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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

リノベーションについて その4

前回は、壁紙を貼り替えるとかペンキを塗り
直す程度でしたら全然、DIYでやれば良い
範疇ですと言うことをお伝えしました。

もっとも、それはリノベーションではなく、
リフォームの範疇になると思います。

では、もう少し突っ込んで、壁を抜いて、あ
っちの部屋とこっちの部屋をつなげてワンル
ームにしたいとなった場合、我々なら本当に、
その壁は抜いてもいい壁なのか?と考えます。

そのためには、建物全体の把握が必要になり
ます。その建物は地震や台風などに対する耐
力をどのように確保しているのか、現状を知
る必要があります。

一つなぎにしたいと思っている壁を一旦剝い
でみたら、中からは筋交いが出てきたとなっ
たら、大きな問題がそこで立ちふさがります。

筋交いが入っていると言うことは、その壁は
耐力壁として考えられています。ワンルーム
にすることを優先すべきか、それとも筋交い
の意味を重要視すべきか?二者択一ではあり
ません。

もし建物全体で考えて他の場所に耐力壁を移
しても全体のバランスに支障を来さないかを
考えて他の場所で耐力を担保すると言う方法
もあります。

それが叶うならもしかしたら、あなたの望み
を叶えた上で、しっかり耐力も確保すること
が出来るかもしれません。

耐力を確保するには筋交いを入れるか、ある
いは構造用合板と認定された板を張った上で
必要金物で隣接する柱や梁なども固定する必
要がありますが、そんなにコストがアップす
る訳ではありません。

写真は、とあるリノベーション現場のもので
すが、既に入っていた筋交いの端部が所定の
金物で止めつけられています。写真のような
スケルトンまで解体するリノベーションの場
合、既に入っている筋交いだけで足りるのか
否かも検討し、不足するなら適切な場所に足
すことを考えるようにします。