兵庫、京都、大阪で誠実に、丁寧に木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所

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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

リノベーションについて その9

実例紹介
今回は、BEFOREとAFTERを見比べ
ながらリノベーションの実例を説明
させていただきます。

店舗の実例
こちらの建物は住宅ではなく店舗として利用
されています。1枚目が工事後(AFTER)、
2枚目が工事前(BEFORE)です。写真館の
建物で撮影のためのスタジオがお店の2階に
あります。

住宅では北面に大きな窓を設けることは稀で
すが、写真館では光量の変化の少ない北面の
窓から光によって撮影すると人工照明とは違
った自然な仕上がりになるのでとても重宝さ
れます。元々2階のスタジオの窓だけ触るつ
もりだったそうですが、世代交代に備え、お
店の雰囲気を一変させることになりました。

建物の顔となる2階の大きな窓がシンボリッ
クで、それらを取りまとめる黒い外壁に木部
の格子、1階のショーケース部分の位置も殆
ど変えずにまとめています。

同じアングルでも
上の2枚は、ほぼ同じアングルの工事前後で
す。先に載っているのが工事後(AFTER)で
後者が工事前(BEFORE)です。ほぼ同じ位
置からの撮影ですが奥行きが違って見えるの
は、実は工事前には壁の奥に現像室があった
のですが、写真もデジタル処理の時代になっ
たため、現像室を無くし、テーブルを置いて
いるスペースで2階のスタジオで撮った写真
の確認をお客様と一緒に出来るようになって
います。又今では、このスペースを生かして
定期的にイベントも開かれているようです。

自然光スタジオ
そして、こちらの写真は2階スタジオの工事
前後になります。先に載せているのが工事後
(AFTER)のスタジオの様子で、実際に撮影
が行われている所を撮っていただきました。
窓枠が床から少し上がっているのは、そこに
腰を掛けることが出来るようにするためで、
座るために窓枠の奥行も少し深めにしていま
す。白い衝立は反射板で、その奥には人工照
明を点して撮るスタジオも併設しています。

エントランス
この2枚はアングルが全く違いますがエント
ランスと受付カウンターを中心に映した工事
前後のものです。出入り口や受付カウンター
の位置は全く変わっていません。前者の壁が
木の板になっている部分はギャラリーとして
使うため自由に写真を飾れるように素材を木
としています。その壁の流れのまま受付カウ
ンターも同じ素材で仕上げています。

プランの余白に生まれる魅力的なスペース
こちらの写真は、工事後のものです。出入り
口の隣に奥行きの深いスペースが出来ていま
す。元々、ショーケースのあった部分を拡張
しショーケースとしての機能と少し腰を掛け
て佇むことが出来るスペースになりました。

リノベーションにおいては、このようにプラ
ン上、余白のスペースが生まれることがあり、
そう言ったスペースが実は心地よい雰囲気を
生み出してくれることもあります。

写真だけでは分からないことだらけ
とまあダイジェスト的に紹介させていただい
たのですが、こちらの建物はフルリノベーシ
ョンしていますので、まだまだ他にも以前と
は変わっている部分ばかりです。今回は住宅
とは違った建物でしたが、写真で見るのと、
実物を見るのとでは思っていたイメージが全
く異なると思いますので、もし気になる建物
の見学会があるのなら、ぜひ足をお運びいた
だくことをお勧めします。