また来たいの途中で足が止まった、23cm
週末栗農園、未だやることは沢山あるけども、久しぶりにお休みにして
先日、世界的なコンテストで賞も受けているという有名なカフェへ行ってきました。
正直、期待していました。けれど、それは期待を上回るものでした。
注文したスィーツがとても美味しい。
甘さだけではなく、香りや食感、味の層がいくつもあって、
ひと口ごとに「次は何が来るんだろう」と楽しくなる。
食べ終わった瞬間に、「次に来たら他の種類も食べたい」と思っていました。
建物もおしゃれで、空間の使い方が上手い。
1階で商品を注文して、テラス席や2階席で
それらを食べられるシステムです。
庭を眺めながらお茶を飲める席もあれば、
2階席でゆったりとした椅子に座り静かに時間を楽しめる席もある。
私たちは2階席を選びました。
少しだけ日常から距離を取れるような、その感じが良かったんです。
……ところが。
階段を上る時に、ほんの少しだけ違和感がありました。
危ないというほどではない
でも、体が「ん?」と反応する
足が一拍遅れるような、無意識に慎重になるような感覚です。
職業病とでも言うべきか
帰り際、気になり指を広げ測ってみました。
私が指を広げた時の親指から小指の先までは、およそ22cm
蹴上げ(階段の高さ)を測ってみると、それプラスアルファなので
約23cmほどです。
「なるほど」と思いました。
これは建築基準法で許可されたギリギリの寸法で、上れないわけではない。
でも、上りやすいかと言われると、それは又、別の話です。
私が設計する時にはおよそ20cmを目指します。
たった数センチで、体は正直に“違和感”を覚えます。
カフェって、意外と階段に条件が重なります。
手にトレーを持つ人もいる、バッグを肩にかけている人もいる。
お子さん連れや、ご年配の方も来る。
さらに、楽しい気分で気が緩んでいる時ほど、足元の「やさしさ」が効いてくる。
このカフェを否定したいわけではまったくありません。
スィーツは本当に素晴らしかったし、庭の見え方も席のつくりも魅力的でした。
だからこそ、ほんの小さな「体の引っかかり」が、最後に記憶に残ってしまうのが惜しかった。
美味しいスィーツは、ひと口で心をほどきます。
でも、上りにくい階段は、たった一歩で体を固くする。
住まいも同じです。
暮らしの中で何度も繰り返す動作に、無理を混ぜない。
私たちは、見た目の“良さ”より先に、毎日の動作のラクさを設計します。
家は、鑑賞するものではなく、帰って呼吸する場所だからです。
写真は今回のお店とは全く無関係です。