加速するデジタル化
国交省から事務所に一通の封筒が届きました。
中身は「BIM(ビム)(※1)を活用した建築確認審査」に関する取組の案内です。
以前から耳にしていたものの、いよいよこの4月から本格的な運用がスタートしたとのことです。
建築業界にも、デジタル化の波が着実に、そしてなかなかの速度で押し寄せています。
■ BIM導入の現在地と、その「実感」
当事務所でもすでにBIMソフトは導入していますが、「完全に使いこなせているか?」
と問われれば、正直なところ、まだまだ道半ばというのが本音です。
しかし、実際にBIMで設計を進める中で感じるのは、「図面間の整合性」の圧倒的な高さです。
平面図を直せば、自動的に立面図や断面図、パースまでが連動する。
これまでの2次元キャドでは、一箇所の修正ミスが全体の不整合に繋がりかねませんでしたが、そのリスクが大幅に軽減されるメリットは肌で感じています。
■ 現場と審査側の「温度差」への疑問
一方で、一実務者としてふと疑問に思うこともあります。
現在、建築業界は「4号特例(※2)の廃止」や「省エネ審査の義務化」などが重なり、審査機関側もかなりの時間を要しているのが現状です。
そんな中で、さらに高度なBIM審査にまで対応しきれるのだろうか?という不安は拭えません。
「これはBIMメーカー側が国を動かして作った流れではないか?」
そんな穿った見方をしてしまう瞬間も、正直あります(笑)
■ それでも、「学び」は続いていく
とはいえ、この流れに乗ることで、お客様に対してより精度の高い、分かりやすいプレゼンテーションができるようになるのも事実です。
思えば24年前、事務所を構えた頃から今日まで、建築の世界は常に新しい技術や法改正の連続でした。
「さて、また新しく学ぶべきことが一つ増えたな」 そんな風に、少し背筋を伸ばしています。
道具が変わっても、私たちが目指す「健康で心地よい住まいづくり」の根幹は変わりません。
新しい技術をうまくツールとして取り入れながら、一歩ずつ前に進んでいきたいと思います。
(※1) BIM=建物の立体モデルをコンピューター上に作る技術
(※2)4号特例=一定の条件を満たす小規模建築物について、建築確認審査の一部を省略できる制度で、建築士が設計する4号建築物について、建築確認申請時の構造規定に関する審査が省略されていました。これにより、審査の負担が軽減され、住宅建設の効率化が図られてきました。