細長
前回のエントリーにも、やや符合しますが、今回のリフォームの見所の一部には、元あった柱をそのまま生かそうと言う試みを企てている部分が数箇所ありますが、
前回にも出た柱の傾きがその仕上がりを左右しかねないために、現場ではああしよう、こうしようと議論がされるのですが、その案の中には柱を傾いている側だけ削って、反対側は傾きに従って、木の貼り物をして真っ直ぐに見せようと言うものでした。
しかし、そこで僕の頭の中に浮かんできたのは柱の細長比(ほそながひ)と言うもの。(音読みしてさいちょうひ、って言う人もいます)
細長比とは、細くて長い物は荷重などによって簡単にぽきっと折れてしまう傾向にある為に、柱の長さに対して、その太さに制限を与えようと言うものです。
マッチ棒って簡単に折れますよね。家の柱があれでは困るんですよ。
ちなみに細長比とは
細長比=座屈長さ÷断面二次半径
と言った難しい公式で表されますが、これ主に鉄骨を設計する際に用いられる公式で
木造の場合は、建築基準法の中に柱の長さに対して、ある値で割った数値以上の柱の太さが必要と謳われています。
普段、新築などで設計している場合には納まり上の都合などで、たまに4寸角(12センチ角)よりも細い柱を使いたいなあと思う事があるのですが、そんな時にいつも頭に浮かぶのは、細くして細長比、大丈夫かな?と言う事です。
ですので、必ずそれは、チェックしてますよ。
話がそれましたが、この現場で柱を削ってしまうと、細長比がアウトとなりますので、違う方法で対応していただく事になりました。
水平垂直感に若干、違和感があるかも知れませんが、性能をおろそかには出来ませんので全体でバランスを取る事にし、上手く納まる事を期待しましょう!
さて、現場はさておき明日まで住まい手の奥様が、大阪で絵画のグループ展をされているとの事で、道頓堀まで行って来ました。
タイトルは「がけっプチ」と言う事ですが、何故このタイトルにされたのかは聞けていませんでしたので、又今度聞いておかなくては・・・。