土に還る
木が何らかの原因で、山の中でそのまま寿命
を迎えると、このように土に還るのが自然な
状態なのですが、製材されて用材化された木
が途中で、このようになると自然な状態と言
って喜んではいられません。
万が一住宅に使われている木が、こうなると
危険極まりないのですから。木は小口と言っ
て切り口に当たる面からは非常に良く水を吸
います。
導管と呼ぶ栄養や水分を運ぶ道が木の細胞の
中に通っていて、ストローの束のようになっ
ていることが原因です。
従って、小口面をそのまま見せた使い方をす
ると、そこから水分を吸って木が傷みやすく
なります。
例えば桁、母屋、棟木などは、そのような使
い方になりやすいのですが、当方ではそのよ
うな部分を鉄板で包んでしまい、対策をして
います。2枚目の写真が、その事例です。
位置出し
先日、解体の終わった現地に足を運び、建物
のおおよその位置出し作業をしてきました。
所が、ローテクの機械のみで直角が一つも無
い敷地に位置出し作業するなんてかなり高い
ハードルとなり、一部の位置だけ出して途中
断念しました。
しかも、一番基準にしたい敷地の一部は法面
となり、大きな段差もある状態で、水平距離
さえまともに測れず、でしたが何となく概略
は掴めた気がしています。
通常は遣り方と言う作業で、正確な位置出し
をするのですが、壁面線退線1.0mの制約や
ら北側斜線やら、色々厳しい制限を受けるの
で、前もって安心しておきたかったと言うの
が理由です。
図面の上では何とかクリアしているのですが、
実際はどうか?と言うことを確認するためで
したが、アバウトでしたが、恐らくクリア出
来ているであろうとの判断で現場を後にしま
した。
又遣り方作業の時に確認させていただきます。
90%
1カ月前に受講した3年に1度の建築士定期
講習の終了考査の結果が届きました。正答率
90%と言うことで、無事に考査もパス出来
ました。
毎年丸一日、どこかの会場に缶詰めにされて
ビデオ講義を受け、最後に考査を受けるパタ
ーンでしたが、今回は一日缶詰の苦痛から解
放されたいと思い、全てオンラインで受講で
きるコースを選択しました。
終了考査の日時のみ指定されていて、それよ
りも1週間前からはどの日、どの時間に講義
を受けても大丈夫とのことで、計3日ほどに
分けて受講してみました。
感想は、分けて受講する方が集中力が途切れ
やすいと言うことが分かりました。1日に集
約して受講する方が、そこに掛けるエネルギ
ーは沢山必要だけど記憶にとどめ易くて良い
のかな?とも思いましたが、エアコンが効き
すぎた会場に缶詰めにされるのも辛いので、
次回3年後にはオンラインで1日集中受講ス
タイルで行こうと思いました。
終了考査は落してやろうと言う目的では無い
と思うので凄く難しい訳ではありませんが、
参考にして良いテキストのどこに記述があ
ったのかを如何に早く見つけることが出来
るか?がポントとなります。
さて正答率90%と言うことで4問間違え
たという事になります。どの4問が間違え
だったのかが気にはなりますが、次の受講
の頃には、また記憶もリフレッシュと言う
か今回の記憶も忘れてしまっていることで
しょう。
同じ2キロでも
先日、所用で宝塚市役所に御伺いしました。
都心部への移動は公共交通機関の方が楽な
ので専ら電車やバスでの移動になります。
その所用も終わり、次の目的地に向かう方
法を調べると意外に不便で電車だと遠回り
をすることになり、バスでは本数も少なく、
次の便までの待ち時間が30分ほどもある。
スマホで調べた所、次の目的地までは距離
にして2キロ、時間にして20分とのこと
でした。いつもウォーキングで歩いている
程度の距離だったので、運動も兼ねて歩く
ことにしました。
その間、幾つの町を跨いだことでしょう。
地図上では、幾つもの街を跨ぐため、遠く
に思えていましたが歩くと大したことない
なあと言う感じで、車が通れないような路
地などもすり抜けてあっという間に到着し
ました。
まだまだ知らない場所も沢山あり、それを
知れたことは大きな収穫でもあります。車
で移動していたのでは決して知ることもな
かったことでしょう。
地元では同じ2キロ歩いても、未だ村の中
で、一つの町も跨ぐことは出来ません。私
が住む村は南北に長く端から端まで約3キ
ロもあります。一度、地図を切り抜いて大
きさ比べでもしてみようかと思います。
納屋の補修工事完了
納屋が傾いているので、一層のこと壊す方が
良いのか、それとも未だ使えるのか一度見て
欲しいとのことで御伺いさせていただいただ
けのつもりでしたが、建物自体は大きく傾い
ている訳ではなく、建物の中心当りにある柱
が地盤沈下か何かの影響で部分的に陥没して
いるだけでした。
従って未だ使えますよと言う所から始まった、
今回のプチ補修工事が今日で完了しました。
工事中に分かったことですが、陥没していた
辺りには昔、井戸があった形跡が見受けられ
ました。埋め戻しはされていたのですが、経
年で、その部分が下がったのではないか?と
言うことで、下がった辺りを中心に補強をし、
持ち上げることで傾きは補正できたので、こ
れまで通りに使えると思います。
前回のあて木だけでは、既に心許ない状態で
したので、その先には柱を設け水平な腕木が
垂れ下がらないようにしています。
あて木を使う
「あて木」とは、かなり癖の強い木で自ら進
んで使いたいと言う人は、そんなに多くない
のではないでしょうか?
山の斜面に植わっている木は、最初は斜面に
対して垂直に伸びようとするのですが、その
内、地球の重力に従う方が楽なために地球に
対して垂直に成長します。
そうすると木を建築用材として使える程度に
まで育った木は根元の方で大きく湾曲した形
になります。
このような木を「あて木」と呼びます。この
ような木は真っすぐになろうとする力が働き
やすいので、構造材として使うには、木が動
くリスクを覚悟しないといけないため使いに
くい材料となります。
しかし、逆にその力を利用した使い方をして
いるのが、今回紹介させていただく写真のよ
うな用い方になります。
水平に伸びている長い腕木の下を支えるよう
に入れ、あて木が真っすぐになろうとする力
を利用し、腕木が垂れ下がってくるのを防ぐ
役割を担います。
昔の人って面白いことを考えたもんだと思い
ます。
寛容な気持ちで
先日、中庭のある家に御伺いしてきました。
車庫には車が止まっていなくて、2台ある車
は何れも敷地内ではあるけども、車庫の外に
あり、「あれ?」と思ったのですが私も車を
降りて家に近づいてみると納得でした。
何だか、分かりますか?
車庫の床には大きめの段ボール箱も置かれて
いました。車庫の中を見上げると梁には泥の
塊のような跡が3カ所ほどに、そうです、田
んぼに水が入りだすとツバメが巣を作るため
の場所を求めて飛び回るんです。
で、3カ所の内の1つが実際に巣として使わ
れていたようですが、既に巣立ったらしく、
ひな鳥は居ませんでした。
これまでにもオープンな車庫は何棟も設計さ
せていただいていますが、殆どの皆さんは寛
容な心で巣を作らせてあげています。
昔からツバメと人間の生活は身近な場所にあ
ったようで、ツバメが巣を作った家は栄える
と言う話さえ聞いたことがあります。
ツバメは人間の生活する近くに巣を作ること
で外敵から身を守ることが出来、又ツバメは
田んぼの害虫を食べてくれるので、昔は、
WIN WIN の関係が成り立っていたようです。
こうやって巣を作りに来るのは本物の木を使
っているからであって、工業製品で覆われた
家ではツバメさえ寄って来ません。
本物の証であることを実感していただき、寛
容な気持ちで対応されている住まい手さんの
優しさを毎回感じます。
木の家を選択される殆どの住まい手さんは、
皆さん心が広くて生活を楽しまれているよう
に感じます。
CAD図面と手描き図面
当方では昨今、CADで図面を描くことが殆
どです。しかしプランを考え始める段階で
はいきなりCADを使う訳ではなく、手描き
の落書き程度から始まります。
正直、若い頃はコンペで仕事を獲っていた
こともあります。コンペと言うことは他に
競う相手がいる訳で、その見えない相手と
どうやって差をつけるのかと言うことを考
えていたこともあります。
勿論、プランが如何に住まい手の心に刺さ
るかが一番なのですが、木の家を好まれる
と言うことはやわらかさも好まれるのでは
ないか?と思い、手描きの平面図や手描き
のパース(建物を立体的に表現した図面)
で提案したこともあります。結果は割と好
評なことも多く、読みが当たったとも言え
ます。
さて、最近また手描き図面のプレゼンテー
ションと言うのもありなのかな?と言う考
えも湧き上がっています。別にコンペと言
う訳でもないのに何故、このような考えが
湧きおこるのかは不思議ですが、CADの便
利さには勝てない魅力がそうさせるのかも
しれませんね。
引き取り手がない?
先日、解体の現場最終確認に訪れた際に現場
作業員の方から聞いた話ですが、表層改良さ
れた後の土の塊を処分したくても、引き取り
手が少ないとのことでした。
コンクリート基礎を解体した後の塊は再生コ
ンクリートとして使えるので引き取ってくれ
る所はあるのですが、普通の土を人工的に加
工してしまうため、役目が終わった後は再生
も出来ないからなんだそうです。
建築にはLCCM(ライフサイクルカーボンマ
イナス)と言う考え方があります。つくる時、
使う時、廃棄する時、全てのサイクルにおい
て出来るだけ省CO2に取り組み、再生可能エ
ネルギーなどを利用し、その収支をライフサ
イクルを通じマイナスにしようと言うもので
す。
所が現在の住宅建築においては、とにかくイ
ニシャルコストを低く抑えることが全てであ
るかのように、より安い選択肢を選びがちで
す。
先の改良後の土も、環境への負荷と言う側面
では、いずれ引き取り手も居なくなるか、あ
るいは不法投棄と言うことが常態化するかも
しれません。
そう考えると、事態は結構深刻なのではない
か?と思います。環境負荷の小さい方法が、
もう少し浸透すれば価格も抑え易くなり、結
果として皆が採用しやすい方法となります。
坂道に建つ家
厳密に言うと「坂道脇の敷地に建つ家」です
が長いので「坂道に建つ家」にさせていただ
きます。
先日は従前の建物の解体工事も終盤に近付い
たとのことで、現地確認におうかがいしまし
た。この辺りは山を切り開いて造成されたこ
とが良く分かる土地で、盛り土敷地か切り土
敷地かで外構の造成に掛かる費用も大きく変
わります。
勿論、盛り土敷地の方が外構工事に費用が掛
かる訳ですが、このお住まいが建つ敷地は盛
り土敷地になります。
隣接するどの敷地ともレベル差があって計画
自体も家に入るまでに階段を何段か登ってア
クセスすることになります。
本格着工は、もう少し先になります。まずは
確認申請を通さなければ・・・。
測量の日
今日、6月3日は測量の日、なんだそうです。
現在の測量法が昭和24年6月3日に公布され
たことが始まりなんだそうですが、所で現
在の測量法ってどんな方法なのでしょう?
と思ったのですが、この場合の「法」は方
法の「法」ではなく、おそらく法律の「法」
なのでしょうね。
日本語の難しさが、ここにあると思います。
一つの文字で意味が複数存在する、こんな
ややこしい言語を海外の方がマスターしよ
うと思えば、それこそ年月が係るに違いあ
りません。
さて、話を「測量方法」に戻します。我々
の業界で、測量と言えば敷地の測量が一番、
親しみのある方法になります。
残念ながら、精密な測量を出来る機械を所
有している訳ではありませんので、当方で
出来る測量と言えば平板測量と呼ぶ非常に
ローテクな方法です。いわゆる巻き尺で方
向性を睨みながら測るため、測る人の技量
次第で結果がバラバラになります。
田舎のゆとりある敷地であれば、この方法
でも十分な場合も多いのですが、都会の建
蔽率や容積率、目一杯に建てなければいけ
ない場合は、きちんとした光波測量などの
機械を使って測量していただくに限ります。
さて、今日の写真はタイトルとは全く異な
りますが先日、歩いていた時に撮ったもの
です。水鏡に映る山々は、どれだけ遠くに
あろうとも距離に関係なく、その姿が田ん
ぼに写り込みます。
あれだけ距離が離れているのに何故?ご存
知の方は是非、教えていただけますでしょ
うか?
ジャケ買い
その昔、私が高校生の頃は未だLPレコード
で音楽を聴くことは、ごく普通でした。
しかしその後CDの登場でLPレコード自体が
廃れ、アーティストのアルバムはCDに写り、
同時にLPレコードのジャケットに描かれて
いた芸術的な表現もコンパクト化され、ジ
ャケ買いと言う言葉も廃れたように思いま
す。
本好きの私は、何を買う訳でもなく時間さ
えあれば書店をウロウロしているのですが、
最近の新刊小説の表紙が実に賑やかで芸術
的な表現がされていて、思わず手に取って
中身をパラパラとめくってみたくなります。
多分、その戦略にはまっているんだろうな
あと思いながら、わざと戦略にハマりに行
っているんだと言い聞かせ、書店のお勧め
とか本屋大賞受賞とかも併せて端から端ま
で全部買いたい衝動に駆られながら、ぐっ
と我慢して1冊に絞るのです。
しかし、それも読み終えると又次にと言う
感じで本棚には蓄積が増えていくのです。
数週間、本屋さんの中で生活出来たならば
と言う妄想を抱き、次にジャケ買いする本
は何になるのだろう?と構想を練っていま
す。