芽吹きに教わる住まいの時間

芽吹き始めた栗の木々

マルチの下から顔を出したジャガイモの芽

週末、栗農園の草刈りをしました。
暖かくなってくると、雑草は驚くほどの勢いで伸びてきます。
ついこの間までは静かだった景色が、一気に動き出したような感覚です。

暫く作業を続けた後、草を刈る手を止め、ふと顔を上げると
冬の間に剪定した木々の枝先から、新しい芽が膨らみ始めているのが見えました。
あの寒い時期をじっと耐えていた木々が、確実に次の準備をしていたのだと思うと、少し背筋が伸びる思いがします。

また、昨年から始めたジャガイモ栽培も、マルチの下でしっかりと芽を伸ばしていました。
マルチを破ってやると、もやしのように白く伸びた芽が、ようやく外の世界に顔を出します。
光に触れた途端、その表情が変わるのが分かります。

植物は、ただ放っておいても育ちます。
けれど、どう育つかは、人の手のかけ方で大きく変わる。
剪定も、草刈りも、ほんの少しの介入ですが、その積み重ねが姿をつくっていきます。

この感覚は、住まいづくりにもよく似ています。
家は完成した瞬間が終わりではなく、そこから時間が流れ始めます。
暮らしの中で手をかけられ、使われ、少しずつ変化していく。

設計という仕事は、形を整えること以上に、
その先の時間の流れをどうつくるかを考えることなのかもしれません。

これからは、植物にとっても、人にとっても動きやすい季節になります。
手をかけたものが育っていく様子を見守ること。
その積み重ねこそが、豊かな暮らしなのだと感じています。

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