設計思想

芦田成人建築設計事務所 -3つの約束-

大きな窓のある木の家で窓の外には庭が見えている。1人の女性がキッチンに立ち家事をしている。ダイニングテーブルには2組のカップと皿が載っている。片隅に置かれた薪ストーブに火が灯っている。

約束 1:身体が楽な“空気”をつくる

深呼吸できる空気は、暮らしの土台です
換気・湿気・素材の選び方まで含めて、におい・重さ・乾きすぎを抑え、家族の呼吸を整えます

大きな窓があるモダンなリビングで女性が丸テーブルに座りコーヒーカップを手にしている。部屋の中にはテレビやソファがある。

約束 2:日本の暑さ寒さに、理屈で勝つ

体感は、温度計の数字だけでは決まりません
日射、放射、温度ムラ、窓の扱い方
「夏の暑い日射から守れて、冬に暖かな陽射しを取り入れる」設計で、我慢のいらない室内環境へ

グレーのポロシャツを着た男性が長い木材を手にしている。後ろには草が生えている。

約束 3:国産材を、思想として使う

木は“雰囲気”のためだけに使いません
調達の納得、経年の美しさ、触れたときの安心
日本の風土で育った木を、家の骨格と暮らしに効く場所へ


丹波市|芦田成人建築設計事務所(住宅/改修/耐震/木の建築)


芦田の言う

「土壌」とは?:5つの要素
(芦田の設計言語)

家族が根を張るための土壌は、5つの要素でできています。

  • 空気:換気・湿気・素材・におい

  • 熱:断熱・日射・放射・温度ムラ

  • 木:国産材・触感・経年・手入れ

  • 震:耐震・劣化・改修・命を守る装置

  • 編集:暮らし方・動線・片付け・家事の疲れ

証拠(エビデンス):言葉だけで終わらせない

“効いたかどうか”を、住んでからも確かめます
棚の上に置かれたデジタル温湿度計は21.3℃を表示している。湿度センサーは紫のテープで固定されている。

証拠 1:数値での確認
(できる範囲で)

住まいは数値だけで決まりません
けれど、数値がないと誤魔化せます
温熱・空気環境を必要に応じて測定し、次の設計にフィードバックします

モダンなインテリアでスッキリとしたキッチンとダイニング。大きな窓からは坪庭を眺めることが出来ます。木のダイニングテーブルの前には女性が座り庭を眺めています。 部屋の中にはシンプルでスタイリッシュな椅子が数脚置かれています。

証拠 2:判断を公開する
(やったこと/やらないこと)

「なぜその窓なのか」「なぜその断熱なのか」
設計の芯は、選んだ理由と、捨てた理由に出ます
芦田は、判断を言葉にして残します

大きな窓のあるモダンな家の縁側に女性が腰を掛けている。家の前の庭には沢山の木が植えられていて人が歩く部分は敷石になっている。

証拠 3:住まい手の体感
(感想ではなく、暮らしの変化)

「朝の冷えが違う」「洗濯の乾きが変わった」
そういう小さな差が、生活を変えます
体感の言葉を、設計の言語として蓄積します


設計思想詳細

家族が根を張るための「土壌」をつくる

良い実が、良い土から育つように
住まいも、見た目や間取りの前に、「暮らしを支える土台(環境)」があります

芦田成人建築設計事務所が整えたいのは、家族が毎日吸う空気、暑さ寒さに左右されない
触れて安心できる、命を守る震(耐震)、そして暮らしを前に進める編集(運用)
この5つを「土壌」と呼び、設計の判断基準にしています

事例集(判断の記録)を見る → 設計事例集 へ


土壌をつくる5つの要素

土壌は、5つの要素でできています。
(以下はすべて、単体ではなく相互に影響します。
だから芦田は「総合して整える」設計をします)

森の中に佇んで目を閉じて深呼吸する女性

1. 空気:身体をいたわる

よくある誤解

「換気設備を入れれば空気は良くなる」「高気密=苦しい空気」
→ どちらも“部分”です。空気は、換気だけでは決まりません

芦田の判断(何を見るか)

  • 湿気が滞留しやすい場所(浴室・脱衣・収納・北側)

  • におい/こもり感が出る動線(玄関〜LDK〜寝室)

  • 素材が空気に与える影響(仕上げ・接着剤・塗料など)

  • 換気が「回っている」設計か(風量だけでなく、流れと配置)

具体的にやること(例)

  • 湿気の“逃げ道”をつくる(空気の通り道、こもりやすい箱の扱い)

  • 素材の選定を、意匠ではなく“空気”の観点で行う

  • 設備は目的に合わせて「過不足なく」選ぶ(過剰にしない)

住まい手に起きる変化(体感)

  • 玄関に入った瞬間の重さが減る

  • 朝起きたときの、だるさ・喉の違和感が減る

  • 洗濯や室内干しの不快が減る(乾き・におい)

確認のしかた(必要に応じて)

数値だけで決めません。けれど、数値がないと誤魔化せます。
必要に応じて、温湿度・換気状態などを確認し、住んでからのフィードバックに活かします

家の内部と外部が見え、一方は夏で一方は冬です。夏の庭は木々が緑に覆われ、冬の庭は地面に少し雪が積もっていて太陽の陽射しが射している。

2. 熱:日本の暑さ寒さに、理屈で勝つ

よくある誤解

「断熱材を厚くすれば全部解決する」「窓は大きいほど気持ちいい」
→断熱は大事ですが、日射・放射・温度ムラを扱わないと体感は整いません

芦田の判断(何を見るか)

  • 夏:日射を「入れない」設計(特に西日)

  • 冬:日射を「取る」設計(取れる面・時間を読む)

  • 放射(壁・床・窓)による体感の差

  • 家の中の温度ムラが出るポイント(廊下・脱衣・寝室)

具体的にやること(例)

  • 窓は“景色”だけでなく“熱”も決める要素になる(位置・大きさ・ガラス)

  • 冷える場所を作らない(冷えの溜まり場の解消)

  • 夏に守れて、冬に取れる外皮と日射の設計

住まい手に起きる変化(体感)

  • 冬の廊下が怖くなくなる

  • 足元の冷え、顔だけ暑い、みたいなムラが減る

  • エアコンを“効かせる”より“乱さない”暮らしになる

確認のしかた(必要に応じて)

温湿度の推移や室内のムラを確認し、設計の仮説を検証します
「性能のための数字」ではなく、「暮らしを楽にするための根拠」として扱います

背の高い木々と下草に覆われた森の中。

3. 木:国産材を“思想”として使う

よくある誤解

「木=見た目が温かい」「木=手入れが大変」
→木は“雰囲気”だけの素材ではありません
 扱い方で、寿命も快適性も変わります

芦田の判断(何を見るか)

  • どの木を、どこに、どう使うか(触れる場所/骨格/経年)

  • 風土に合う素材の組み合わせ(湿気・温度差の中での安定性)

  • 手入れが“暮らしに乗る”仕上げか(過剰にしない)

具体的にやること(例)

  • 国産材を、家の肝に使う(構造・触感・経年が効く場所)

  • 材の性質に合わせた寸法・納まり(反りや割れを前提に整える)

  • 仕上げは「続けられる」選択にする

住まい手に起きる変化(体感)

  • 触れたときの安心感が増える

  • 空間が“静かに落ち着く”方向へ寄る

  • 経年が劣化ではなく、馴染みとして現れる

建築途中の木の骨組み。床に置かれた木材の上には幾つかのヘルメットが置かれている。

4. 震:耐震は「安心」ではなく
「命を守る装置」

よくある誤解

「新築なら大丈夫」「耐震等級を上げれば安心」
→重要なのは、家族の暮らしに合った“守り方”と、根拠の説明です

芦田の判断(何を見るか)

  • 建物形状と力の流れ(弱点がどこに出るか)

  • 劣化と改修の見通し(長く守り続ける設計か)

  • 既存住宅なら、現状把握と改善の優先順位

具体的にやること(例)

  • バランスの良い構造計画(無理のない開口計画)

  • 改修であれば「効果の大きい順」に整える

  • 必要な根拠を、住まい手の言葉で説明する

住まい手に起きる変化(体感)

  • 不安が“情報”に変わる(何が弱点で、どう補うかが分かる)

  • 将来の手入れや改修の道筋が見える

居心地の良さそうなダイニングに置かれた丸テーブルにはコーヒーカップ、ナプキン、カトラリー などが置かれています。テーブルの椅子には1人の少年が座り、キッチンでは女性が家事をしています。大きな窓からは遠くの景色が見えています。

5. 編集:暮らしを主役にする
(間取りより運用)

よくある誤解

「便利な間取り=良い家」「収納を増やせば片付く」
→暮らしは、動線と運用で決まります。間取りは手段です

芦田の判断(何を見るか)

  • 家事・片付け・移動で“疲れる瞬間”はどこか

  • 家族の時間割(朝・帰宅・夜・休日)で詰まる場所はどこか

  • 物の居場所が“自然に決まる”仕組みになっているか

具体的にやること(例)

  • 「暮らしの詰まり」をほどく(渋滞ポイントの解消)

  • 収納は量より、位置とルール(続く仕組み)

  • 生活の変化に耐える余白をつくる(固定しすぎない)

住まい手に起きる変化(体感)

  • 家の中で“急がなくていい”時間が増える

  • 家事の疲れが減る

  • 片付けが根性ではなく、仕組みになる

土(壌)づくりは地味で、結果は時間差で返ってきます

住まいも同じです
芦田は、派手さより、10年後も身体が楽な土台を整えます


事例集(判断の記録)を見る → 設計事例集 へ