Narito Ashida Narito Ashida

直下率

「直下率」と言う言葉が注目されるようにな
ったのは2016年に起きた熊本地震でのこと
とだと記憶しています。

直下率が低い建物は、繰り返し地震に弱いと
言われるようになったのですが、さて「直下
率」とは何か?と言うと、1つは、平面図上
で見た時に上下の階で柱の位置が、どの程度
の割合で同じ位置に存在するかと言うこと。

そしてもう1つは、同じく平面図上で見た時
に上下の階で、耐力壁の位置が、どの程度同
じ位置にあるかと言うことを指します。勿論、
出来るだけ多くの柱や耐力壁が上下階で同じ
位置にある方が好ましいのですが、100%一
致させるなんてことは至難の業だと思います。

一般的に柱の直下率は50%以上が目安と言
われていますが、さて私も、熊本地震までは、
直下率を意識したことはありませんでしたが、
しかし独立当初から構造材を現わす家づくり
をしているため、いつも構造と意匠は一体で
検討しています。

従って自ずと直下率は高い家になっています。
下部に柱の無い梁の上に柱を載せると構造的
に梁の構造負担が大きくなり、梁成も大きく
する必要があります。

この写真であれば比較的上下階の柱位置が一
致していることを認識していただきやすいと
思います。プラン的にも総二階部分の柱位置
を揃えやすかったです。

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カフェ板

最近YoutubeのDIYで家具を作る動画を見
ていて出て来たのが、この「カフェ板」と
言う名前です。

聞いたこと無いなあと思っていたのですが、
あっちの動画にも、こっちの動画にも登場
するので、そんなに有名なの?と思ったほ
どですが、先日ホームセンターに寄った際
に、置いてありました。そこには中国木材
と書いてありました。

中国木材ってドライビームと呼ぶ米松の構
造材で有名な会社なんですが、ついに国産
材の杉を使って、そのような商品を販売す
るとは、なるほどです。でも国産材が普及
するなら良いことだと思います。

カフェ板の形状は特許庁の意匠登録されて
いるそうで、グッドデザイン賞も受賞され
ているようです。

カフェ板の厚みは3cmほどで、その断面は
V字型になっているだけで、特段凄いとは
思わなかったのですが、これまで見てきた
実板の形状とは確実に違いました。

でも、これが人気があるんですね。複数枚
を引っ付ける場合、本実の方が安定感があ
ると思いますが、常識と思っていたことが、
少し目線を変えることで新しい商品が生ま
れる。いい勉強をさせていただきました。

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大黒柱はなぜ太い?

お若い方には「大黒柱」と言ってもご存知ない
方がいらっしゃるかもしれません。もしかした
ら鬼滅の刃の新しいキャラクター?って答えら
れてしまうと、思わず笑ってしまうかもしれま
せん。

今の住宅には大黒柱が無い場合も多いので、知
らないのも当然になる日が近いかも。大黒柱と
は、家の中心付近にあって、他の柱よりも一回
りか二回り、或いはそれ以上に太い柱のことを
指します。

では、なぜ大黒柱は太いのでしょうか?家の中
心にあって、この柱が建物をしっかり支えてい
るんだと言う意味合いで象徴的に太い材料を使
っていると言うのも一説ですが、他にも理由が
あると考えています。

家の中心にあると言うことは、柱のあちらや、
こちらから梁を受けることになります。或いは
梁が柱に刺さってくることになります。すると
柱と梁が交差する部分には何らかの加工が施さ
れます。

このように柱と梁が交差する部位のことを仕口
(しぐち)と呼びます。特に大黒柱は家の中心
にあって、2階まで延びていることが多いため
柱の方に大きな仕口が施されることになります。

次の写真が柱仕口のモックアップですが、実際
に組まれていた物をその部分のみ切り取ってい
ただいてきました。

写真の赤いラインを入れた部分で柱を切断した、
その断面が下の図になります。仮に、柱が12cm
角の材料の場合、何も加工が施されていなけれ
ば、その断面積は144㎠です。所が同じ太さの
材料に4方向から梁が刺さってくる場合、その
部分の断面積は71.04㎠になります。(図右上)

見ただけでも、ちょっと心許ない形に見えませ
んか?そして、柱の太さが15cm角になった場
合に四方から梁が刺さってくると残りの断面積
は152.04㎠になり、左上の図の場合よりも断
面積は大きくなります。更に柱が太くなり18
cm角になった時に四方から梁が刺さってくる
と、残りの断面積が251.04㎠となります。

勘の良い方は、既にお気付きと思いますが、木
の断面積と強度はある程度比例します。従って、
建物の中心にある大黒柱は構造的に太くしなけ
ればならなかったと言う理由もあるのだと思い
ます。

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耐震補強

多分、年の初め頃にも、耐震補強の話を書い
たと思いますが、「天災は忘れた頃にやって
くる」と言う言葉があるように、皆さんが忘
れている頃に再度、書かせていただきます。

兵庫県では耐震補強工事に対する補助金制度
があります。補助金制度の窓口は各市になっ
ていますが、意外に利用されていません。

おそらく丹波市では昨年は1件も利用されな
かったのではないでしょうか?耐震補強自体
が、それだけハードルが高いと思われている
のでしょう。ハードルの高さは個人によって
受け止め方が変わると思いますが、大衆車1
台分程度で補強出来るとしたら如何でしょう
か?

そこに補助金が利用できれば、更にハードル
は下がります。建物規模や諸条件によります
が、その可能性が見える建物も意外にありま
す。

誰も、補助金制度を利用しないと言うことは
逆を返せば、間違いなく補助金を利用できる
と言うことです。丹波市で用意されている耐
震補強の補助金の枠は年に2~3棟分だと思い
ます。通常2~3棟と言えばすぐに無くなりま
すが、誰も利用しないと、その内補助金止め
ようかと言うことにもなり兼ねません。

通常の補強方法よりもコストを抑えた方法も
生み出され、当方でもそう言った方法により
補強計画を立てています。

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コンクリートを打つ日

コンクリートはプラント(工場)で事前に調
合され、固まらないようにミキサー車で運ば
れて現場に到着します。従って、コンクリー
トプラントは現場からあまり遠い所にあると
不都合なため毎回、どの現場も同じプラント
から運ばれてくる訳ではありません。

又コンクリートが1カ所に偏って打ち込まれ
ることのないようにバイブレーターを使い振
動を与えて均等に均されています。ミキサー
車で運ばれて現場に届いたコンクリートはポ
ンプで圧送するために、一旦ポンプ車に下ろ
されて建物に打ち込まれます。

このポンプに掛かる圧力はかなり強力ですが、
現場でポンプを操る職人さんは、そんなこと
を微塵も感じさせないほど簡単そうにポンプ
を扱われます。

私も修行時代、休憩中に、このポンプを持ち
上げたことがありますが、その重さたるや相
当のもので、こんな重いポンプで仕事してる
んや~と驚いたものです。

先ほどコンクリートはプラントで事前に調合
されていると書きましたが、水分の量も調合
されているので、コンクリートを打つ日が激
しい雨の場合は、その調合割合が変わってし
まうためコンクリート打ちを延期せざる得な
い場合もあります。

写真は住宅の基礎コンクリート打ちをしてい
る様子です。水色の作業着の方がポンプを操
作する職人さん、黒い上着の方はバイブレー
ターを操作する職人さんです。

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鉄筋とコンクリート

鉄筋とコンクリートは別の材料ですが、建築
物として姿のある形になる時には一体的に用
いられます。これらは鉄筋とコンクリートの
相性が様々な面において良いことが理由です。

例えば、熱によって膨張する両者の度合いも、
ほぼ同じであることとか、又鉄筋は書いて字
の如く鉄ですので空気に晒されたままだと酸
化即ち、錆びて鉄の本来持つ性能が低下して
しまうため、アルカリ性であるコンクリート
に包まれることで酸化するのを防いでもらっ
ていることなどが挙げられます。

前述の例えは、人体で言う所の肉と骨のよう
な関係に似ています。肉がコンクリートで骨
が鉄筋に該当します。

先に出た鉄筋が酸化するのを防ぐためには、
ある程度の厚みのコンクリートで包まれてい
る必要があるのですが、そのつつまれる肉の
厚みのことを「かぶり」と呼びます。

この「かぶり」は地面に接している部分と、
そうでない無い部分でも基準が違い、地面に
接している部分の方が、より多くのかぶり厚
さが必要になります。

又、目には見えないため想像しにくいのです
が、建物には様々な力が作用しています。そ
の中で圧縮力と呼ぶ建物をぎゅっと圧し潰す
ような力に対してはコンクリートで抵抗し、
引張り力と呼ぶ建物を引き裂こうとするよう
な力に対しては鉄筋で抵抗し、お互いの素材
の弱点を補う役割を担い、建物として成立し
ています。

写真は、基礎のベース部分のコンクリートを
打設した後の状態です。この後、基礎の立上
り部分の型枠を組んで再び、その部分のコン
クリートを打っています。

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土台

関西では住宅建築の際、土台に使われる材料
として桧(ひのき)が一般的になっているよ
うに思いますが、九州では杉が土台として使
われることもあると聞きますし、実際に製材
所でもそのように御伺いしました。

もっとも、その製材所にあった土台の杉には
防蟻防虫のために薬液が加圧注入されていた
ため、杉が本来持つ色ではなく、緑色をして
いました。

その昔、栗などのタンニンを多く含む材料が
土台に使われていましたが、土台に使えるよ
うな材料が獲れにくくなった現在では、栗の
土台も珍しく高価なものになったと思います。

では桧であれば防蟻防虫性が高いのか?と言
うと、そうでもありません。私どもの住まい
づくりでも土台には桧を採用することが殆ど
ですが、防蟻防虫を目的としてホウ酸による
処理を施しています。

一般的には未だ農薬由来の商品が多いと思い
ますが、防蟻剤を塗布するのは床板を1枚挟
んだだけの床下空間ですので、特に小さなお
子様がいらっしゃる、お住まいでは、このよ
うな商品には気を付けていただく必要がある
と思います。

その点ではホウ酸は、安全性の高い材料であ
り自信をもって使うことが出来ます。冬も明
け、気温も高くなってきたこの季節、シロア
リの活動も活発になってきます。そして唯一、
私たちが日常生活の中でシロアリの存在を発
見しやすい時期にもなってきます。
詳しくは又別の機会にお伝えさせていただき
ます。

写真は桧の土台ですが粉を吹いたようになっ
ています。これはホウ酸処理が行われた証拠
で、特に使用上の問題はありません。

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分譲宅地情報をリンクに加えました

「中庭のある家」が建つ隣にある分譲宅地
「VITALO KAIBARA」の情報が公開されて
いますのでリンクページに加えています。

Home > About > Links

VITALO KAIBARA ウエブサイト
https://vitalo.hikami-co.jp/

文化の薫り高い丹波市柏原町の中に生まれ
た新規分譲地です。学校、病院、文化施設、
駅、スーパーどこへ行くにもほど近くにあ
りながら幹線道路からは少し離れているた
め、交通量も少なく静かな環境です。

丹波での新しい暮らしを叶えるには、ぴっ
たりの場所です。

ウェブサイトもこれから情報が更新され充
実していくことと思います。
興味のあるかたは是非、覗いてみて下さい。

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基礎

昨今の住まいづくりでは、「ベタ基礎」が
当然のようになっています。

割と最近の、とある業界誌に「ベタ基礎が
危ない」と言うタイトルで特集が組まれま
した。これはベタ基礎だから危ないと言う
わけではなく、何でもかんでもベタ基礎一
択と言う選択肢しか持ち合わせないで基礎
の設計をするのが危険だと言う内容だと解
釈したのですが、考えてみれば当然のこと
ですね。

又、その業界誌には地盤の状態も分からず
に、「当社はベタ基礎が標準仕様です」と
堂々とホームページ上で謳っている会社ま
であります、と言った指摘もありました。

要するにしっかりと計算もせずに、何故そ
のようなことが謳えるのか?と言ったこと
だと思います。

とは言え確かにベタ基礎が多くなっている
事実はあります。但し、当事務所ではしっ
かりと構造計算をした上で、ベタ基礎を採
用しています。

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既製品と製作品

暫く続きました窓のお話も、今回で一旦締め
にしたいと思います。又思い出した頃に窓の
話が出るかもしれませんが、その時は宜しく
お願い致します。

当方の設計では室内に設ける建具は殆ど製作
品となるのですが、外気に面する窓や建具に
ついては最近では既製品が多くなりました。

その理由は、外気に面する部分の建具では、
気密性や断熱性が要求されるようになったか
らなのですが、では製作品では気密性や断熱
性を確保できないかと言うと、そうでもない
んです。

但し、その性能を数値化し難いため外皮計算
を求められる現在では採用することも難しく
なったと言うことになります。

製作品を気密化しようと思うと開閉する部分
と枠が触れ合う部分にゴムのパッキンのよう
な材料を使用することになります。ピンチブ
ロック株式会社と呼ぶ会社の製品が建具の気
密部材としては有名で、色んな形状の部材が
販売されています。

その他にも錠前金物や開閉部材、引手金物な
ど1枚の建具でも様々なパーツが必要となり
ます。

1枚目の写真は3枚ある内の真ん中が横にス
ライドする既製品の建具です。両サイドはF
IX窓になります。既製品のこの建具は、下
に向いているレバーをグルッと回転させて上
向けになると施錠が開錠され、窓が横にスラ
イド出来るようになっています。気密性、断
熱性も非常に優れていて少し高価ですが最近
の設計では良く採用させていただきます。

又2枚目の写真の窓は事務所開設初期の頃の
お住まいで、製作建具です。壁の外に設けた
戸袋の中に、このガラス戸が収納されてフル
オープンに出来ます。そして外には網戸も仕
込んであるため虫は入り難くなっていますが、
この頃は開閉のし難さに配慮してピンチブロ
ックなどは使っていなかったため気密性の点
では劣ることになります。

実はピンチブロックを設けると建具同士や建
具と枠の間の摩擦力が高まり、又ゴムが間に
挟まる訳ですので、少し開閉操作が窮屈にな
りやすいと言う特徴があります。

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クリアとグリーン

最近のサッシに使われているガラスには日射
取得型(クリア)と日射遮蔽型(グリーン)
があります。

一般的には冬場の日射を期待したい南面には
日射取得型ガラスを用い、その他の面には日
射遮蔽型ガラスを用い夏場の日射を遮ります。

南面も夏場の日射を遮るために日射遮蔽型ガ
ラスにすればいいじゃあないか、と言う声も
聞こえそうですが一般的に、夏の冷房費より
も冬の暖房費の方が高くなるので、冬をメイ
ンに考えて南面の日射を取り込むようにしま
す。

では、夏はどうすれば良いかと言うと、窓の
外側で日射を遮るための部材、例えば庇やシ
ェードなどを用いて日射を部屋の中に入れな
い工夫を凝らします。

夏は太陽の高度が高くなるので開口高さに対
して1/3程度の長さの庇が付いていれば、お
およそ陽射しを遮ることが出来ます。

しかし、物理的に庇を付けることが出来ない
場合は外付けブラインドや簾などを用いるこ
とになります。

更にどうしても、部屋の外側で対策出来ない
場合は部屋の内側にハニカムブラインドなど
を取り付けることによって夏場の日射を遮っ
て下さい。

写真は南面に設けた日射取得型ガラスのFI
X窓(左側)と片引き戸(右側)です。

こちらのお住まいは窓の外に庇を設けている
ため、窓の外でも日射遮蔽対策は可能ですが
完成後にハニカムブラインドを取り付けられ
ました。

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内障子

窓の内側に設ける障子のことを内障子と呼び
ます。内障子の効果はと言うとカーテンが無
くても外の視線を遮ることが出来ること。
障子を介した陽射しはダイレクトな陽射しよ
りも和らげられるので、空間が和らいだ雰囲
気に包まれること。窓との間に空気層をつく
るため、少し断熱効果もあります。

その反面、中が明るくなる夕方の時間帯に障
子を空けると、外から家の中が丸見えになる
こともあります。

時代劇に登場するような家では外部に面した
建具は殆ど障子です。庶民の家ではその障子
紙が破れていたりと言うのはよく見かけるシ
ーンですね。今ではそのような家は見かける
こともありませんが、縁側があるような家で
は、そこに面した部分は障子であったりしま
す。

障子紙は破れることが欠点ですが、張り替え
ることを前提に作られているため障子の作り
は単純です。最近では破れにくい障子紙や薄
いアクリル板なども障子に使用されています。

これらは、ともにデザインの異なる内障子で
す。前者は縦桟を強調し、細くシュッとした
感じに見えるようにしています。後者は縦横
枠の桟の見え方を同じ寸法にしたもので力強
さを感じます。又、前者は戸袋(壁)の中に
障子が隠れるため障子を開けると壁とサッシ
だけに見えます。後者は障子が壁の内側に見
えた状態になります。

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