住まいづくり通信 7/16号
前回は木が割れると強度はどうなるのか?と言う事について触れました。
では、今回は何故、木が割れるのかと言う事について触れてみます。
木の家は完成して人が住み始めると中では火が使われたりストーブやエアコンと言った冷暖房機器が使われるようになり木の乾燥が進むと「バキッ」と言った大きな音をたてて割れる事もあり、住んでいる人は、家が壊れるんじゃあないかと思うくらい大きな音がする事もあります。また工事中でも時々、割れる音が聞こえてきます。
それでは本題に入ります。
木の割れ方には大きく分けると2種類に分かれます。
一つは材面割れと言って木の表面や小口に発生する割れで、もう一つは内部割れと言って材の内部に発生する為に通常は目に見えない割れです。
ここでは、この材面割れの方についてのみ説明して行きます。内部割れについて知りたい方は連絡頂きましたら資料差し上げます。
一般に、木材の乾燥は材料の表面から始まるのですがこの時、材料の内部では全く乾く段階に至っておらず、表面が乾燥に伴い収縮しようとするのに反し内部は収縮しません。
つまり表面は縮みたくても縮めない状態になり、材の表面には強い引張応力と言うものが働きます。この引張応力が強くて材料表面の強さが引張応力に勝てない場合は表面が負けて材面割れと言う事になります。
ストレスを発散したと思って頂くといいのかもしれません。
これが一般的に私達の見る木が割れていると言っている状態なのです。
又、材面割れを起こす事により木は表面積を増やす事になり、材の内部にまで呼吸する機会を与え、乾燥を促していると言う事も付け加えておきます。