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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

リノベーションについて その7

完成実例紹介
これまでは工事前や工事中のお話ばかりでし
たがので、今回からは完成した様子も含めて
紹介させていただきます。前回、柱を抜いて
補強の梁を入れるため新たに門型にフレーム
を構築して入れ子状にしたとお伝えしました。
その後の完成した様子が次の写真になります。

完成した部屋
上の写真が前回の補強梁を入れ、完成した部
屋になります。壁に掛かっているエアコンの
直ぐ左側の梁と、エアコンから少し右に離れ
た所に映っている梁の2本は補強で設けた門
型フレームの梁の一部です。元あった躯体の
内側に新たに基礎を打ち、土台を敷き、柱梁
の構造体フレームを入れ子状にしているため、
和室部分の窓際の壁厚が通常の壁の2倍にな
っています。窓の部分が出窓のように見える
のはそのためです。

北寄りの部屋
上の写真は先ほどの部屋の東隣の部屋です。
写真の奥に見えている部屋が南庭に面する部
屋です。つまり、この部屋は建物の北寄りに
存在しているのですが、写真の左側の出入り
口部分も少し壁厚が分厚く映っています。こ
こも既存の構造体の内側に新たに構造体を入
れ子状に設けたため壁厚が、通常の倍の分厚
さになってるのが分かる部分です。天井の左
端に少しだけ映っている梁が構造補強で設け
た3本のフレームの内の1本です。

柱があっても
上写真のように三つ間続きの和室とするため
に、どうしても邪魔になる途中の柱を1本だ
け抜いたのですが、こちらの部屋には1本柱
が出ています。端にある部屋でもあり、北側
にある離れの廊下への出入口もあるため、柱
があっても大丈夫なデザインとしました。こ
の柱は元あった柱を同じ位置で差し替えたも
のです。

調査で分かったこと
建物の南側半分は、ご覧のように黒い大きな
梁が建物を支えていたのですが、事前調査し
た所、先ほどの和室がある北側半分は少し様
子が違っていました。

この建物自体は築100年が過ぎていると思
われるものでした。住まい手が居なくなり売
りに出されていた所を、この住まい手さんが
購入されたものです。

以前の持ち主さん
事前調査して分かったのは、どうやら30~
40年ほど前に以前の持ち主さんによって、
大規模にリノベーションされたであろう痕跡
があったことです。

おそらく、その時に建物の北側が触られたの
ではないか?と推測します。全体的に古民家
独特の雰囲気が、残されていなかったため、
新築同様な雰囲気に仕上げました。