どこにどのような窓を設けるか
「最近の高気密高断熱の家って窓が小さいで
しょ?」と言う話を見学会でお会いした方か
ら直接、お伺いしたことがあります。多分、
ハウスメーカーなどの企画化された一連の家
をご覧になって、そのように仰ったのかと思
いますが、果たしてそれは本当なのか?
いわゆる高気密高断熱に関する性能だけを求
めるなら、窓は小さい方がエネルギーの損失
が減らせるのでそうなのかもしれません、で
も窓も適材適所で大きい小さいがあって当然
で、庭や景色を取り込んだり、南面に設ける
窓などは積極的に大きくすべきです。
但し、南面であっても大きな窓を設けると絶
えず外からの視線を気にしないといけないよ
うな立地条件では、それもままなりません。
そのような条件下では、常にカーテンを閉め
たまま、外の天気はカーテンを開けないと分
からないことになるか、背の高い塀で目線を
遮ることになると思います。
これまでに設計させていただいたお住まいの
例ですが、道路からの視線は背の高い塀で遮
り、内部に植栽を配置し、室内側からの環境
をつくり出して塀の圧迫感を和らげることを
模索しました。
又、こちらのお住まいでは、南面が道路のた
め大きな開口を設けたいけども、そうすると
先ほどのように、常に外の視線を気にしなが
らの生活になるため、道路に面した窓を高窓
とすることで、陽射しや外の天候を視認しな
がらも、外からの視線を気にすることなく生
活できるようにしました。
いずれも道路からの視線を意識した対策です
が、どちらがどうと言う訳ではありません。
いずれも室内環境を向上させるための方法で
す。
開かない
今回で窓シリーズの3回目になります。
窓の役割と言えば、外気とは縁を切りながら
室内に陽射しを取り込むこと、であったり、
室内に居ながら外の景色を見る事が出来る事
であったり、窓を開けることで
空気を入れ替えることであったりします。
所が、開かない窓もあるんですよね。
そう言った窓のことをFIX窓と呼んだり、
嵌め殺し窓と、少しおどろおどろしい呼び方を
することもあります。
FIXを和訳すると固定すると言う意味ですね。
言葉のままの意味と受け取ることが出来ます。
所が「嵌め殺し」と呼ぶと
途端に物騒な言い方に聞こえます。
建築用語では時々この「殺し」と言う
表現が登場します。
Youtubeだと禁句になりそうですが、
例えば「木殺し」と言う用語もあります。
木と木を組み合わせる際に
一方の材料の先端をゲンノウ
(厳密に言うと金槌とは少し違うけども叩くための道具)
で叩き、木の繊維を一時的に圧縮させておき、
組み合わせたあとでその復元力によって
釘などを使わなくても木が組み合わさります。
この木の先端をゲンノウで叩く作業を
「木殺し」と言います。
窓の場合は、窓をはめ込んで動かない状態だから
「嵌め殺し窓」と言います。
この「嵌め殺し窓」の役割は景色を見る、
日射しや光を取り込むことが主になりますが、
ガラスだけを現場に持って来て木で造った枠に
嵌め込む方法と、既製品のサッシでも存在します。
どちらがどうと言う訳ではありませんが、
施工性は既製品サッシの方が
良いと思います。
但し、既製品はアルミ樹脂の枠が無粋だと
言う場合もあり、そう言った場合は
木の枠に納める方法を採用します。
今回の写真は後者の方法によって設けた
「嵌め殺し窓」です。
既製品サッシとは違ってサイズを
自由に設定できるメリットがあります。
又、次の写真は建具に設けられた窓ですが、
ガラス自体は四角であっても、
枠の部分が木なので
自由に形をつくることも出来ます。