Narito Ashida Narito Ashida

200㎡以上の建物を購入する前に

「安く買えた」は危険かもしれません。床面積200㎡以上の建物を購入する前に必ず確認してほしいこと

住宅を購入し、又同じく住宅として使用される方は200㎡以上であっても何も問題はありませんので、この先を読んでいただかなくても構いません。

「古い建物を購入して、カフェを開きたい。」

「空き家をリノベーションして民泊を始めたい。」

「工場を改装して店舗として利用したい。」

近年、このようなご相談をいただく機会が増えています。

物件価格も手頃で、「少し改修すればすぐに営業できそう」と考えられる方も多いのですが、実はその判断には大きな落とし穴があります。

それが『用途変更』です。

200㎡以上の建物は特に注意が必要です

延べ床面積が200㎡以上の建物で、以前とは異なる用途に変更して利用する場合は、建築基準法に基づく用途変更の手続きが必要になるケースがあります。

例えば、

  • 住宅を民泊や宿泊施設へ変更する

  • 住宅を飲食店や店舗へ変更する

  • 工場を福祉施設へ変更する

といったケースです。

「内装を変えるだけだから大丈夫」と思われるかもしれませんが、法律上はそう簡単ではありません。

建築確認申請書は残っていますか?

私が最初に確認するのは、その建物に建築確認申請書や確認済証などの資料が残っているかということです。

これらの資料が残っていれば、建物がどのような設計で建てられたのかを確認しながら用途変更の手続きを進められる可能性があります。

もちろん個別の検討は必要です。

しかし、問題はここからです。

建築確認申請が存在しない建物は大きなリスクがあります

昔の建物では、建築確認申請書が残っていなかったり、そもそも建築確認を受けていないケースもあります。

このような建物を用途変更しようとすると、状況によっては改めて建築確認申請を取得しなければならない場合があります。

すると問題になるのが、現在の建築基準法への適合です。

建てられた当時の基準と現在の基準は大きく違います

建築基準法は何度も改正されています。

特に構造に関する基準は、昔と現在では大きく異なります。

そのため、新たに建築確認申請を取得する場合には、現在の法令に適合させる必要があり、

  • 構造補強

  • 耐震補強

  • 防火区画の見直し

  • 避難経路の確保

  • その他各種法令への適合

など、多額の改修工事が必要になることも珍しくありません。

「物件は安く購入できたけれど、改修費が想像以上に膨らんでしまった。」

そんなケースは決して珍しい話ではないのです。

不動産価格だけで判断しないことが大切です

物件探しでは、どうしても購入価格に目が向きがちです。

しかし、本当に見るべきなのは、

『その建物を自分の目的で問題なく使えるか』

という点です。

建築確認申請が存在しない建物では、その確認が非常に難しくなります。

結果として、用途変更ができない、あるいは多額の改修費が必要になる可能性もあります。

購入前に建築の専門家へ相談してください

もし200㎡以上の建物を購入し、事業を始めようと考えているのであれば、契約を結ぶ前に一度、建築士へ相談されることをおすすめします。

購入後に問題が判明すると、「こんなはずではなかった」と後悔しても取り返しがつきません。

建築確認申請書の有無を確認し、用途変更が可能なのか、どの程度の改修が必要になるのかを事前に調査しておくことで、大きなリスクを避けられます。

まとめると

建物は「安く買えれば良い」というものではありません。

特に200㎡以上の建物で用途変更を伴う事業計画では、建築確認申請書の有無が、その後の事業の成否を左右することもあります。

もし建築確認申請が存在しない建物であれば、現在の建築基準法への適合が必要となり、多額の改修工事が発生する可能性があります。

だからこそ、物件を購入する前に一度立ち止まり、建築の専門家と一緒にリスクを確認してください。

建物選びで失敗しないための最初の一歩は、「建築確認申請書がありますか?」と確認することです。

その一言が、数百万円、場合によっては数千万円規模の予想外の出費を防ぐことにつながるかもしれません。

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