「これからの住まいづくり」とは?
先日、ウェブサイトのトップページを
プチリニューアルしました。
どこをプチリニューアルしたのか?と言うと
デスクトップパソコンでは
右上に文言が登場していると思いますし
スマホやタブレットでは屋号ロゴのすぐ下に
文言が登場していると思います。
「これからの木の住まいの設計監理・・・」と
続く部分です。
これまで、この部分は単なる屋号が存在していただけ
でしたが、当事務所が何を目指そうとしているのかを
一言で表現すると、このようになります。
ここに登場する「これからの住まいづくり」と
言う言葉自体も抽象的で分かり難いかもしれませんが、
簡単に説明しますと、皆様が目指そうとしている、
これからの住まいづくりと言う意味もありますし、
芦田が目指そうとしているこれからのスタイル
と言う意味もあります。
私の裏テーマとしては「どっちも、ちゃんとする
(ちゃんと出来る)」と言うキーワードを挙げています。
じゃあ、ここで言う「どっちも」とは何を指すのか?
(性能もデザインも)ちゃんとする
と言うことになります。
誤解を恐れずに言い換えると
「性能だけではつまらない、デザインだけだと心許ない」
となります。
随分な言い方かもしれませんが、
現に多いのが、どちらかに偏った家づくりです。
性能に偏ると高性能製品の展示ハウス
と言っても過言ではない状態になったり、
かたやデザインに偏るとガラスばっかりで
耐震は大丈夫なの?冬寒くないの?
と言った状態であったりと
バランスの悪い家になってしまいます。
どっちも、ちゃんとする(出来る)造り手が
増えつつあるように思いますが
現状は、まだまだでは無いでしょうか?
そう言った意味で私が目指したい
「これからの住まいづくり」の意味は
こう言った点なのですが、
しかし性能と言っても耐震や省エネに限らず、
これからはSDGSなどもっと違った観点からの
住まいづくりが必要になるかもしれません。
これからの住まいづくりには終点が無く、
常に現在進行形である必要があるのかもしれませんね。
中間検査
先日は「Courtyard House in Tamba」の中間検査でした。
中間検査は審査機関から現場審査員の方がいらしてする
構造面の検査が主ですが、軽く一通り見回して終了となります。
それ以上に厳重なチェックを普段の打合せ等で
行っていますので、特段問題になることは殆どありません。
話は変わり、2025年から規模の大小、建物の用途も
問わず全ての新築建物で省エネ化が義務となります。
もう、殆どの造り手が対応できていることと思いますが、
更に4号建築物の審査が厳格化されるようです。
4号建築物とは正に木造住宅も該当するのですが、
これまで建築士の設計であれば確認申請では
特に構造面の審査は無く建築士の責任の元に
任されていました。
しかし、その任されている建築士が全員、
構造チェックをしているか?
と言うと意外にノーチェックで
自由に造られ過ぎていたのです。
即ち、構造的に耐力不足であっても
建築されてしまっていた実情があるようです。
そこを何とかしないといけない
と思ったのかどうかは分かりませんが、
木造であっても、ちゃんと構造計算などを
してチェックをしなさいと言う方向に
法律が変わりそうです。
当事務所でも、当初は壁量計算と呼ぶ
最低限のことを続けていましたが、
現在は構造計算ソフトを導入しつつ、
必要な時には外部の構造事務所の力を
お借りして安全性の担保としています。
写真は本文とは全く関係ありませんが、
トンネル状のアプローチ部分。
トンネルを抜けた先に現れるのが、
この住まいの玄関になります。
お話をさせていただきます
6月に、とあるクローズな場で
消費者の皆様に向けてお話を
させていただくことになりました。
内容は省エネ住宅についてです。
造り手側は、どこも既に
取り組まれていると思いますし、
テレビCMでも盛んに関連する
キーワードが流されるように
なりましたので、
関心の高い消費者の皆様は
色々と勉強されていることと思います。
このような場で、どの程度知識を
持たれている方へ向けてお話を用意すれば
良いのかは非常に難しいのですが、
全く初耳の方に向けた話をすると、
そこそこ知識を持たれている方にとっては
退屈でしょうし、
ある程度知識を持たれる方に向けた話をすれば、
初耳の方には難しすぎる、となります。
「省エネ住宅」と言うキーワードで
お話する告知はしているため、
少なくとも関心のある方が
聞いていただけると思いますので、
話の内容としてはある程度
優しめな内容を用意し、
机の上だけでは知れない内容を
用意しようと思います。
今、資料請求していただく皆様には、
国土交通省が発行の
「待って、家選びの基準変わります」の
冊子も一緒にお送りさせていただきます。
漫画形式の分かりやすい冊子に
なっていますので、
この機会にぜひ、どうぞ!
車庫の屋根
「Courtyard House in Tamba」の
車庫棟の屋根が出来ました。
屋根は折版と呼ぶ台形を繰り返したような形状で
駐輪場や工場の屋根などによく用いられますが、
車庫で用いられるケースは少ないかもしれません。
この折版葺きの屋根は過去にも
採用したことがあります。
「大きな屋根に守られて」の時には
住まいと車庫と外構がうまくマッチし
まとまりました。
これらが「大きな屋根に守られて」の外観です。
母屋と車庫は別棟ですが、母屋の屋根の下に
車庫の屋根が潜り込むように計画しています。
そして今回も母屋と車庫は別棟となっていて、
車庫の一部がエクステリアを形成するようになっています。
3枚目は「Courtyard House in Tamba 」の完成予想パース
4枚目が現在の姿です。
車庫と外構が上手くまとまるように、
さらなる工夫を凝らします。
キャンペーン
新年度になり、住宅建築やリノベーション
においても、お得な制度が始まりました。
国土交通省、経済産業省、環境省の
3つ省が連携した大型な補助制度です。
これまでにも補助制度はありましたが、
一つの省でのみ行われる完全縦割りな
制度ばかりでしたが、三つの省が連携して、
これだけ力を入れているのは非常に
珍しいことであり、
それだけ国が住宅の省エネ化に
力を入れて取り組もうとしていることの
現れでもあると思います。
但し、こういった補助制度は
いつまでも続く訳では無く
予算が尽きれば終わり、
つまり早い者勝ちとなります。
詳しくは、住宅省エネ2023キャンペーン
からご覧ください。
祝上棟!
先日、仮称「Courtyard House in Tamba」
上棟しました。
本当に偶然ですが「9T+」の上棟式から丁度、
一年後の同じ日でしたので驚きました。
本来なら、先週の予定でしたが、
雨に降られてしまい順延となったことでの
ことでした。
こちらのお住まいのお隣には、某会社の社屋が建ち、
その主執務室は2階にあります。
そして、その執務室は床から天井までの
大きな窓ガラスが設けられていて、
こちらの敷地を見下ろすような
シチュエンーションです。
陽射しやロケーションを求めて南面に
大きな窓を設けたいのですが、
単純にプランをしてしまうと、
お隣の社屋から家の中が丸見えで
覗き込まれてしまいます。
そこで考えたのが、建物をL字型に配置し、
緩やかに立ち上がった1階の屋根を
そのまま2階の屋根まで結ぶ、
一屋根の形です。
こうすることで、緩やかな立上りの屋根が
目隠しとなって、お隣の視線は、
全く気にならなくなります。
計画段階でのシミュレーション、
そして現地での確認にて間違いなく
視線をカット出来ていることは確認出来ました。
又タイトルにある「Courtyard」とは
「中庭」と言う意味です。
家と別棟の車庫で挟まれた部分に庭を設け、
そこに緑を配置することで、
陽や四季の移ろいを感じられる空間に
仕上がることをイメージしています。
引き渡し&竣工式
先週末は、兼ねてより工事を進めてきました、
認定こども園あおがき第二園庭(わんぱーくあおがき)の
お引き渡し、そして日曜日には竣工式が開かれました。
日曜日はあいにくのお天気で、お子さん達の
出席はありませんでしたが、関係者による式典が
催されました。
思い起こせば2019年の春に以前あった芦田保育園の
園舎解体工事に関わらせていただいたことが、
ご縁となりその4年後に再び、この地の工事に
関わらせていただくことになりました。
私どもの担当は、第二園庭の中に建つ倉庫、休憩室、
トイレが一体となった建物で、申請上は作業場等
と言う位置付けですが、主に園庭を管理していただく
方々が休憩する場になることを目的としています。
しかし、こども園から時々、お子さん達がやってきて
里山体験をしたりすることが出来ることから、
お子さん達が使えるトイレも併設しています。
従って建物は、暗い、汚い、怖いと言う
トイレのイメージを払拭すべく明るい、綺麗、楽しいを
イメージし、外観は白を基調色にまとめ、
内部の壁は一面だけアクセントにモザイクタイルを貼り、
又外の明かりをたっぷり取り込めるように
大きな窓ガラスを設けました。
こうすることで、視認性が高まり、外からは
大人の目が届きやすくなり管理しやすくなる
メリットが生まれます。
又大人用のトイレは、しっかりとプライバシーに
配慮した位置にプランしています。
実はトイレ内は、未だあと少しだけ変わる部分が
あるのですが、納品スケジュールの都合で
仮の物が入っています。
気流留め
さて、今回のプチ知識シリーズも
今回で一旦最終回とさせていただきます。
又時々5回くらいに分けて
更新させていただこうと思いますので、
是非ご覧になっていただけましたら
幸いでございます。
最終回は「気流留め」についてのお話です。
「気流留め」はあまり聞きなれない
言葉かと思います。
しかしジェット気流と言う言葉は
聞かれたことがある方は多く
いらっしゃると思います。
気流とは空気の流れのことですが、
実は住宅においても空気の流れる場所が
皆さんの知らない所で発生しています。
どのような場所かと言うと壁の中が
そうなんですが現在、日本に建っている
殆どの住宅では根太床と言う工法で
床が構成されているのですが
根太床の場合、床下と壁の中や天井裏が
空間で繋がってしまいます。
そうなると床下や天井裏で冷やされた空気が
壁の中を伝って自由に動き回り、
結果として壁を冷やし、強いては部屋を
冷やしてしまい暖房の効率が低下してしまいます。
剛床(ごうしょう)と呼ぶ厚板を土台や大引に
直接打ち付ける工法では、
床下と壁が空間で繋がることはないため、
壁の中に気流が起こることはありません。
このため断熱リフォームをするなら
気流留めを施さないと、いくら一生懸命に
断熱材を入れた所で効果は僅かしか向上しません。
以前に紹介させていただいた
建築知識ビルダーズ52号の中に、
室蘭工業大学名誉教授の鎌田先生の記事があり、
床、壁、天井にグラスウール10Kが50㎜厚が
施工され窓ガラスはシングルガラスのアルミ枠の家、
東京都練馬区で平均18℃で全室暖房した場合の
灯油消費量を基準にした時に、
同スペックの家に気流留めを施した場合の
灯油消費量が41%削減出来、
同じく床、壁、天井の断熱材の厚みを
倍の100㎜にした場合では、わずか16%しか
削減できないとシミュレーションされています。
それほど気流留めの効果は高いと言えますが、
実はこれプロであって知らない人が
意外に多いんです。
プロであっても殆どの方が窓の性能を上げて
断熱材をしっかり入れさえすれば、
大丈夫と勘違いされていると思います。
特にDIYで家を触ろうとする場合は、
全くこのような点には
配慮されていないのではないでしょうか?
このような根太床組の場合、
床下と壁の中が空間で繋がるため
床下で冷やされた空気が壁の中を
自由に動き回ります。
外周壁は断熱材を入れたとしても
部屋と部屋の間にある間仕切壁には
断熱材も何もありません。
スイッチやコンセントの周りに
手を当てて冷たい空気が流れていないか、
ご確認していただくとお分かりいただけると思います。
この写真は手前が工事のため新しく床や壁を
作るので床下地の合板を貼っていますが、
写真の丁度真中に写真の向こう側の部屋の
床を受ける根太が写っています。
真っ黒に写っている部分が床下空間で、
白く写っているのは写真向う側の部屋の
壁の裏面です。
このまま壁を貼ってしまうと
床下と壁の中の空間が繋がってしまうため
気流が発生します。
この気流を留める材料のことを「気流留め」
と呼ぶのですが、方法は様々あり、
乾燥木材による方法や断熱材で
気流を留める方法などがあります。
先の鎌田先生のシミュレーションにも
ありますように、住まいの省エネ性能を
高めるためには地味ですが
忘れてはならない部位になります。
格好良いだけの家は沢山ありますが、
見えない部分にもちょっとした
配慮があるだけで、
格好良くて尚且つ省エネ性も高い家になります。
窓
さて、これまでの3回は新築住宅、築40数年の家、
築30数年の家をリノベーションした
それぞれのケースでの室温測定の結果に基づき、
それぞれの考察などを述べてきました。
そして今回は、それぞれの差(室温差)は
どこから生まれてくるのか等について
述べていきます。
皆さんは、日本における一般的な住まいの中で
最も多くエネルギーが出入りしている部位は
どこだと思われますか?
エネルギーが出入りと言う表現が
ちょっと難しいかもしれませんので、
もう少し分かりやすく表現すると、
夏、暑く熱せられた太陽の熱や外気、
そして冬は家の中で暖められた暖房の熱などが、
家のどの部位から入ったり出たりしているか?
と言う事です。
正解は「窓」です。詳しくは、こちら
の環境省のページでご確認いただきたいのですが、
夏は73%が、そして冬は58%が窓から、
熱エネルギーが入ったり出ていったりしていると
言う結果が出ています。
ハウスメーカーのテレビCMでも「窓が・・・」
と謳われているように、
多くの既存住宅では窓はエネルギーの
抜け道になっているんです。
そのため、既存住宅の断熱改修では
先ずは窓の性能を見直す必要があります。
ここで少し考えていただきたいのですが、
家全体における窓の占める面積割合って
外壁面積よりもかなり少ないにも関わらず
窓からのエネルギーの出入りする割合が
非常に高いと言う事が分かります。
殆どの既存住宅では窓は1枚ガラスでアルミ枠
と言う構成で、いずれも熱を伝えやすい材料で
作られています。
新築住宅では殆どの場合ペアガラス
と呼ぶ2枚ガラスでアルミと樹脂の複合枠や
樹脂のみで枠を構成している窓が使われたり、
木製窓が採用されたりするケースも増えていますが、
既存住宅では一旦スケルトンの状態にする
リフォーム工事でもない限り、
そのような窓に変更する事は稀で、
最も手軽に行えるのは内窓をつけることです。
内窓は今ある窓の内側にもう一枚別に
窓を取り付けるだけの工事のため
大掛かりな解体も必要なく工事日数も
少なくて済むので、コストを抑えやすい
メリットがあります。
反面、窓を開けるために2枚の窓を順に
開ける手間が必要となるため若干の面倒臭さがあります。
しかし、そのようなデメリットを補って余りある
メリットの方が高いため、低予算での
断熱リフォームをお考えの方には
先ずお勧めする方法の一つです。
では窓だけを何とかすれば、
光熱費が大幅に削減出来て省エネな
生活が送れるのか?
と言うと更にもう一つ需要なポイントが
あるのですが、それは又次回にしたいと思います。
築30数年の家をリノベした場合の室温
前回は築40数年の家でリノベーションも
何もしていない場合の室温測定の結果でした。
そして前々回は新築住宅で現在のZEH基準相当の
外皮性能を持つ家の室温測定の結果でした。
もし未だご覧になられていない方がいらっしゃいましたら、
以下のリンクからご覧ください。
新築の室温測定ケース、
築40数年の未工事の室温測定ケース
そして今回は築30数年の家を断熱も含む
リノベーションをした場合の室温測定ケースについて、
お話します。
以下の測定結果は2021年の2月中旬に
約1週間ほど連続してデータロガーにて測定した
結果になります。
そして2枚目が同期間中の最寄りの
観測地点におけるアメダスデータになります。
工事前の住まいのスペックとしては日本瓦葺き、
外壁はサイディングで壁面のみ
グラスウールが約40㎜程度の物が入っていましたが、
天井面と床面は無断熱でしたので、
前回の築40数年の家よりも気持ち
断熱がされている程度です。
今回の工事では1階の約2/3程度の範囲を
区切って断熱工事を含む工事をしています。
このデータを見る時に注目するポイントは
最低室温と室温が上がった後の室温が
下がるスピードつまり、下降線の勾配に
注目しています。
こちらのお住まいでは2021年の2月20日に
最低室温10.3℃となっています。
同日のアメダスデータでは最低気温が-3.1℃です。
この時期殆どの場合、最低気温は朝に記録することが
多く、室温も未だ住人が起きる前頃の時間に
最低室温を記録するケースが多いです。
そして、ここでも断熱工事を施した1階では、
暖房が必要か否かの目安となる10℃を
僅かに上回ることが出来ています。
つまり断熱工事による効果は
ある程度あったことを示せていると思っています。
因みに3番目に挙げたデータは
今回の工事対象外であった
同住まいの2階の部屋の測定結果です。
こちらのケースもやはり、
前回の築40数年の家と同じく
最低室温がかなり低く4.5℃となっています。
やはり外気温の影響をかなり受けている
ことになります。
では断熱材を一生懸命に入れれば
どの住まいでも、暖かくなって光熱費を
抑えた健康で快適な住まいになるか?
と言うと実はそれだけではないんです。
そのあたりの詳しい内容については
次回以降で又お伝えして参ります。