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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

住まいづくり通信 6/22号

 

断熱材は部屋内側へ寄せて!

 

今日の一言はズバリこれですが、充填断熱と言う断熱方法に限定した話である事を最初に断っておかないといけません。こんな事、当然と思っていたのでここで話すべき事かどうか、ずっと迷っていましたが、しかし意外と間違っている人(大工さんやセルフ施工などの場合)が多いのでこれは注意を促すべきと思い、今回取り上げました。(特別な断熱方法を除き、充填断熱の施工は一般的に大工仕事になります。)

 

断熱施工図まず部屋内側へ、とはどう言う事かを説明しますと壁の厚みの中に断熱材を充填する施工方法では壁の厚み分一杯に断熱材を詰めればいいのですが、そうでない事もあります、その場合、断熱材をどのように入れるかで壁の中で断熱材が詰まっていない空間が出来る事になります。結論は、部屋内の壁仕上げ材の真裏に密着するように断熱材が施工されていないといけません。(図を参考にして下さい)

 

何故か?断熱材を入れる目的を考えて下さい。字のまま見れば、熱を断つと言う事になります。断熱材はそれ自体が無数の小さな気泡や空隙を持つ素材で出来ていますが、その気泡の中に空気を閉じ込めて動けなくする事で熱を断ちます、すなわち空気の流れを妨げる事で熱の移動を干渉す断熱施工写真るのですが、壁の仕上げ材と断熱材の間に隙間があると断熱性能は低下し、そこに風が流れ結露が起こる原因になる事さえあります。

 

現場で時々見かける間違いは、外壁の下地が既に出来ている状態で部屋の中から断熱材を詰め込むので、それを受け皿にして、思いっきり奥(外部の方へ)に押し込んで詰めてしまっている例です。もしこれを見かけたのなら、即やり直して貰うようにして下さい。これは建物の寿命にも関わる大事な部分です。

 

こんな風に考えてみると分かり易いと思うのですが。部屋内側が人間の体で、断熱材がダウンジャケットとします。冬にダウンジャケットを着ていて、他人から胸元を引っ張られると、胸元が空きスースーすると思うのですが、これは体とダウンジャケットの間に空いた隙間から冷たい風が入る事で寒いと感じるんだと思うのですが、同じように断熱材が部屋内側へ密着していなければ寒い(若しくは夏なら暑い)部屋になって当然。

 

知らなきゃ、損をする。プロがやってるんだから間違いないだろうって事はありません。また「この断熱材やったら奥に押込んでても大丈夫やでっ」っていうのはまず無いと考えて下さい。

 

どんどん質問してみましょう。工務店さんと直接契約している場合、大工さんに直接、言い難いなら担当の方に言ってみると良いと思います。