小屋裏トラス
とある調査で、天井裏を覗き見。 事前に拝見していた図面では建物本体は木造、小屋裏は鉄骨トラスと呼ばれる三角形を組み合わせたようなビーム(梁)を組んだ、いわゆるハイブリット構造となっていました。
しかし、昔は良くあった図面と実情の違いを想定していましたので、押入れの天井を開け覗き込んだその天井裏に現れたものは
ご覧のように立派なトラス組の構造体が存在しており、水平構面を固める火打梁(写真下に斜めに入っているオレンジの材料)まで鉄骨、そして屋根構面を固めるブレースまでもきっちり仕事がされており、フムフム
「なかなか、いい仕事してますな~」てな感じで、ぐるっと360°を確認したのでした。
トラス組のメリットは理論上は全ての力の流れは軸力のみであるために、スパン(水平距離)を飛ばせるので、柱が少なくても大きな空間を確保しやすいと言った点が特徴です。
従がって学校の体育館や工場の建屋などは、トラス組とされる事が多いのです。
しかし、ご覧のように断熱材が全く入っていないために特に夏場の暑さはダイレクトに受ける事になります。
この年代の建物って、「断熱」の概念はないケースも多いので、珍しい事ではないのですが・・・
こちらの写真、右手前から奥に向かってや左奥に細い木が垂直に数本並んでいるのが確認出来ると思います。
これ、天井を吊っている吊り木と呼ばれる材料です。
某リフォーム番組では解体時に一面の天井を一気にガバっと落とす画を流していますが、実際あれをしようと思えば、この吊り木を始めに全て切り落としておかないといけません。
でも、それって危険を伴う作業であるために、実際はあのような解体の仕方はしません。
部屋の下から天井のボードを1枚ずつ、少しずつ剥がす地味な作業なんです。
テレビの影響力とは怖いもので、あれが普通の解体の仕方だとは思わないで下さいね。