木を曲げる?
丁寧に暮らす家の二期工事、
先週の出入り口部分に続き、
次は天井の仕上げ工事に入っています。
天井にもアールをつけています。
部屋を四角く造っても天井の隅の部分は
空間として使われることはありませんし、
特に洗面化粧台や洗濯機などを置くと、
その奥行で人の手が触れる訳でもないため、
天井の片側を丸くしています。
最初から、天井には木を使いたいなあ
と思っていたのですが、
木を曲げて丸くするのは手間が掛かるので
木を曲げることなく丸い天井にするには
どうするかと言うと
結局、細幅の木を少し間を空けながら貼る
(底目貼りと言います)ことで
木を曲げることなく丸い天井が出来ます。
大工さんは一本ずつ隙間の幅に気を
付けながら仕事を進めておられました。
多分、今頃、天井も完成していると思います。
次、現場に行くのが楽しみです。
テーマ
丁寧に暮らす家の二期工事の現場は、
どんどん進んでいます。
内装工事は日に日に仕上がりに
近づいています。
待ち遠しいのはお風呂の工事です。
メーカー責任施工のシステムバスになるため、
納品施工は発注して直ぐには来てくれません。
月末が、その予定ですが先行して、
風呂周りの断熱施工も進めていただいています。
洗面所の出入り口に採用したアーチ型は
一期工事からのテーマを引き継いだ統一デザインです。
大きなアーチ、小さなアーチを含めると
計5カ所も存在することになります。
これまでの設計でアーチを採用することは
少なかったのですが、こちらの住まいでは、
小上がりに採用したことがキーデザインとなり、
しつこくなり過ぎず、アクセントとして
生かせるように、あちらこちらに
アーチを散りばめています。
アーチの仕事はその径が小さければ小さいほど、
職人さんにとっては
ハードルの高い仕事になると思いますが、
今回も綺麗にまとめていただけそうです。
照明器具
当事務所の竣工写真に写る照明器具の
殆どは設計の段階で、当事務所で
選択させていただいています。
選択のポイントは空間の仕上がりを想像し、
そこに合った物を選ぶこと。
そしてメリハリを付けること。
明るさのメリハリも、そうですし、
価格面でのメリハリもつけます。
明るさが必要な場所には必要な光量を、
逆にそうでない場所にはぼんやりとした
間接照明でも良い訳です。
中でもよく登場するのが
写真のトルボーと呼ぶ器具です。
ルイスポールセン社が扱う器具で
ランプシェード(笠)の部分が
スリガラスで作られているため、
中で灯った電球の光がシェードを
通してぼんやりと明かりを拡散させるために、
ダイニングテーブル周りなら、
これ1灯で十分だと思います。
逆にシェードの部分が金属製の器具は
光が照明器具の真下を主に照らすため、
物によっては明るさ不足を
感じるかもしれません。
従って、初めて使う器具の場合は
実物の光の出方を確認して採用の
有無を確認するようにしています。
床下
床下なんて、普段見る事がないので、
どうなっているのか知る人は少ないかもしれませんし、
いざ完成した家の床下に潜ってって言われても、
正直な話、自ら進んで潜ろうなんて気持ちには
なれないので、潜る時には相当思い切りが
必要になります。
新築の家でもそうなのですから、
ましてや中古住宅の家の床下なんてもっと、
思い切りが必要です。
そう考えると職人さんには頭が下がる思いですが、
今回はお風呂場の床下の話になります。
最近、工事が始まった「丁寧に暮らす家」の
第二期リノベーション工事では、
お風呂や洗面所の床下を新築同様にする計画です。
しかし、お風呂には給水、給湯、排水のための
パイプが床下に敷設されます。
これらのパイプが洗面所からお風呂場の
床下区画を貫通するため、
普通に考えるとそこで断熱区画も
途切れることになります。
しかし今回採用していただいた、
こちらの商品では出来る限り熱ロスを
減らすためにお風呂の床下を点検する場合には、
その蓋が外せるようになっています。
点検は、そう頻繁に発生する訳ではないため
圧倒的に蓋を閉めておく時間が長くなるので
工夫が必要なのですが現場で造作しようとすると、
中々うまくいきません。
所が、このような既製品を採用すれば、
それらの懸念事項がある程度、解決できます。
写真が、その商品ですが、真上に横断しているのが
土台で、土台に直交している白木が根太になります。
向う側がお風呂場、手前が洗面脱衣場になります。
「入口側」と書かれた部分とその両側にある凹みの
部分が一体的に蓋として外せるようになっていて、
その蓋の左側にある縦長の浅めの凹みの部分に
給排水管を貫通させます。2枚目写真
貫通した穴の周りを再度断熱処理すれば、
一応お風呂場と洗面所の断熱区画が出来上がる
と言う事になります。
おそらく一般の家では、このような部分は
人通口と呼ぶ人が這って通れる程度の
幅に基礎が無い状態にしてあると思いますが、
それだと折角お風呂場の床下を断熱しても、
その開口からエネルギーがロスしてしまい
効果も落ちると思います。
ご注意下さい
今回のお話は以前にも書いたことがありますが、
皆様への注意喚起の意味も含めて再度書かせていただきます。
以前、とあるお住まいにリフォームの
相談に御伺いした際のことです。
天井裏を覗くと何やら見慣れない金物が
束や梁に沢山取り付けられていて、
異様な光景だったのです。
見慣れない金物とは公的な機関で
認められていない刻印の無い金物のことです。
後で家の方に聞くと、
とある有名な一部上場会社の営業マンが
やって来て天井裏の耐震補強と床下換気を
謳った工事をされたとのことでした。
しかしそれらはどれもズボラで
補強にもなっていない工事です。
床下収納庫を外して床下を覗くと
これも又補強と称した床束が
あり得ない位置にあったので、
手を伸ばして触ってみると、
直ぐに外れて取れてしまいました。
本来、床束は床を支えるべき材料であるため、
手で簡単に外せるものではありません。
と言う事は、この床束は役に立っておらず
適当に置いてあっただけなのです。
私は、家の方に先ほど外した床束を2本持って
消費者センターに行くようにお伝えしました。
後で調べて分かったことですが、
この会社は同じようなことを他でも随分と
沢山やっていて国から業務停止処分を
食らっていた過去がありました。
大々的にテレビCMも流した一部上場企業となれば、
殆どの人は信じてしまうかもしれませんが、
会社を大きくしようと
厳しいノルマを課された営業マンは、
どんな手を使ってでも成績を
上げようとした末の行動かと思います。
建築系の怪しい会社は大体、
訪問営業や電話営業でやってきます。
従ってこのような手段でやって来るような
耐震工事や屋根の葺き替え、外壁の塗り替え、
床下換気扇の取付などの業者は、
知り合いに建築関係者が居るなどと
嘘でも良いので適当に言って
即断ることをお勧めします。
鴨居敷居
「Courtyard house in Tamba」の2階では
各部屋の入口に鴨居敷居が付けられています。
鴨居、敷居とは建具を滑らせるための
溝が掘られた枠のことです。
いわば建具のガイド役ですが、
では何故「鴨居(かもい)」、「敷居(しきい)」と
呼ぶのでしょうか?
敷居については足元に敷いてある材料なので、
何となく想像がつきます。
又「敷居が高い」と言った言葉がありますが、
最近では間違った使い方をされることが
多い言葉となっているようです。
これは本来、「不義理や面目のないことがあって、
その人の家に行きにくい」と言った意味で
使うのが正しいそうですが、
高級そうだとか自分には場違いかもしれない、
と言った意味で使われるのは誤りのようです。
又一方の鴨居(かもい)は何故「かもい」と
呼ばれるのか?調べてみたのですが、
諸説あり、はっきりしたことは分かりませんでした。
長年、当然のように使っていた名称を改めて、
何故そのように呼ぶのか?
と調べてみることは大事ですね。
神社に行くと境内や本殿に入る前に
「鳥居」を潜ります。
ここにも鳥と言った動物の名前が登場します。
「かもい」も「鴨」の名前が登場するのですが、
どちらもその下を潜りますよね。
その辺りに何か共通する点があるのかもしれませんね。
ニーズ
「Courtyard house in Tamba」
今週は現場定例打合せ後に、
住まい手さんにも現場にお越しいただき、
スイッチ、コンセントの位置について
御確認いただきました。
壁の断熱材を施工した後、気密フィルムを施工し
壁をフィルムで完全に塞いでしまう前に、
ご確認いただきました。
当事務所のスイッチ位置は通常よりも若干、
低めに設定しています。
これは天井高さとの関係で通常の高さに
スイッチを付けてしまうとバランスが良くない事と、
重心が腰高に見えて落ち着きを無くすことなどが
大きな理由でもあります。
このスイッチ、コンセントですが以前は
柱や間柱の真横に付けるか、間柱等を
適当な長さに切って、それを何枚か
重ね合わせた上にこれらのボックスを
取り付けていたのですが、
昨今便利な資材が用意されるようになり、
そのような面倒くさい作業をしなくても
済むようになっています。
写真は、そのスイッチボックスですが、
ボックスの右に写っている柱
(HD20と書かれている材が柱です)に
金属のバーを取り付けて、
その金属のバーにスイッチボックスが
付いています。
これは右側の柱の少しだけ左に入った所に、
入り口に引き戸(アウトセット引き戸と呼びます)が
直交して付き、その戸が壁に当たって閉まるため、
スイッチは柱から少し離れた位置にある
必要があるため、この位置に設定しているのですが、
実はこの金属のバーにはメモリが打っていて、
そのメモリの位置にスライドさせると
所定の位置にセット出来るようになっています。
写真がそのメモリです。おそらく、30㎝程度までなら
調整出来るのでしょうか?
こう言うのを見れば、ごく普通に存在する物と
思えるのですが、無い時には
思いもよらない物であったと思います。
おそらく現場の声から生まれた物なのではないか?
と思うのですが、未だ私たちの身の回りには、
本当はニーズがあるのに存在しない物って
意外に沢山あるのではないでしょうか?
変色
外壁のモルタル塗り、いつも思うのが
塗りたての頃と乾いてからの色が
全然違うと言うことですが、
そう言えば何故そうなるのかを
調べたことがありません。
先ず仕上がってしまえば、
その違いはどうだって良いことになるのが
大きな理由と思います。
モルタルとコンクリートは根本的に
似て非なる物で、モルタルは
セメント+細骨材(砂)+水で
構成されるのに対し、
コンクリートには更に
粗骨材と呼ばれる砂利が加わります。
コンクリートは鉄筋を内包することで
建物の骨組みにも使用されるのに対し、
モルタルは床や壁の下地材や仕上げ材
などとして使用されます。
さて、そのモルタルの塗りたての頃と
乾燥後の色の違い、
一体原因はどこにあるのか、
私の推測では、塗ったばかりの頃は
使用する砂の成分の色の発出が早く出て、
乾燥とともにセメントの成分の色の
発出が強くなるからなのでは?
と思うのですが、さて如何でしょうか?
上写真は塗ったばかりの頃の外壁です。
やや黄色みがかったような緑っぽくもある色です。
そして、こちらが塗った後1週間ほど経った外壁です。
グレーっぽい感じですね。
もう少し経てば、もう少し薄まった感じになるとは
思いますが、殆どのケースでは、
この上に仕上げが施されるため
どの程度まで色が変わるのかは分かりません。
水辺が恋しい
7月に入り、未だ梅雨も明けていませんが、
こう暑いと、ふと水辺が恋しくなりますね。
しかし海はそんなに近くない山の中の地では
最寄りの水辺と言えば川になります。
只、この時期の川辺は雑草が生い茂り、
危険生物もその茂みに生息している
可能性があるため、場所を構わず、
おいそれと近寄れる訳ではありません。
水には浸かれなくても、せめて目だけでも水を求めてみました。
写真は一見、森の中のように見えますが、
神社の境内です。
お隣町の道の駅 加美 の道向かいにある
青玉神社は樹齢600~1000年と呼ばれる
巨木が参道に数本あり、
本殿に入る手前にあるため池が涼しげでした。
噴水機能で水が攪拌されるためか
透明度も抜群で思わず水が流れてくる先に
歩みを進めたくなりましたが、
ヒルやマムシに注意の看板に舗装された
参道からはみ出すことを止めました。
橋の上から覗く加古川の上流に当たる
佐治川は水の透明度も抜群でサギなどが川魚を
捕まえにやって来ています。
橋の下の水辺の直ぐ傍には車を止めて
キャンプを楽しむ人もいましたが、
あの場所は早い者勝ちで多くの人が
陣取れる広さは無いので今回は
遠慮しておきました。
この夏いつか、あの場所で
楽しみたいと密かに狙っています。
住まいの耐震性
兵庫県には建物の(簡易)耐震診断を
無料又は格安で行う制度があります。
但し昭和56年5月31日以前に着工した
建物であることなどが条件としてあります。
私は、その簡易耐震診断員の資格を持ち、
既に何十軒もの診断をさせていただいています。
お伺いした多くの建物では、
耐震強度が足りていないことが多く、
多分私が御伺いした家だけでなく、
他のお住まいも同じかと思います。
それは何故かと言うと古い建物は「耐震」
と言う概念が無く建てられているからだと言えます。
即ち、壁が非常に少なく開放的な建物が
多いと言うことです。
昔の家の造りと言えば襖や障子で部屋を
仕切ることで個室を確保したり、
それらを開放すれば大きな部屋が出来上がる、
非常にユーティリティーなものでしたので、
当然と言えば当然ですね。
現代は、そのようなライフスタイルからは
大きくかけ離れ新しい家では、
完全な個室が設けられるようになっているため、
壁の量も随分と多くなり、その壁を耐震壁
(地震の揺れに抵抗する壁)として活用する
ようになっています。
では、そのような古い建物に耐震性を
確保するには、どうすれば良いかと言うと
耐震補強と呼ぶ工事が必要になります。
しかし、この耐震補強工事が意外に
普及していないと言われています。
それは何故かと言うと、
費用の問題が一番のハードルであろうとは
思うのですが、それ以外にも理由が
あるのかもしれません。
同じく兵庫県には、その補強工事における
費用を補助する制度もあるのですが、
利用する方々も意外に少ないようです。
知らないだけなのか、はたまた制度の
ハードルの高さなのかは分かりませんが、
もう少し利用されても良いのになあと思っています。
耐震補強の方法としては筋交いを入れたり、
構造用合板と呼ぶ板を張り付ける方法が主です。
(但し、他にも方法はあります。)
ただ、これらの方法では床も天井も
一旦全て解体しないと出来ない工事のため、
補強費用もそれなりにアップすることが
考えられるのですが、
そう言ったハードルを下げる意味も踏まえ、
補強方法にも進化が見られます。
実験で得られた方法によって床や天井を
全て解体しなくても出来る補強方法も
確立されています。
耐震強度を上げれば実は基礎も関係
してくるのですが、基礎に極力負担をかけずに、
やわらかい壁
(硬すぎない壁と表現してもいいかもしれませんが)を
多めに配置する方法でコストも抑えながら
補強することを考えられるようになっています。
そうすれば、補助金を上手に活用することを
視野に入れ、住まいの耐震性を上げることも
可能となります。
皆様も上手に補助金を活用しながら
いつ起こるか分からない地震に備えませんか?
水勾配
「水勾配」と書いて、そのまま「みずこうばい」と呼びます。
建築には専門的な用語が多く、
初めて耳にする方には分かり難い言葉も多いと思います。
職人さん同士の会話を現場で耳にすると、
我々でさえ何のことを話されているのか分からないことも
極たまにあります。
この「水勾配」とは一見、フラットに見えるような
部分であっても、水平にしてしまうと、
そこに長時間が水が溜まったままの状態に
なるのを防ぐために、僅かに斜めに勾配を設けることで、
水が自然と流れる程度の緩い勾配のことを指します。
仮にごく少量の水が、そこに溜まったとしても
蒸発してしまう程度ならOKと考えます。
今回の写真は、その「水勾配」を現わすもので、
塀のてっぺんの部分になります。
おそらく完成してしまえば、
この高さで塀のてっぺんを見ることはありません。
奥に一段高くなっている部分がほぼ、
水平だとお考えいただくと手前の一段下がった部分が、
やや左に傾斜しているのが、お分かりいただけると思います。