いマンションは鉄筋コンクリートの壁式構造と言う
比較的地震には強いと言われる建物でしたので私自身、直接的な被害を被る事はありません
でしたが、辺りには目にするのも恐ろしいような光景があちらこちらで見受けられました。
古い木造住宅の倒壊例が多く報告され疑問を持った私はここから本格的に木造の門をたたく
事になりました。
机上とフィールドワークで2年間勉強した後、ちょうど担当していた物件も引渡しが済み2001年
独立を決意し前事務所を退職しました。都市に残って独立するか地元に戻って独立するか相当
悩みましたが、長男ゆえ、やがて帰らなければいけないのなら早いほうが良いかと言う事と、
ネット社会の普及を見越し何のツテも、持たないまま地元で開業を決心しました。
独立後、直ぐに仕事は無い事は覚悟の上(今となっては本当にギャンブルのような話ですが)で
したので各林産地を見て歩く事、自宅の倉庫をセルフで木の香漂うアトリエに改装する事を中心に
動いていました。やがて、
近畿大学の村上教授
(木構造の研究者)が木道場(木構造を根本から
教え込むためのスパルタ講座)を開かれると言う事で面識のあった建築家、
三澤文子
さんから
強く勧められ入門する事になりました。何を隠そう今は意匠設計をしていますが大学は構造系の
ゼミを卒業している変わり者なのです。道場もほぼ終りを迎える頃、おあつらえ向けに近畿大学
で実験住宅を建てると言うプロジェクトが立ち上がり、習いたての構造設計法を用い設計したのが
近畿大学まちなか一戸建て住宅
です。
また、住まいの環境を追求する事は尚、衰えず民間の研究者では恐らく第一人者である
「住まいと
環境社」の野池政宏氏
に直々に入門し住まいの居住環境、特に見えなくなる床下や天井裏の事に
付いて学びました。
やがて福知山高等技術専門校と言ういわゆる職業訓練校から講師のお誘いを受けました。そこは
大工さんを育てるために京都府が管轄する公の学校なのですが一般的な学科を教える事が私の
役目でした。午後からは実習の時間です。その頃本業の方も、さほど忙しくもなかったので、時間
のある限り実習を見学させて頂いていましたが、見てるだけでは面白くないやろうと言う事から
先生方の計らいで生徒達と一緒にノミやカンナの刃研ぎに始まり墨壷の打ち方、墨付け、鋸やノミ
を用いた各種の継手や仕口、小さな木造の家を生徒達と1軒建て、技能検定1級、2級の課題まで
経験しました。
そうです、これで私はそれまでに学んできた机上の理論と実際の仕事を経験した事で木の魅力の
引き出し方と欠点を補う術を身に付けたのです。大工さんだけに任せてはおけない部分も沢山
ありますし、設計者の無謀なオリジナリティーと言うのもあまり根拠がないものです。
私が建てる住まいは、このように両者のもつ最も素晴らしい技をミックスする事で学術的な裏付け
により安全性を確保しながら、居住環境について考えられた、木の素晴らしさを引き出す事が出来
る住まいなのです。ですからデザインを最優先させることはせず、まず住まいの安全性や環境と
言った性能を確保する事を最優先させます。
又、住まいの見えない、分からないを分かり易く説明して行く事を常に感じています。分からない
からプロにお任せでは一生に一度の機会がもったいない。手間と時間は掛かりますが一緒に考
えてみませんか?
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