建物の点検方法 その2
前回は基礎についてでした。細かいことを言えば
もっと点検項目はありますが、一旦他の部位に移
ります。
今回も目視で点検できる個所になります。それは
雨樋(あまどい)です。雨樋に不都合が起こると、
そこから漏れた雨水は建物に直接降りかかります。
そうなると建物を傷め、耐久性に乏しくなります
ので点検は重要です。
まずは軒樋からですが、軒樋とは軒先に水平に取
り付いている樋です。厳密に言うと水平ではなく
水を流すために少し勾配が設けてあるので水平と
は言えません。
軒樋には落ち葉が積もって排水能力を落としてし
まう原因になり兼ねないので定期的な点検はして
おく方が賢明ですね。
又、軒樋は雪の降る地域では屋根に積もった雪に
押されて軒樋自体が少し前のめりになってしまう
ことがあります。そうなると正しく雨を受けきれ
ずに樋から水がこぼれ落ちることもあります。
又鉄の樋では腐食によって穴が開いていたり、つ
なぎ目で外れていたり、特に築年数が経っている
建物では、そのような事例をチェックしておく方
が良いですね。
又竪樋(たてとい)と呼ぶ軒樋につながって、雨
が垂直方向に落ちてくる樋では、つなぎ目からの
漏水も起こり得ます。つなぎ目が腐食していると
か、つなぎ目が外れているなどの理由が挙げられ
ると思います。
軒樋と竪樋のつなぎ目も問題が起こりやすい場所
です。
そして竪樋を躯体に繋ぎとめている掴み金物、こ
の金物は直接躯体に留め付けられているので、掴
み金物から躯体に水が入っていないか?もチェッ
クポイントとなります。
何れも目視で見て回れる場所ではありますが、脚
立がないと確認出来ないこともあるので、ご自分
でされる場合は十分に安全に配慮して行ってくだ
さい。
日射遮蔽
先日、お話を伺っていてふと思ったのですが、
部屋に暑い西陽が射すのを防ぐには、どうす
れば良いのか?と言う話です。
そんなの簡単だよ、日除けのためにブライン
ドを吊れば良いんでしょ、と思われた方いら
っしゃると思います。その対策も間違いでは
ないのですが、窓の外側で日除け対策を施す
のに比べると部屋にブラインドを吊る方法は
やや効率が落ちます。
下のグラフと図をご覧ください。まずは左手
のグラフから説明します。一番上にある「普
通透明ガラス」と書かれたグラフですが普通
透明ガラスだけの場合、外の陽射しが部屋の
中に侵入する割合は約9割あります。
次に直ぐ下にあるグラフですが、これは部屋
の中に日除けのためのブラインド等を吊るし
たケースです。この場合で日射が室内に侵入
する割合は約6割、そして更にもう一つ下に
あるグラフは窓の屋外側に日射遮蔽対策を施
した場合ですが、このケースで日射が室内に
侵入する割合は約1.5割になります。
これらのことからも窓の屋外側で対策を講じ
るのと窓の内側で対策を講じるのでは、その
効果に違いがあることをお分かりいただける
と思います。
窓の外で出来る対策とは外付けブラインドや
オーニングとは可動式の屋根のような物です。
緑のカーテンと呼ばれるツル性植物の朝顔や
ゴーヤなどで対策を講じることも効果が高い
と言えます。
又ホームセンターで売っているような、ヨシ
ズやスダレなどを用い窓の外側で日除け対策
を講じることも安価で出来る対策になります。
勿論、部屋の中で対策を施す場合も方法によ
って日射遮蔽割合は異なります。
右側の図は、それらを模式的に表した図で部
屋の中が赤くなっているほど陽射しが室内に
侵入していることを表現しています。
そして左側のグラフに戻りますが上から4番
目の「遮熱型低放射複層ガラス」と書かれた
ケースではガラスのみで日射侵入率は0.5まで
低減できます。
新しい家では、ペアガラスとなっていて、ガ
ラス面のみでも日射は侵入し難くなっている
とは言えますが完全ではないので、やはり日
射遮蔽対策は講じておく必要があります。
出典)自立循環型住宅への設計ガイドライン
建物の点検方法 その1
以前、「定期健診と定期点検」のブログを書いた
際に建物の点検方法について伝えようと思います、
と書いていたのですが、そのままとなっていたの
で、そろそろ記事を挙げなければと思います。
まずは建物の外側についてです。目視で確認でき
る内容ですので、是非ともご自宅の建物を確認し
ていただければと思います。
最初は建物の基礎についてです。基礎にひび割れ
があるのか無いのかを家の周りをぐるっと一周回
って確認していただきたいのですが、重要なのは
ひび割れがあるのか無いのかではなくて、どの程
度の幅のひび割れがあるのかです。
ひび割れの幅が0.3㎜を超えている場合、その隙間
から雨水が入り込み中の鉄筋を腐食させるなどして
耐久性が低下すると言われています。
又、その深さが20㎜以上の場合も劣化事象と判断
されるため、出来るだけ早期に対処すべきです。
ひび割れ幅の0.3㎜を見分けるのは難しいため、ク
ラックスケールと呼ぶ幅を測るための道具があると
便利ですが、ホームセンターやネット等で販売され
ている場合もあります、そんなに高い道具ではあり
ませんので興味のある方はお求めください。
とまあ挙げていくと基礎だけでも幾つもの項目があ
るため、続きは又今度にします。お楽しみにお待ち
くださいませ。
奇跡の・・・と言うけれど
高校野球もいよいよ決勝戦を残すのみとなり
ましたね。先日の準決勝で関東一高と神村学
園の勝敗を分けたセンターからの返球をマス
コミはドラマチックに仕立てたいために「奇
跡のバックホーム」と表現するけれど、「奇
跡」と言う言葉の意味を調べると、常識で考
えては起こり得ない不思議な出来事と言った
類の意味になるそうです。
でも彼ら高校生は日頃の練習で、バックホー
ムの返球練習は毎日のようにやっています。
私もかつては、一高校球児でしたので分かり
ます。日頃の練習の賜物でもあるのですが、
それを「奇跡の・・・」と言う表現は、彼ら
に対してちょっと失礼な気もします。
もう少し彼らに対するリスペクトのある表現
にならないものか?とも思うのは私だけでし
ょうか?
とにもかくにも、残すは決勝戦のみです。勝
っても負けても彼らにとって人生最大の舞台
になるかもしれませんね。昔から高校野球が
終わる頃には秋の気配を感じていましたが、
晴れ舞台となるように頑張っていただきたい
ものです。
図面とは
一般的に家づくりには必ずと言っていいほど
図面が必要になります。ハウスメーカーの場
合だと10~20枚程度かと思います。工務店さ
んの場合は、その会社によって違うと思いま
す。では当事務所は、どうか?と言うと契約
図面と呼ぶ住まい手さんにお渡ししている図
面だけでA3サイズで約100枚程度になり
ます。
確かに基本的な内容だけ描いてあれば良いの
であれば20枚もあれば良いのかもしれませ
んが、注文建築の1品生産で、皆様のこだわ
り等を反映していくと図面の枚数は増えてい
きます。
又ハウスメーカーではプランは無料でしても
らえるのかもしれませんが、当方では有料で
す。何故、有料なのか?その違いは何なのか?
そこまで考えずに無料の方が良いやと思われ
る方は、そちらを選ばれると良いと思うので
すが、先ず無料で出来ることって多分、間取
りを描くだけ、しかもそれを考えるのは建築
士資格も無い営業マンだったりします。
当方では、間取りだけを考えるのではなく、
その場所でどのような生活が行われると快適
でずっと愛着を持って生活を送れるのかを考
慮し、間取りは勿論、模型や3次元表現のパ
ースと呼ぶ分かりやすいツールを使って提案
を行います。
初めて家づくりをされる方にとって、おそら
く間取りだけ見せられても、立体的なイメー
ジが何も想像出来ず、本当にこれでいいのか?
と言った判断が難しいと思います。そう言っ
た意味で3次元表現が出来ている模型は、そ
れらを補うことも出来ます。
話が逸れましたが、当方の図面が100枚程
度にも及ぶのは、私と住まい手さんのイメー
ジを現場の職人さんにも伝える必要があるか
らです。言葉でまとめることが出来るのなら、
簡単なことでしょうが、言葉を一言一句違わ
ず施工に反映することは至難の業ですので、
きちんと図面として表現しておかないといけ
ません。
又図面を描いている私が、直接工事をするの
であれば、もう少し図面の数は減らせるかも
しれません。但し、行き当たりばったりな仕
事をしていると、必ずどこかで工事の手が止
まってしまうことになります。
私の経験上、図面を検討している上で迷った
り、悩んだりした部分は、必ずと言っていい
ほど現場でも悩まれて、電話が掛かってきて
「ここ、どうしたらいいですか?」と尋ねら
れます。
従って図面の段階で必ず、そう言った課題は
解決しておく必要があります。私にとって図
面とは考え方をまとめた物であり、職人さん
への意志伝達手段でもあると思い、日頃の設
計に勤しんでいます。
今日の写真は、新築住宅の契約用設計図面で
す。A3用紙を2つ折りして製本されていて、
その厚みが、およそ2cmになります。ちょっ
と厚手の本くらいのボリュームになり、もし
これが小説なら読み応えのある感じがします。
上には上がいる
先日「第8回日本エコハウス大賞」の奨励賞を
いただきましたとの報告をさせていただいたの
ですが、このコンテスト、私の中では当初、高
気密高断熱マニアが集まる特殊なコンテストと
思っていました。
しかし、そうでなく少しだけ頑張って手に入れ
ることが出来るエコハウスでないと、広く世間
に浸透するとも思えなかったので、太陽光発電
も搭載していないし、付加断熱している訳でも
ない、G2レベルに達している訳でもないけど主
開口部の仕様だけは少し見直し、長期優良住宅
の認定を受けることが出来るレベルには達して
いる住宅で、どこまでの評価を得ることが出来
るのか?腕試しのつもりで応募してみました。
第1回目の審査結果の発表では、本選に進出す
る10組の発表があったのですが、そこに名前
は無かったため、やはり高い壁なんだろうなあ、
と思っていました。
そして第2回目の発表を見落としていたため、
私の中では、今回のコンテストは一参加者と
して見届けようと思っていました。
しかし、住宅医協会から送っていただいた通
信の中に、私の名前を見つけ、事態が急変し
ました。
主催者からの発表で知った訳では無かった人の
反応って、こうなるのか?と思えるほど住宅医
協会さんには失礼な反応をしてしまいましたが、
それほど信じられない出来事だった訳です。
しかし、未だ本選に残った訳でもなく上には上
がいる状態ですので、喜んでばかりいる訳には
いきません。
高断熱高気密化することも一つの方法とは思い
ますが、それだけがエコハウスへの正解では無
いはずですので、少しだけ頑張って手に入れる
ことが出来るエコハウスをもう少し様々な切り
口で追及したいと思います。
定期健診と定期点検
先日、1シーズンに1度の歯科定期健診に行って
きました。歯磨きは朝起きてすぐ、毎食後必ず10
分程度丁寧に磨くようにしています。
奥歯専用のポイントブラシと言う小さな歯ブラシ
と通常サイズの歯ブラシ使い分け、おまけに歯磨
き前にはフロスも使っています。
最近は、割と頻繁に間食してしまうのですが、間
食としてチョコやアイスクリームを食べたりする
こともあります。間食後の歯磨きはつい怠ってい
たところ、歯にねっとりした汚れが残っているの
ですが身に覚えはありますか?と歯科衛生士さん
から尋ねられました。
内心「えっ、そんなことまで分かるの?」です。
勿論、検診に行く前にそのような物を食べた訳で
もなく、ちゃんと歯磨きもして行ってるにも関わ
らず、蓄積した汚れが残っていたようです、流石
プロですね。虫歯にまではなっていなかったよう
でよかったです。
所で住宅って、殆どの方は建てた後に定期的に点
検されていますか?最近では造り手が定期点検の
メニューを用意されていることもあるので点検し
てますよと言う方が多いと思います。
所が地方では昔、村に一人は大工さんが居て、そ
の大工さんに家を建ててもらうと言った慣習があ
った所も多いと思います。そのような慣習の元で
建てられた家って、恐らく既に建てた大工さんも
亡くなっておられるとかで、点検もせずに放置さ
れたままのお住まいも多いと思います。
家も歯と同じで虫歯の状態になってから治療、即
ち工事をしたのでは費用も余計に必要になります。
そうなる前にやはり点検が重要になる訳ですが、
どうやって点検したらいいのか分からないと言う
方も多いと思いますので、次回以降、何度かに分
けて点検方法について触れてみたいと思います。
それでも分からないと言う場合は、当方でも、最
寄りの信頼できる造り手さんにでも相談してみて
下さい。
モジュール
建築で頻繁に登場するこの言葉ですが、これは
建物を設計する上で基準となる基本寸法のこと
を指します。
木造住宅では真っすぐな材料を使う場合、碁盤
の目のような正方形のマス目の上に設計するこ
とが多く、そのマス目の間隔をモジュールと呼
び、現在では910㎜と言う寸法が多く使用され
ています。
でも何故丁度1.0mではなく910㎜と言う中途半
端な数字なのでしょうか?これは昔使われてい
た尺貫法と言う単位に帰依すると思います。
1寸は約30.3・・・㎜、それを10倍した1尺が303.
333㎜になります。柱と柱の間を人が通れるよ
うにしようと思えば2尺でも通れないことは無
いですが、それだと少し窮屈になるので3倍し
た909.999㎜→910㎜と言うモジュールが生
まれたのではないでしょうか?
私が住む地域では985㎜と言うモジュールを良
く拝見します。これを303で割ってみると3.25
になります。
何故このモジュールが生まれたのかは不明です
が敷地に余裕のある地方では、少しゆとりを持
たせたのかな?と思います。910㎜モジュール
で6畳の部屋を造ると2730㎜×3640㎜、985㎜
モジュールで6畳間を造ると2955㎜×3940㎜と
なり面積では985㎜モジュールの方が1.17倍広く、
長辺の長さでは30㎝も長さが違うことになりま
す。
これくらいの違いがあれば、部屋に入った瞬間
に、その違いを感じることが出来ます。但し、
昨今の建材は910㎜モジュールか1000㎜モジュ
ールに合わせた物が多いため、985㎜モジュー
ルで建物を造ると1000㎜モジュールに合わせた
商品を少しカットして使わなければいけないと
言う手間が増えます。
もっともモジュールと言う概念に捉われること
のない建築も増えていますが、施工するには、
かなりの手間と努力が必要になると思います。
簡易耐震診断その後
既に、何度かここで触れていますが私は丹波市の
簡易耐震診断員として年に何件かの診断に訪問し、
既に4~5年が経ちます。
特に昨年は9件の診断を、今年は既に5件の診断を
し、更にあと数件の予約をいただいています。
診断結果で一応、建物が倒壊しないとされるのが
表題の「評点1.0」です。要するにそれ未満の評点
の場合は、大きな地震が来たら、やや危険か又は
更に評点が低ければ大倒壊の可能性があると言う
ことになります。
昭和56年5月31日以前に着工した戸建て住宅や長
屋住宅、共同住宅が無料診断の対象で、既に通算
するとこれまで40件以上の診断をさせていただい
ていると思いますが、これまで一度も評点1.0に達
した、あるいは超えた建物は1棟もありませんでし
た。
それほど昭和56年以前の建物の耐震性が低いと言
うことになります。実は、つい最近ようやく評点
1.0を超えたお住まいがあったのですが、それも
2020年に全面リフォームした際に耐震補強もされ
ていた建物を購入されたための評点1.0超えに過ぎ
ません。
兵庫県では介護リフォームの補助金を受けるのに
簡易耐震診断を受けることが義務付けられていて
最初の頃は、その補助金を受けるために仕方なく
受ける方が多かったのですが、最近ではやはり耐
震に関する関心が高くなっていますが、結果を見
て落胆する方もいらっしゃれば、どうせ後何年か
しか住まないので、耐震工事しても仕方がないと
言って、そのまま放置される方もいらっしやいま
す。
しかし昨今では耐震リフォームをされていること
が売りになって次のお客さんに売りやすくなると
言う不動産屋さんも出て来ています。耐震って命
に直結することですから当然と言えます。
又当方では、その後の補修計画にも力を入れてい
て、出来るだけ工事費を抑え易い方法を用いて計
画を立てています。他の事務所とは一味違うため、
昨年頃から耐震補強の計画策定依頼も増えていま
す。
サブスクの自動更新
世の中には色んなサブスクリプションがあって、
その殆どが自動更新がデフォルトに設定されて
います。
でも、これ私の場合は、単発利用が多いため自
動更新はいらない場合も多く、おそらく殆どの
方が同じことを思われてるのではないでしょう
か?
しかも、自動更新をオフにする方法をわざと分
かり難くするか、煩わしくしている場合が多い。
でも、そろそろ消費者保護の観点で法的に何か
しらの対策を取って欲しいと思います。例えば
自動更新のデフォルト化は違法にするとか、自
動更新したいなら自身の意志によってオンの設
定をしなければならないと言う風にすれば何も
問題は起こらないと思います。
幾ら注意をしていても自動更新をオフにする設
定を忘れてしまうと、自動的に費用の請求が行
われカードでの支払いが行われてしまい、後に
なってしまったと言う経験をされている方も多
いのではないでしょうか?
誰が考えたのか、この姑息な方法
カゲロウ
暑い日が続きますが、そんな中先日、窓越しの
明かりに群がるウスバカゲロウが大量に発生し、
ちょっと気持ち悪い状態になっていたのですが、
この時期に大量に発生するものですから、もし
かしてシロアリの羽アリか?と間違えられるこ
ともあります。
ウスバカゲロウはアリジゴクが成虫になったも
のらしく、割と短命なんですよね。翌日の朝に
は殆ど、その姿が無くなっていました。どちら
かと言うと、はかなげな感じもします。
よく見ると顔も可愛らしい感じではあるので、
そっとしておいてあげると良いと思います。
逆にシロアリは放置しておくと家に被害を与え
ることになり兼ねないため退治する必要がある
のですが、見分けが難しい場合は潰さずに捕獲
するか写真を撮って記録を残し、詳しい方に確
認していただくと良いと思います。
写真は家の中に迷い込んできた1匹ですが、何
とくなく愛くるしい感じに思えたりします。