丹波の家は揃えない

木は、もともと「砕かれた素材」か?

先日降った雪が降り積もった橋の上は、車の行き来によって凍り付き、車で通るたびにガタガタと振動が伝わり、どこか不快を感じる状態でした。

橋は公道で除雪車こそ通りますが、踏み固められた氷の影響までは面倒を見てくれません。仕事前の30分、その氷を砕いてみて気付いたことがあります。 氷は、面になって固まっている状態ほど強いことです。 けれど、一度ひびを入れて細かくすると、 驚くほど扱いやすく、楽な状態になります。

丹波で「木の家」をつくるということ

丹波は、寒暖差があり、湿気も多く、 四季の変化がはっきりした土地です。こうした環境では、 家はどうしても動きます。 木も、空間も、少しずつ変化していきます。だからこそ私は、 家を一つの大きな塊として固めすぎないようにしています。

木は、最初から「分かれている」

木の家をよく見ると、 柱、梁、床板、建具、すべてが小さな単位の集合です。一本の木も、 年輪という細かな層を重ねて育っています。木は本来、力を分散しながら、しなやかに耐える素材です。

私たちの設計は、その木の性質に逆らわず、

・空間をゆるやかに分ける

・素材を切り替える

・光や風の通り道をつくる

そうした「余白」を大切にしています。

固めないことで、長く暮らせる家になる

丹波の暮らしは、 季節や家族の変化とともに続いていきます。完璧に固められた家よりも、 少し融通がきく家の方が、 結果的に長く、安心して住み続けられます。

氷を砕いた橋の上のように、 少し分けることで、 暮らしはずっと歩きやすくなる。

それが、私たちが丹波で 木の家を設計する理由です。

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