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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

住まいづくり通信 7/29号

前回は木の住まいは接合部が重要と言う話をしました。接合部とは人に例えると関節に当たる部分です。関節は人の至る所にあります。足首、膝、腰など傷めてしまうと日常の生活に支障をきたすような部分ばかりです。

同じ様に住まいにとっては接合部が重要になって来る訳ですが、では具体例を挙げて説明してみます。

接合部位置今、図のように並ぶ材料が一直線上の同じ赤丸の位置で継ぎ足されている(接合)場合、この一点に集中するように力が加わると、この部分を中心にして折れ曲がってしまいます。(二つ目の図)

 

これを避けようと思えばこの下の図の様に材料を継ぐ位置(緑丸)を分散してあげる必要があります。接合部2

 

これを具体的に現場ではどのように実現しているかを示したのが下の写真です。接合部写真

 

斜めに掛かっている登り梁と言う物ですが養生のための紙が巻いてあるので1本の材料のように見えていますがこれは全て繋ぎ合わせて1本にした物です。写真緑丸の位置で1本ずつ継ぐ位置を変えて1点に力が集中しても耐えられるようにコントロールしている訳ですが、この作業を先日来、お伝えしている伏せ図と言う図面の段階で調整するようになる訳です。

これは登り梁の部分だけでなく水平に掛かっている梁や足元の土台についても同じ事を考えてあげないといけない訳です。接合部の考え方はこう言った部分以外にも様々な部分がありますのでほんの一例を紹介したに過ぎないのですが、一連の作業の繋がりと重要性を少しでも御理解頂けましたら、ここまで時間をかけて御話してきたかいがあった事になるのですが、いかがでしょうか?

勿論これはプロとして現場に係わる人間が分かっていればいい事ですが、それを言ってはこの住まいづくり通信をここまで続けている意味がなくなります。皆様に少しでも分かり易くをモットーに、これからも住まいづくり通信を応援、宜しくお願い致します!