柱スパンは2間まで
30畳以上もあるような大きな空間に外周部以
外に1本も柱を立てずに空間を構成できるなら、
そんな楽なことはありません。一般的に鉄骨造
では経済スパンは約7mほど、木造では2間と
言われています。
スパンとは柱と柱の間の距離のことですが、柱
の上には梁が載り、2階建てならその上に2階
の柱や床も載ります。
関東間で言うと2間は3640㎜です。「えっ、
そんなに少ししか飛ばせないのですか?」と思
われるかもしれませんが、木造では、そんなも
のです。
又、国産木材の場合、山側の事情で言うと、一
般的に山で伐られた木材は玉切りと言って、2
m、3m、4mの長さに切り分けられ山から出
されます。
勿論、通し柱のようなもう少し長い材料も必要
ですから前述はあくまでも一般論です。これは
林道を整備したり、運搬したりする際の事情に
よる所が多く、スパン2間の原則とも符合する
部分が多いです。
又、構造強度の面からもスパン2間が理に叶っ
ていて、それ以上スパンを飛ばすならば、梁に
用いる材料も大きなものが必要となります。梁
に大きな材料が必要と言うことは、コストにも
影響を及ぼし皆様のご予算にも直結する訳で、
木造の経済スパンが2間と言う理由が、これら
にあることをご理解いただければ幸いです。
勿論、もう少し細かいスパンで柱を入れると梁
のサイズも小さく出来るので柱スパンは「2間
まで」と解釈していただくのが正しい表現です。
所で、2間 × 2間で出来る空間は、どの程度か
と言いますと関東間では3640㎜ × 3640
㎜で8畳になります。
勿論、2間の間に柱を追加出来るなら、して
おく方が梁のサイズを小さく出来るので構造
的にもコストの面でも楽になります。そして、
これを続き間にすると次の図のようになりま
す。
これで16畳間が出来る訳です。2階建てに
なるケースや上部の荷重条件等に依りますが、
この程度ならもしかしたら外周部以外には柱
が無くても空間が成立する可能性があります。
では、次のケースではどうなるでしょうか?
32畳あるケースです。ここまで来ると、柱
無しで空間を成立させることは難しくなりま
す。
何度も言いますが2階建てや平屋であっても、
上部の荷重条件によって空間の中に、もう少
し柱の数を増やさざるを得ない場合がありま
す。
何度も言うのは、あの人がこんなことを書い
ていたと言って、平気で無謀なプランを考え
る人が出てくるからです。詳細はケースバイ
ケースで検討しないといけません。先日の
「四角くまとめる」も含め、ここでは基本的
な考え方を書いているに過ぎません。
まずは基本が出来ることが肝心で、応用する
のは基本が出来てからの話になります。