セパレート
キッチンはシンクとコンロが直線状に並んだ
I型が一般的かもしれません。しかし対面型
のI型キッチンを造ろうとすると意外にスペ
ースが必要になります。
キッチンには冷蔵庫が必要であったり、家電
置場も必要、食器を置くスペースも必要、パ
ントリーもあれば便利です。
食器棚や家電棚は、その奥行が45~50cmあ
れば間に合うのに対してシンクやコンロ台が
ある場合の奥行は65cmは必要になります。
こちらのお住まいでは、コンロとシンクをセ
パレートに配置し、コンロ台と家電棚を横並
びに並列配置しています。
奥行の違いを緩やかに解消するために天板部
分を斜めにカットして繋げました。天板は水
や汚れに配慮して天板を保護する意味でも着
色を施しアクセントにしています。
シンク側はアイランドにして両側から人が立
って使えるように奥行も確保しています。
潤いのある生活
キッチンに立つ時間って意外に長いかもしれ
ません。一日三食、家できっちりと食べる場
合は朝昼夜必ず使用することになります。
只、食事を用意するだけの場になってしまう
と、つまらない。テレビを観ることが出来た
り、綺麗な景色が目の前に広がっていたり、
調理中にそんなことを楽しんでいる時間が無
いかもしれませんが、ふと目を向けると、何
かしら料理のヒントになる情報が飛び込んで
きたり、アイデアが浮かんできたりすれば、
そこでの行動が又違ったものになるかもしれ
ませんね。
こちらのお住まいでは、キッチンの目の前に
ある坪庭に目を向けると天候であったり、時
間であったり、季節の変化であったりを感じ
ることが出来ます。
大きな庭でなくても、こう言った小さな庭で
も緑が家の近くにあるだけで、私たちの生活
に潤いを与えてくれます。
設計当初、緑は不要とのことでしたが、そう
は言わずに木を1本でも良いから植えましょ
うよと、お伝えしたことから動いた坪庭づく
りでした。
庭のデザインと施工は施工を担当していただ
いた、あかい工房さんの社長さん自らの手で
作っていただいたのですが、この小さなスペ
ースの中に個性を表現されているようにも感
じます。
セミオーダー
キッチンシリーズの続きとなりますが
今日紹介させて頂くのは
店舗のバックヤードに設けた
湯沸スペース程度のものですので
かなり簡易な形ですが
パーツを変更すれば住宅用にも
対応できます。
例えばIHの部分を3口対応の物に変更し
水栓(蛇口)部分をシャワー水栓に変える
シンクを大きな物を一つに変える
足元収納を増やすなどすれば
オリジナリティーのあるキッチンに変わります。
且つ、システムキッチンよりも
安くて出来るのではないかと思います。
結局、何が高くつくのかと言うと
そこに入っている食洗器やIHコンロ、水栓、
換気扇などに性能を付加して価値付けしているので
そのような機器類がキッチン価格の大半を占め
外側の部分での差別化と言うのは大して
よほど特殊なものを使うのでなければ
どのメーカーも大きく変わらないと思います。
と言うのがメーカーの既製品を選択する場合の
結論となるのですが、このようにオーダーとなる
場合は、見た目の話は違ってきます。
結局、毎日使う部分になるので
メンテンナスのし易さ、収納の便利さ、台所仕事のし易さ
など実際の機能面が最終的な選択の大きな影響を及ぼすのは
間違いないと言えるでしょう。
キッチン考
先日、キッチンの話が出ましたので
引き続き、キッチンについて
私なりの考察を述べたいと思います。
当事務所では、特に決まったキッチンの
仕様を定めている訳ではありませんが
空間の中に主役級の存在で位置するのなら
やはり既存のシステムキッチンでなく
作った方がベターと考えます。
勿論、予算の事もありますが
贅沢な仕様を求めなければ、
既存のシステムキッチンよりも
少し高いくらいで収まります。
主役級と言ったのは、例えば
衝立となるカウンターで囲われること無く
キッチン以外のスペースから
キッチン自体が丸見えになる場合です
木の空間の中に、ピカピカした素材の
扉や引き出しは、似つかわしくなく
たとえそれが木目調であっても同じことです
なので、そのような場合は、キッチンを作ります。
しかし、これまでに作り付けのキッチンだった割合は
そんなに高くありません。
と言うことは、キッチンが丸見えになるような
プランが少ないということにもなるのですが
システムキッチンも、プロがよく考えて
出来ている物なので決して悪いとは思いません。
むしろ機能面だけだと、これで良い
となる訳ですが、外身を覆う部材さえ
文句のないものになれば、みんなが納得する
所でしょうが、そこが日本のメーカーの
デザインの下手さなんですね。
もっとも、その市場を狙って
独自路線を築いているキッチンメーカーも
ありますし、フルオーダーやセミオーダーを
得意とする会社もあります。
何かを満たせば何かが立たない
だから色んなキッチンメーカーが存在し
商品を展開出来ていると言えるのでしょうけども
先ずは何よりも、既製品であれ
オーダー品であれ、きちんと機能を果たせる
キッチンづくりを考えたいと思います。
ついでに申し上げますと
あまり、公開したことのない話ですが
私もキッチンに立って色々作れるんです。
キッチンを設計する上で
これは重要なファクターであると思います。
キッチンと身長の関係
その昔、キッチンの作業台から床までの高さに
選択肢は無かったと思うのですが
最近では人間工学に基づいたのか
キッチンメーカーが示した指標なのか
身長に対する明確な計算式があります。
身長÷2+5cm が使いやすい高さとされ
選択時の目安にもなっています。
例えば、身長が150cmの方の場合
150÷2+5=80cmが適正、と言う具合です。
勿論、これは目安に過ぎないので
場合によっては違う選択をされてもいいのですが
最も大事なのは、事前のシミュレーションです。
ショールームにいけば、簡単に比べることが
出来るようになっています。
但し、ショールームと実際の家の中とで
大きく違うのは、ショールームでは靴を
履いていることです。
親切なショールームならスリッパを
用意してくれていると思います。
実際の使用状態に合わせたシミュレーションを
することが大事です。
ご家族みんなで一緒にショールームに
行く場合は、キッチンに立っている姿を
後ろから眺めてもらうと分かりやすいと
思います。
作業台の上にキャベツやカボチャなど
少し嵩張る物が載っている場合
上から体重を掛けて切る必要があるのですが
そのシーンをイメージした時に
キッチンに立つ人の身長の高さによっては
作業姿勢が極端に不自然な場合
もしかしたら、その高さの選択は
合っていないのかもしれませんので
キッチンの利用シーンを良く
思い出して選択してくださいね。