植物の力
事務所には2鉢の観葉植物があります。冬の寒さが厳しい地域でもあり、元々観葉植物には向いていないのかもしれないのですが、事務所に緑があると少し気持ちが和らぐのでつい購入したのですが、一つはトネリコ、もう一つはガジュマルです。トネリコは既に数回の冬を経験していて冬に落とした葉が春になるとまた復活を繰り返しています。但し、復活の勢いが徐々に弱くなっている気がします。方やガジュマルはこの冬が2回目の経験です。今シーズンはうっかりと保温対策を怠ってしまったため、現在は完全に葉が落ちてしまっています。さて徐々に暖かくなり再び芽が出るのか?と思いつつ色々調べてみました。
寒い時期、植物は以下のような状態になるようです。
細胞分裂や成長はほぼ停止
呼吸や代謝は最低限だけ維持
水分を減らし、細胞内に糖などを増やして「凍りにくく」する
これはいわゆる「休眠」状態だそうです。
つまり「死んでいる」のではなく、極限まで活動を落として耐えている状態なのだとか
■ 復活するケースもある
次の条件が満たされると、春に再び活動を始めるそうです。
細胞が凍結破壊されていない
根や形成層(成長点)が生きている
エネルギー(デンプンなどの蓄え)が残っている
たとえば:
落葉樹(冬に葉を落とす木)はかなり強い
多年草(毎年芽を出す草)も地上部が枯れても地下は生きている
■ 枯れてしまうケース
一方で、次のようなケースでは回復できないとのこと
細胞内の水分が凍って膜が破壊される(=凍害)
乾燥しすぎて細胞が壊れる
根が凍って水を吸えない
低温がその植物の耐性を超える
この場合は見た目は同じ「枯れ」でも不可逆(完全死)になるそうです。
■ 種類による違い(かなり大きい)
これは非常に重要なポイントで
1. 寒冷地型(強い)
シラカバ、モミなど
マイナス数十度でも生存可能
細胞レベルで凍結耐性を持つ
2. 温帯型(中くらい)
サクラ、カエデなど
冬は休眠する前提で設計されている
3. 熱帯・亜熱帯型(弱い)
観葉植物、バナナなど
10℃前後でもダメージ
0℃付近で致命的
■ 個体差もある
当然ですが同じ種類でも個体差はあるとのこと
日当たり・風当たり(環境ストレス)
水分状態(乾燥 or 過湿)
栄養状態
年齢(若木は弱いことが多い)
つまり、同じ条件でも「生き残る株」と「枯れる株」が出るのは普通なのだそうで
果たして、当事務所の植物達は今後、どうなるのか?応急手当はしているのですが、もう少し様子をみてみたいと思います。
建築で使う杉やヒノキも植物であることに変わりありません。
建築的な視点で見ると、植物はかなり合理的です。
葉を落とす → エネルギー消費と蒸散を削減
地下に退避 → 温度変化を緩和
糖を増やす → 不凍液の役割
つまり、「冬仕様に可変する生体システム」です。
特別な装置で無くDNAに組み込まれたシステムで環境に対応する素晴らしい力を我々も、建築づくりにおいて少し分けていただいています。