兵庫、京都、大阪で誠実に丁寧に木の家をつくる芦田成人建築設計事務所
兵庫、京都、大阪で誠実に、丁寧に木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所

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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

隣でマンション建設が始まったら

安息角2

さて前回は土地探しの上での一例を紹介しましたが、安息角(安息角が分からない方は先日の投稿を御覧下さい)の影響を考えないといけないのは何も自分が家を建てる時だけでは無いと言う一例を紹介します。

隣の土地にマンションやビルなど比較的、高層な建物の建築が始まるとまず、基礎の工事を始めるために地面を掘っていく事になりますが、この時に一時的にですが前回と同じ様な隣地との間に高低差のある関係がうまれます。(図参照)

勿論工事側では、崩壊防止のための対策をとる訳ですが、高低差が出来るのですから当然、先日の安息角の問題が発生する訳です。

最低安息角30°ですから掘削底から斜めに30°の線(図の点線)を引き、元の地盤面まで伸ばしていくと、ここには、学生時代に習った、1:2:√3と言う三角形が出来ますよね。

従って今、深さをh(m)掘った場合に、水平方向には2h(m)の所までにある隣家等がその掘削工事による影響が及ぶ可能性がある事になります。

しかし、これらの隣家はこのような工事がある事を前提に基礎工事などされていませんでしょうから、もし何らかが起こり地盤に問題が発生すると、住まいも影響を受けることになります。

(実際の工事では土留めの為の矢板はもう少し地中深くまで差し込みますが図では少し割愛しています。)

ですからもし隣でそのような工事が始まった場合に何も出来ない訳ではなく、ご自宅の基礎部分にでも工事開始前の地盤面の位置が分かるように印をされておいてメジャー等をあててそれを一緒に写真に写し込み記録を保存し、工事完了時にもう一度確認して、なんら大きな問題があった場合には即座に工事業者に話をしてみましょう。

もっとも工事業者側でもその辺はシビアにやっている所もあります。が対応は様々ですので、いざと言う時には、やはり証拠が重要な資料となります。