Narito Ashida Narito Ashida

耐震補強

多分、年の初め頃にも、耐震補強の話を書い
たと思いますが、「天災は忘れた頃にやって
くる」と言う言葉があるように、皆さんが忘
れている頃に再度、書かせていただきます。

兵庫県では耐震補強工事に対する補助金制度
があります。補助金制度の窓口は各市になっ
ていますが、意外に利用されていません。

おそらく丹波市では昨年は1件も利用されな
かったのではないでしょうか?耐震補強自体
が、それだけハードルが高いと思われている
のでしょう。ハードルの高さは個人によって
受け止め方が変わると思いますが、大衆車1
台分程度で補強出来るとしたら如何でしょう
か?

そこに補助金が利用できれば、更にハードル
は下がります。建物規模や諸条件によります
が、その可能性が見える建物も意外にありま
す。

誰も、補助金制度を利用しないと言うことは
逆を返せば、間違いなく補助金を利用できる
と言うことです。丹波市で用意されている耐
震補強の補助金の枠は年に2~3棟分だと思い
ます。通常2~3棟と言えばすぐに無くなりま
すが、誰も利用しないと、その内補助金止め
ようかと言うことにもなり兼ねません。

通常の補強方法よりもコストを抑えた方法も
生み出され、当方でもそう言った方法により
補強計画を立てています。

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コンクリートを打つ日

コンクリートはプラント(工場)で事前に調
合され、固まらないようにミキサー車で運ば
れて現場に到着します。従って、コンクリー
トプラントは現場からあまり遠い所にあると
不都合なため毎回、どの現場も同じプラント
から運ばれてくる訳ではありません。

又コンクリートが1カ所に偏って打ち込まれ
ることのないようにバイブレーターを使い振
動を与えて均等に均されています。ミキサー
車で運ばれて現場に届いたコンクリートはポ
ンプで圧送するために、一旦ポンプ車に下ろ
されて建物に打ち込まれます。

このポンプに掛かる圧力はかなり強力ですが、
現場でポンプを操る職人さんは、そんなこと
を微塵も感じさせないほど簡単そうにポンプ
を扱われます。

私も修行時代、休憩中に、このポンプを持ち
上げたことがありますが、その重さたるや相
当のもので、こんな重いポンプで仕事してる
んや~と驚いたものです。

先ほどコンクリートはプラントで事前に調合
されていると書きましたが、水分の量も調合
されているので、コンクリートを打つ日が激
しい雨の場合は、その調合割合が変わってし
まうためコンクリート打ちを延期せざる得な
い場合もあります。

写真は住宅の基礎コンクリート打ちをしてい
る様子です。水色の作業着の方がポンプを操
作する職人さん、黒い上着の方はバイブレー
ターを操作する職人さんです。

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鉄筋とコンクリート

鉄筋とコンクリートは別の材料ですが、建築
物として姿のある形になる時には一体的に用
いられます。これらは鉄筋とコンクリートの
相性が様々な面において良いことが理由です。

例えば、熱によって膨張する両者の度合いも、
ほぼ同じであることとか、又鉄筋は書いて字
の如く鉄ですので空気に晒されたままだと酸
化即ち、錆びて鉄の本来持つ性能が低下して
しまうため、アルカリ性であるコンクリート
に包まれることで酸化するのを防いでもらっ
ていることなどが挙げられます。

前述の例えは、人体で言う所の肉と骨のよう
な関係に似ています。肉がコンクリートで骨
が鉄筋に該当します。

先に出た鉄筋が酸化するのを防ぐためには、
ある程度の厚みのコンクリートで包まれてい
る必要があるのですが、そのつつまれる肉の
厚みのことを「かぶり」と呼びます。

この「かぶり」は地面に接している部分と、
そうでない無い部分でも基準が違い、地面に
接している部分の方が、より多くのかぶり厚
さが必要になります。

又、目には見えないため想像しにくいのです
が、建物には様々な力が作用しています。そ
の中で圧縮力と呼ぶ建物をぎゅっと圧し潰す
ような力に対してはコンクリートで抵抗し、
引張り力と呼ぶ建物を引き裂こうとするよう
な力に対しては鉄筋で抵抗し、お互いの素材
の弱点を補う役割を担い、建物として成立し
ています。

写真は、基礎のベース部分のコンクリートを
打設した後の状態です。この後、基礎の立上
り部分の型枠を組んで再び、その部分のコン
クリートを打っています。

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土台

関西では住宅建築の際、土台に使われる材料
として桧(ひのき)が一般的になっているよ
うに思いますが、九州では杉が土台として使
われることもあると聞きますし、実際に製材
所でもそのように御伺いしました。

もっとも、その製材所にあった土台の杉には
防蟻防虫のために薬液が加圧注入されていた
ため、杉が本来持つ色ではなく、緑色をして
いました。

その昔、栗などのタンニンを多く含む材料が
土台に使われていましたが、土台に使えるよ
うな材料が獲れにくくなった現在では、栗の
土台も珍しく高価なものになったと思います。

では桧であれば防蟻防虫性が高いのか?と言
うと、そうでもありません。私どもの住まい
づくりでも土台には桧を採用することが殆ど
ですが、防蟻防虫を目的としてホウ酸による
処理を施しています。

一般的には未だ農薬由来の商品が多いと思い
ますが、防蟻剤を塗布するのは床板を1枚挟
んだだけの床下空間ですので、特に小さなお
子様がいらっしゃる、お住まいでは、このよ
うな商品には気を付けていただく必要がある
と思います。

その点ではホウ酸は、安全性の高い材料であ
り自信をもって使うことが出来ます。冬も明
け、気温も高くなってきたこの季節、シロア
リの活動も活発になってきます。そして唯一、
私たちが日常生活の中でシロアリの存在を発
見しやすい時期にもなってきます。
詳しくは又別の機会にお伝えさせていただき
ます。

写真は桧の土台ですが粉を吹いたようになっ
ています。これはホウ酸処理が行われた証拠
で、特に使用上の問題はありません。

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分譲宅地情報をリンクに加えました

中庭のある家」が建つ隣にある分譲宅地
VITALO KAIBARA」の情報が公開されて
いますのでリンクページに加えています。

HomeAboutLinks

VITALO KAIBARA ウエブサイト
https://vitalo.hikami-co.jp/

文化の薫り高い丹波市柏原町の中に生まれ
た新規分譲地です。学校、病院、文化施設、
駅、スーパーどこへ行くにもほど近くにあ
りながら幹線道路からは少し離れているた
め、交通量も少なく静かな環境です。

丹波での新しい暮らしを叶えるには、ぴっ
たりの場所です。

ウェブサイトもこれから情報が更新され充
実していくことと思います。
興味のあるかたは是非、覗いてみて下さい。

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基礎

昨今の住まいづくりでは、「ベタ基礎」が
当然のようになっています。

割と最近の、とある業界誌に「ベタ基礎が
危ない」と言うタイトルで特集が組まれま
した。これはベタ基礎だから危ないと言う
わけではなく、何でもかんでもベタ基礎一
択と言う選択肢しか持ち合わせないで基礎
の設計をするのが危険だと言う内容だと解
釈したのですが、考えてみれば当然のこと
ですね。

又、その業界誌には地盤の状態も分からず
に、「当社はベタ基礎が標準仕様です」と
堂々とホームページ上で謳っている会社ま
であります、と言った指摘もありました。

要するにしっかりと計算もせずに、何故そ
のようなことが謳えるのか?と言ったこと
だと思います。

とは言え確かにベタ基礎が多くなっている
事実はあります。但し、当事務所ではしっ
かりと構造計算をした上で、ベタ基礎を採
用しています。

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既製品と製作品

暫く続きました窓のお話も、今回で一旦締め
にしたいと思います。又思い出した頃に窓の
話が出るかもしれませんが、その時は宜しく
お願い致します。

当方の設計では室内に設ける建具は殆ど製作
品となるのですが、外気に面する窓や建具に
ついては最近では既製品が多くなりました。

その理由は、外気に面する部分の建具では、
気密性や断熱性が要求されるようになったか
らなのですが、では製作品では気密性や断熱
性を確保できないかと言うと、そうでもない
んです。

但し、その性能を数値化し難いため外皮計算
を求められる現在では採用することも難しく
なったと言うことになります。

製作品を気密化しようと思うと開閉する部分
と枠が触れ合う部分にゴムのパッキンのよう
な材料を使用することになります。ピンチブ
ロック株式会社と呼ぶ会社の製品が建具の気
密部材としては有名で、色んな形状の部材が
販売されています。

その他にも錠前金物や開閉部材、引手金物な
ど1枚の建具でも様々なパーツが必要となり
ます。

1枚目の写真は3枚ある内の真ん中が横にス
ライドする既製品の建具です。両サイドはF
IX窓になります。既製品のこの建具は、下
に向いているレバーをグルッと回転させて上
向けになると施錠が開錠され、窓が横にスラ
イド出来るようになっています。気密性、断
熱性も非常に優れていて少し高価ですが最近
の設計では良く採用させていただきます。

又2枚目の写真の窓は事務所開設初期の頃の
お住まいで、製作建具です。壁の外に設けた
戸袋の中に、このガラス戸が収納されてフル
オープンに出来ます。そして外には網戸も仕
込んであるため虫は入り難くなっていますが、
この頃は開閉のし難さに配慮してピンチブロ
ックなどは使っていなかったため気密性の点
では劣ることになります。

実はピンチブロックを設けると建具同士や建
具と枠の間の摩擦力が高まり、又ゴムが間に
挟まる訳ですので、少し開閉操作が窮屈にな
りやすいと言う特徴があります。

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クリアとグリーン

最近のサッシに使われているガラスには日射
取得型(クリア)と日射遮蔽型(グリーン)
があります。

一般的には冬場の日射を期待したい南面には
日射取得型ガラスを用い、その他の面には日
射遮蔽型ガラスを用い夏場の日射を遮ります。

南面も夏場の日射を遮るために日射遮蔽型ガ
ラスにすればいいじゃあないか、と言う声も
聞こえそうですが一般的に、夏の冷房費より
も冬の暖房費の方が高くなるので、冬をメイ
ンに考えて南面の日射を取り込むようにしま
す。

では、夏はどうすれば良いかと言うと、窓の
外側で日射を遮るための部材、例えば庇やシ
ェードなどを用いて日射を部屋の中に入れな
い工夫を凝らします。

夏は太陽の高度が高くなるので開口高さに対
して1/3程度の長さの庇が付いていれば、お
およそ陽射しを遮ることが出来ます。

しかし、物理的に庇を付けることが出来ない
場合は外付けブラインドや簾などを用いるこ
とになります。

更にどうしても、部屋の外側で対策出来ない
場合は部屋の内側にハニカムブラインドなど
を取り付けることによって夏場の日射を遮っ
て下さい。

写真は南面に設けた日射取得型ガラスのFI
X窓(左側)と片引き戸(右側)です。

こちらのお住まいは窓の外に庇を設けている
ため、窓の外でも日射遮蔽対策は可能ですが
完成後にハニカムブラインドを取り付けられ
ました。

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内障子

窓の内側に設ける障子のことを内障子と呼び
ます。内障子の効果はと言うとカーテンが無
くても外の視線を遮ることが出来ること。
障子を介した陽射しはダイレクトな陽射しよ
りも和らげられるので、空間が和らいだ雰囲
気に包まれること。窓との間に空気層をつく
るため、少し断熱効果もあります。

その反面、中が明るくなる夕方の時間帯に障
子を空けると、外から家の中が丸見えになる
こともあります。

時代劇に登場するような家では外部に面した
建具は殆ど障子です。庶民の家ではその障子
紙が破れていたりと言うのはよく見かけるシ
ーンですね。今ではそのような家は見かける
こともありませんが、縁側があるような家で
は、そこに面した部分は障子であったりしま
す。

障子紙は破れることが欠点ですが、張り替え
ることを前提に作られているため障子の作り
は単純です。最近では破れにくい障子紙や薄
いアクリル板なども障子に使用されています。

これらは、ともにデザインの異なる内障子で
す。前者は縦桟を強調し、細くシュッとした
感じに見えるようにしています。後者は縦横
枠の桟の見え方を同じ寸法にしたもので力強
さを感じます。又、前者は戸袋(壁)の中に
障子が隠れるため障子を開けると壁とサッシ
だけに見えます。後者は障子が壁の内側に見
えた状態になります。

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割合

前回の「内窓」の回では窓が、
最も熱の出入りの多い部位だと
紹介させていただきました。

熱の出入りと表現するよりも
「エネルギー」の出入りと表現する方が
分かりやすいかもしれません。

例えば、冬部屋を暖めるために
暖房をつけた場合では、
暖まった部屋の空気(エネルギー)が
殆ど窓から逃げていると
お伝えすれば分かりやすいと思います。

では、その割合がどの程度かと言うことを
図を使って提示してみます。

上の図は平成4年省エネルギー基準で
建てられた家の場合の例です。

左の図が冬季、右の図が夏季になります。
冬季では暖められた家のエネルギー全体の
48%が窓から逃げて行くことを示します。
又夏季では外の暑い熱気(エネルギー)が
71%も窓から入って来ることを示しています。
屋根、壁、床他の部位と比較しても
圧倒的な数字であることが、
これで分かりますよね。

当方で設計させていただいた、
最近の物件では前記事例よりも、
窓を含む建物全体の性能が良くなっているので、
その割合が改善され、
窓からの割合が33%程度に落ち着いています。

当然ですが、割合ですので
1カ所が改善されれば、
他の部位からの割合が増えます。

という事で表面積の大きな外壁からの
エネルギーが逃げる割合(熱損失割合)が
増え約44%になっています。

もっとも家全体で外壁が占める面積割合は
約50%あり、窓においては約9%しかありません。
このように面積が占める割合と比較すると、
窓の性能が上がったとしても、
やはり窓からのエネルギー損失の割合は
大きいことになります。

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内窓

ここまでは、窓の話を3回ほど続けてきましたが、
どれも新築におけるケースでした。
今回はリノベーションのお話です。

リノベーションにおいて最も、
お手頃に出来る断熱対策として
内窓を付ける方法があります。

しかも今年も又、内窓を付けることで
利用できる補助金制度も
昨年に引き続き実行されます。

最もお手軽に出来る断熱対策と
申し上げたのは何故か?
と言うと窓、天井、壁、床など
外気に接している部位で
最も熱の出入りの多い部位が
窓からなので、窓に対策を講じることで
熱の出入りが改善されること、
そして内窓は特別な工事をすることなく、
今ある窓の内側に付けるだけで良いことが、
そのように表現した理由です。

もっとも一旦スケルトンの状態にまで
してしまうようなリノベーションでは
窓ごと交換するケースが多いとは思います。

と言う訳で、今日の写真は
マンションリノベーションの際に設けた
既存窓と内窓の様子です。

マンションは管理規約で窓を新しい物に
交換することが出来ない場合があります。
そのようなケースでは
内窓を設けることになります。

内窓を設置した場合、窓を開ける時に
一つアクションが増えることになります。
先ず内窓を開けて、そして元あった窓を
開けてと言った具合にツーアクション
必要になります。
それが唯一のデメリットなのかもしれませんね。

このケースでは、元あった窓がシングルガラス、
取り付けた内窓がペアガラスのため、
トータルではトリプルガラスの仕様になっていて、
結構な断熱性能が期待出来ることになります。

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開かない

今回で窓シリーズの3回目になります。
窓の役割と言えば、外気とは縁を切りながら
室内に陽射しを取り込むこと、であったり、
室内に居ながら外の景色を見る事が出来る事
であったり、窓を開けることで
空気を入れ替えることであったりします。

所が、開かない窓もあるんですよね。
そう言った窓のことをFIX窓と呼んだり、
嵌め殺し窓と、少しおどろおどろしい呼び方を
することもあります。

FIXを和訳すると固定すると言う意味ですね。
言葉のままの意味と受け取ることが出来ます。
所が「嵌め殺し」と呼ぶと
途端に物騒な言い方に聞こえます。

建築用語では時々この「殺し」と言う
表現が登場します。
Youtubeだと禁句になりそうですが、

例えば「木殺し」と言う用語もあります。
木と木を組み合わせる際に
一方の材料の先端をゲンノウ
(厳密に言うと金槌とは少し違うけども叩くための道具)
で叩き、木の繊維を一時的に圧縮させておき、
組み合わせたあとでその復元力によって
釘などを使わなくても木が組み合わさります。

この木の先端をゲンノウで叩く作業を
「木殺し」と言います。

窓の場合は、窓をはめ込んで動かない状態だから
「嵌め殺し窓」と言います。
この「嵌め殺し窓」の役割は景色を見る、
日射しや光を取り込むことが主になりますが、
ガラスだけを現場に持って来て木で造った枠に
嵌め込む方法と、既製品のサッシでも存在します。

どちらがどうと言う訳ではありませんが、
施工性は既製品サッシの方が
良いと思います。

但し、既製品はアルミ樹脂の枠が無粋だと
言う場合もあり、そう言った場合は
木の枠に納める方法を採用します。

今回の写真は後者の方法によって設けた
「嵌め殺し窓」です。
既製品サッシとは違ってサイズを
自由に設定できるメリットがあります。

又、次の写真は建具に設けられた窓ですが、
ガラス自体は四角であっても、
枠の部分が木なので
自由に形をつくることも出来ます。

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