除雪作業から考える「設計の本質」
寒波、30センチの格闘!
今朝、事務所に来て絶句しました。目の前には30センチの雪の壁。このままでは事務所の敷地に車を入れることさえ出来ません。公道に車を停めたまま、奥から出てくる車があることも分かっていましたが、まずは車を1台敷地内に入れるスペースを作るため、無心でスコップを動かすところから一日が始まりました。
1. 「即戦力のスコップ」と「計画のスノーダンプ」
除雪をしていて改めて気づいたのは、道具にはそれぞれ「役割」があるということです。
除雪スコップ: 目の前の一歩を切り拓く「機動力」
スノーダンプ: 大量の雪を遠くまで運ぶ「輸送力」
最初はスコップで「今すぐ必要な場所」を作り、落ち着いたらスノーダンプで「全体の環境」を整える。この「局所的な解決」と「全体的な計画」の往復は、実は建築設計そのものです。
私どもは、ドアノブ一つ、コンセントの位置一つの「使い勝手(スコップ的視点)」にこだわりながら、同時に、家全体の動線や数十年先の暮らしという「大きな器(スノーダンプ的視点)」を設計しています。どちらが欠けても、良い住まいは完成しません。
2. 「捨てる場所」がないと、家は機能しなくなる
今回の除雪で一番頭を悩ませたのは、「除雪した雪をどこに捨てるか」でした。
積雪量が多いと、ただ横に避けるだけではすぐに限界が来ます。捨てる場所を計算せずに除雪を進めると、最後には自分の首を絞めることになります。
これは建築における「余白(バッファ)」のデザインに似ています。
生活動線の邪魔にならない収納スペース
外からの視線や音を逃がす庭のあり方
など
図面を描く時、私どもは「建てる部分」だけでなく、あえて「空間の意味」や「逃げ場」を慎重に検討します。「余白」を設計することは、暮らしの「詰まり」を防ぐことなのです。
3. 暮らしを「動かす」設計を
30センチの雪を片付け終えた今、事務所の入り口はスッキリとしています。 重い雪を運ぶのは大変でしたが、おかげで「どうすればスムーズに物事が流れるか」という設計の原点を再確認できました。
丹波市の厳しい冬も、考え方ひとつで設計のヒントになります。 皆さんの家づくりでも、私どもは「目先の便利さ」だけでなく「将来を見据えた余白」、その両方を大切にプランニングしていきます。