住まいづくりの現場から Narito Ashida 住まいづくりの現場から Narito Ashida

伝統的継手の強度(追掛大栓継)

在来(軸組み)工法は実に自由度が高い工法と言われていて、日本の住まいは代々、この工法によって建てられてきました。

最近では2×4工法や金物による工法も進歩していて、選択肢が増えていますが、私共では専ら、在来軸組み工法オンリーです。

そして、その在来軸組み工法の特徴である仕口(しぐち)や継手(つぎて)の種類も沢山あり、地域や職人さんによってちょっとずつ違っていたりします。

しかし、最近ではその仕事もプレカットと言う機械による加工が多くを占めるようになり、人の手によって刻まれる現場も減っていると言わざるを得ない状態です。

しかし、やはり木を見せて使いたい時には、その継手や仕口の仕事にもこだわりや美しさを求めたくなる場合もあり、たまにプレカットでは対応し辛い仕事を要求する事があります。

そのような仕事の1つに「追掛大栓継ぎ(おっかけだいせんつぎ)」と言う継ぎ手があります。

追掛大栓1

材料の幅の半分側が加工されています。追掛大栓2

そこに、もう片側の材料を持ってきて、上から滑り込ませるように下ろして行きます。
追掛大栓3

そしてある程度まで下ろしていくと材料同士がかみ合って少しきつくなり始めますので、掛け矢(木のハンマー)で少しづつ並行を保ちながら叩いて行きます。
追掛大栓4

あと、もう少しで完全に組めそうです。
追掛大栓5

組めたので栓を打って、二つの材を完全に組んでからレッカーで吊るし上げて所定の位置へ運びます。

追掛大栓6

この写真は上5枚とは別の現場ですが、下からその姿を見上げたものです。材料同士が握手しているようですね。

「これがきっちりと組めるかどうかは大工の腕の見せ所」と言う話を聞いた事もあります。

かなり昔の話しになりますが、実は私の事務所には、私自身が真似事でこれを刻んで組もうとして途中できつくなり過ぎて、組めなかったモックアップがあります。トホホ・・・

ちなみにこの継手は数ある継ぎ手の中ではもっとも強度のある継ぎ手と思いますが、あるデータによりますと

短期許容引張耐力(引張強度)は7.2KNあるとの事ですが、それがどの程度の数字なのかは又今後のエントリーで比較してみます。

ちなみに強度を考える場合、長期と短期と言う2種類の強度について検討する必要があるのですが

長期とは材料自体の自重や建物に入る荷物などによってずっと長期に渡って掛かり続ける荷重によるもの

短期とは地震や台風などによって一時的に強く作用する荷重によるものと言う事で

先の実験データは後者の短期時における荷重を想定して材料を引っ張り合って出た数字です。

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EU基準

アメリカではトヨタバッシングの雨が降り注いでいる中、トヨタの安全基準に対する認識が問われようとしています。

建築界いや防火研究の世界ではEUが先進国なのだそうで、新しい建築材料の防火等級をA1~Fまでの7つの段階に分けられているのだそうです。

これは、燃焼性の他火災時に人の命に関わるフラッシュオーバー、煙量、燃焼液状粒子の領域でのレベル分けだそうで

フラッシュオーバーを起こさない材料はA1、A2、Bと言う等級になるそうです。

A1に分類されている物は、グラスウールやロックウールなどと言った日本でも断熱材として使われている材料です。

次にA2に分類されているのが石膏ボードなどと言う事で、これも日本でも非常に良く使われる壁や天井の下地材です。

そして最後のBには塩化ビニールなどと言う事ですからちょっと驚き。フラッシュオーバーは起こさなくても燃焼時に有毒なガスは出ないのか?とちょっと気になったりもするのですが、

要は、もしもの時に私達の生命が守られないといけない、そのような事を意識した住まいづくりも必要なのだと解釈すべきですね。

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たわみ

普段使用している、便利なソフトでシミュレーションしてみました。

荷重の状態によって、梁がどの程度たわむか?
構造図面を作成する時には非常に重宝している物です。

A)梁の上に柱が載っていない状態
3

B)スパンの1/4の位置に柱が載っている状態(スパンとは柱と柱の水平距離の事です。この場合のスパンは3640ミリで、赤い矢印が柱の立っている位置です。)
2

C)スパンの真ん中に柱が載っている状態
1

の3種類です。

梁の断面を12センチ×30センチ
材種は桧
など、屋根荷重や各種条件を入力した結果は

A が 3.24ミリ 梁の真ん中辺りが垂れ下がる
B が 3.61ミリ 〃
C が 3.90ミリ 〃

と少しずつたわみが大きくなります。Aは何も荷重が載っていない状態なのに何故たわんでいるかと言いますと床全体に積載加重と言う荷物などの荷重を見込んでいるためです。

仮に梁の断面を12センチ×24センチと小さくすると、これらの たわみはおよそ倍近くになります。

で何が重要かと言いますと

1階の間取りと2階の間取りで壁の位置が違ってくると上のBやCの図のように梁の上に柱を載せないといけない場合があります。

その場合に梁のたわみを見越して梁の大きさ(特に梁の高さ=梁成)を決めておかないとその下に建具がある場合などは、建具の開け閉めに支障をきたす場合があったり、

たわみが大きくなり過ぎると、ビー玉を転がした時に部屋の隅のほうへ勝手に転がって行く事があるなど欠陥を招きかねない可能性があるために
こう言った意識付けが必要となる訳です。

最後に誤解の無いように、たわんだから即欠陥と言う訳ではありません。
建築基準法では、スパンに対して1/250までは許容してもいいとされていますが、もっと厳しく1/300にしたり、人によってはもっと厳しく考える人もいます。

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開口補強

鉄筋コンクリートの建物では、コンクリートを打設する前に予め換気扇や排水管などが壁を貫通する部分にスリーブと言う穴を空けるためのパイプを入れています。

でそのパイプの周りを取り囲むように開口補強筋と言う鉄筋を入れるのですが、

さて、木造の建物でも同じように、換気扇のダクトや排水管などが壁を貫通する部分が発生します。

で、話しは一旦横へ置いておき、木造の建物で耐力壁を確保しようと思えば、

一つは筋交いで耐力壁を確保する方法と
もう一つ、構造用合板などの面材で耐力壁を確保する方法の2通りがあります。

筋交いで耐力壁を作る場合は当然の事として筋交いを損傷しないようにする事が重要で、建物完成後にエアコンなどを取り付けるために壁に穴あけ工事を行う場合などは、特に要注意です。

家電量販店などでエアコンを買って、ついでにその店で取付工事までしてもらう場合などは、図面とよ~くにらめっこして、今から穴を開けようとしている壁に筋交いが入っていないか、上手く筋交いの位置をかわせているかなど検討の余地ありなのです。

そして、もう一つ構造用合板と呼ばれる面材で耐力壁を造る場合、特に狭小間口の建物になると

狭小間口c
図の緑着色部のような建物内に耐力壁を造らざるを得ない場合があります。

しかし、建物内と言う事は、その壁を利用してスイッチやコンセントが付いたり、時には2階にある水周りの排水管がその壁を貫通する場合があります。

そこで問題なのが合板に穴を開けるという行為です。

たかが、スイッチやコンセントと言った調子で沢山穴を開けてしまうと、実は耐力壁としての効果を失うのです。

ですから、建物内に耐力壁を設ける場合は、よほど注意しておかないといけません。

仮に穴を開けるなら開口補強をするなどして一定のルールの上で穴を空ける必要があるのです。

一定のルール、教えてほしいと言う方は、当方のWEBサイトからでもメールを下さい。図面を差し上げます。

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KO

「KY」と言う言葉が一時期取りざたされましたね。
その場の空気を読めない人の事。

では「KO」は何でしょう?

ノックアウト?

いやいや、すいません勝手に言葉を造ってしまいました。

ちょっとした計算中にふと思いついたのですが、空気に重さってあるのかなあ?と言う事です。

調べてみると、ちゃんとあるようですね。

1リットルで約1.3グラムなんだそうです。(重量に単位が2つも出てくるので違和感を感じる方もいらっしゃる事でしょう)

で、何の計算をしていたのかと言いますと、ペアガラスの重量を計算していたのです。

ちなみに、ガラス重量の計算方法は理解出来たのですが間にある空気層って重量はあるのかなあ?と、本当に小さな事が気になった訳ですが

単純に空気層と書きましたが乾燥空気を封入した物、真空状態にした物、アルゴンガスを入れた物など様々な物がありこの部分の重量は一様には測れないのかも知れませんが、いずれにしても重量として懸念の対照になるほどの物ではないのかも知れません。

いわば+αの範疇なのかも知れませんね。

ちなみにガラスの重量は

幅(m)×高さ(m)×厚み(mm)×2.5(比重)

厚み6mmのガラス1m角の重量は
15キログラムとなるそうです。

メートルとミリの単位が混在するために少しややこしい計算になりますね。

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ベタ基礎は湿気る?

「何で、1コ1コなんだろう?」
いやいや、1つずつでも、確実に結果を残している、あなたは素晴らしい、ですよ!

もちろん、バンクーバーオリンピック女子モーグル、上村愛子さんの事です。

私達凡人にはコツコツやっても結果が伴わない事なんてしょっちゅうなんですが、一つずつでも確実に上に向かっている、しかも4年と言う長いスパンを通して凄いとしか言いようがないですね。

見習いたいものです。

さて、ここからが本題

「ベタ基礎は湿気るからなあ」と言う話を聞いた事があります。

「何で・・・?」
正直、理解不能でした。

その方曰く、コンクリートに含んでいる水分が蒸発する時に湿気を家の中に発散してると言うのです。

ますます???

じゃあ、実際どうなのか?

私的見解では、逆です。湿気ない、むしろ乾燥すると言いたいです。

根拠、住まい手へのアンケート調査で伺った内容から
木で出来たおもちゃの車のタイヤが前の家では(多分湿気の影響で)動かなかったけど、新しい家ではそれが動くようになった。

他にはヒアリング結果から、喉が渇きやすくなったと言ったお話も聞いた事があります。

そして数値的な参考値も入手出来ました。布基礎仕様の住まいに比較して、相対的に湿度で10%以上も低いと言う結果が出ています。

もっとも同じ室内条件での比較ではないのでこれだけを根拠に結論付けるのは危険ですので、もう少しサンプルが必要な所ですが

ベタ基礎の場合、コンクリート自体の透湿性が低いと言う事もありますが、0では無い事を鑑みると、恐らくコンクリートの底に敷く防湿フィルムの影響も大きいのではないかとも考えられますが、さてこのフィルムは薄い物ですので新しい内は、問題ないと思うのですが、土中にあるために経年の劣化による影響は如何なものか?と心配したくなる所です。

しかし、私共では新築の場合、この仕様での問題は今現段階では起こっておりませんので、経過観察している状態です。

所で、住宅性能表示の床下の防湿措置の項目をみてみますと

基礎断熱工法以外の場合は
厚さ60?以上のコンクリートを打つか厚さ0.1?以上の防湿フィルムを敷く、若しくは前記の2項目同等の防湿性能を有する材料で床下を覆うと言う風になっています。

と言う事は60?以上のコンクリートを打てば防湿フィルムは要らないと言う事ですが、まあフィルム1枚敷く、くらいの手間は掛けましょうよ。

勿論、この基準は軽くクリア出来る仕様の床下環境をつくっていますので、その点は心配ないのですが、そこだけで住まいの性能が決まる訳ではありません。

住まいづくりにおいて注意すべき個所はまだまだ山のようにありますので又追々と綴ってみたいと思います。

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資金計画書

既に所有している土地に住まいを建てるのか、新たに土地を購入してから住まいを建てるのかで、資金計画は大きく変わります。

又、建築工事費以外にも必要な諸経費がありますので工事費が予算内に納まりそうだからと喜んではいられません。

住宅を建築するのに必要な諸経費

・ 金融機関関係
  ローン事務手数料
  ローン保証料
  ローン契約印紙税
  火災保険
  地震保険(任意加入)
  抵当権設定登記登録免許税
  つなぎ融資のための金利、手数料、印紙税など
 
・ 各種の税金
  不動産取得税
  固定資産税
  都市計画税

・ 登記関係費用
  表示登記手数料(その気があれば建築主でも手続きできる)
  保存登記登録免許税+同手数料+同印紙税
  
・ 上水道加入分担金(行政により呼び名が違う)

・ 下水道受益者負担金(行政により呼び名が違う)

・ 引越し費用、仮住まい費用

・ 祭事費用
  地鎮祭時の神主さんへのお礼、上棟時の弁当やお茶、祝儀、工事中の茶菓子の差し入れなど

・ 地盤調査費用

・ 地盤補強工事費用
  地盤調査の結果が悪ければ、地盤補強工事が必要になります

・ 建築確認申請手数料
  昔は行政が書類審査をしていましたが、現在では民間の審査機関でも審査してもらえるようになっています。と言うよりもむしろ住宅の場合は民間の審査機関が主流です。又確認申請のみならず、中間検査や完了検査と言った現場を検査する業務も同時に行い、それぞれに審査手数料が必要になります。
  
ざっと挙げるだけでも諸経費って、こんなにあります。

土地を購入して建物を建てる場合、そして特に予算が少ない場合はこれらの費用も充分に頭に入れて検討しておかないと理想の住まいへの夢が遠くなっていきます。

住まいづくり始めたいけども、何から手を付けていいのか、果たして自分達の欲しい家を建てるには一体どれくらいの大きさの土地が必要なのか、そしてそれはどれくらいの大きさの家になるのか?又予算との関係はどうなの?と言ったご相談、いつでもどうぞお寄せ下さい。

上記の費用シミュレーションも同時に行い、適切なアドバイスもさせて頂きます。

と今回は宣伝的な内容でしたが、実は先程までシミュレーションしていた所で、その流れでブログをUPしています。

少しでも皆様の参考になれば幸いです。

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直下率

ちょっと気になった記事から

本日の建築系情報サイト ケンプラッツ に少し耳慣れない言葉があり、目を通してみました。

「直下率」と言う言葉です。

直下率とはすなわち、木造住宅において1階と2階にあるそれぞれの柱がどれくらい平面的に同じ位置にあるかを示す割合の事を指すようです。

と言葉で説明しても分り難いので少し、稚拙ながらラフな図を描いてみました。

直下率1

 

上の図では梁を挟んで1階と2階では、同じ位置に柱があります。しかしこの状態でも柱や梁は建物自体の荷重(固定荷重)と屋根に乗る瓦や、壁の重み、中に入る荷物や人tの重みを(積載荷重)を支えていますので小さな梁材を使っていると、長い期間の間に梁自体がたわんでくる可能性もあります。

直下率2

 

次にこの直下率で問題となっているのがこのように、上下の階で柱の位置が違う場合です。この場合は前述の荷重以外に柱自体によって梁に荷重をかけているので前者の図よりも梁は余計にたわみやすくなる訳なんですよね。

建築系の方には簡単な事なんですが、ここまで図にすると一般の方にもその違いって分って頂けるのではないかと思います。

でその直下率が低下するって事は1軒の建物で後者の図の個所の割合が高くなっていると言うことなのですが、その割合が50%を下回ると事故の発生確率が高くなっていると言うデータが紹介されているのですが、

 

このようになるパターンって容易に想像できます。

柱の無い広い空間の1階リビングの上階に小さな個室を配置するような場合

田の字型平面の間取りの上階に田の字では無い間取りが乗る場合

など数えればきりがありませんが

 

厳しい意見を述べますと

直下率のチェック云々よりもまず、意匠設計者であっても木造の設計をするなら伏図を描けと言いたいのが正直な気持ちです。

伏せ図を描くということは必然的に材料をどこで継ぐからその下には必ず柱が必要と言う事が判明するはずですし、それが無理ならどうしようか別の方法を考えなければならなくなります。

又、描き方次第で1枚の伏せ図に上下階の柱の位置をプロット出来るようになるので、必然的に直下率が上がって来るようにように思うのですが

木造在来工法の長所に間取りの自由度と言うのがありますが、何を履き違えているのか自由すぎて成立していないプランと言うのもあるようですし、なによりも伏せ図はプレカット図任せと言う意匠設計者の多い風潮がこのような事態を招いていると思えます。

今現在、4号特例の廃止がそこまで迫っている状況でさて、これに対応するにはそのような意識の改革が必要なのでしょう。

4号特例とは、木造住宅の大半がそれに該当していて、建築確認申請時に構造の審査が省略されると言う特例があります。これを概して4号特例と呼んでいます。

 

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つかみ

先日そして今朝の新聞広告をみてふと目に留まった物。

「つかみ」の話しです。

つかみとは人の気持ちを捉える話題や言葉の事です。

私たちが時折開く新築住宅見学会の現場で受ける質問には、住宅の値段の話がしばしば登場します。

私たちは何気に応えてしまう事の無いように注意しています。その家がいくらで出来ているかと言った事は住まい手の個人情報でもあり、簡単にそのままの金額はお教えすることは控えさせていただいていると言う方が正しいのですが、あくまでもザクッとした坪単価でお応えする事はあります。

でもその際の坪単価って本当の単価であって、いわゆる、「つかみ」の単価ではありません。

「つかみ」と申し上げていますのはいわゆる本体単価などと書かれているあれです。

じゃあ、その本体って一体何が入っていて何が入ってないかご存知ですか?

ここで登場するのが、その目に留まった広告です。

以下が抜粋です。

※この坪単価は施行面積115.71㎡(35坪)以上の本体工事価格となります。本体工事価格は施行面積を基に算出しています。施行面積は延べ床、ポーチ、バルコニー、テラス、内部吹抜け、ポーチ階段、外部ふかし壁を含みます。地盤調査(調査結果により地盤補強工事が発生する場合があります)、門塀工事、屋外電気配線、屋外給排水工事、下水道接続工事、雨水排水工事、家具、電化製品、その他諸費用等は含まれていません。

・・・以下省略

つまり、この坪単価では家と言う箱は出来てもそこでは生活は出来ません。若しくはこの坪単価はあり得ません。と言うようにも捉える事が出来ると思います。

最も、上記のような但し書きが書かれているのは分らないでもないのです。

敷地やその周囲の電気、給排水と言ったインフラがどの程度整備されているか、地盤の強度どれ位あるのか?などは敷地毎によって条件も違いますし、読めない部分でもありますので。

 

又上記但し書きには少し難しい専門用語も登場していますので少し解説を

延べ床(面積)・・・建築基準法で謳われる各階の床面積の和と御考え下さい。

施行面積・・・上記延べ床面積に加えて、例えば吹き抜けがある場合などは、吹き抜け部分の床は無いけどもその部分の壁や天井は工事をしないといけませんね。そのように述べ床面積には勘定されないけども、実際は工事をしないといけない部分を言い、ポーチやバルコニー、テラスなどもの面積も含まれます。

ふかし・・・デザイン的な要素としたり、なんらかの納まりの加減で壁の一部分などを膨らませる、若しくは肉付けをする事を「ふかす」と言います。

で、話を元に戻しますが

この「つかみ」単価を見ると随分と安いなあ~と言う印象を受けますが、本体価格と言う言い方もやや反則のような気もします。

 

じゃあそのやり方で、自社物件を坪単価表示して見るとどうなるのか、モデルケースを挙げてシミュレーションしてみます。実際に存在するケースではありませんのであしからず。

仮に、施行床坪35坪、総施行費(工務店さんと住まい手との間で交わされる工事請負金額)2400万円(消費税込み)と言ったケースでのシミュレーションです。

このまま坪単価を割り出すと 約 68.5万円/坪当り と言う結果が出ます。

しかし、上記の広告には含まれていないであろうけども、自社ではほぼ標準的に最初から装備しているエアコン、カーテン若しくはブラインド類、照明器具、外構、地盤調査、そして上記の屋外電気配線、屋外給排水、下水道接続工事、雨水排水工事などを総工事費用の合計約200万円程度を総工事費用から差し引くと 計2200万円。それを35坪で割ってみると

約 62.8万円/坪当たり と言う事になりその差 約5.7万円/坪当たり の差になりました。

そこに諸費用なども差し引くと 坪単価はもっと下がっていくことになります。この諸費用も何を表しているのか曖昧ですね。

つまり何を申し上げようとしているかと言いますと、坪単価はあくまでも結果論であってそこに何が含まれていて何が含まれていないかを良く判断しておかないと、耳障りのいい「つかみ」にのって結果、そのつかみの値段では出来ない事になりますよと言った事なのですが

 

誤解の無いように申し上げておきますが、ローコスト系が悪いと申し上げている訳ではありません。

只、建築業界の商品(この場合は住宅を差しますが)の金額の表示のあり方に問題があるのではないかと言う事、それから住まい手の方には、そう言った「つかみ」だけに乗っかるのではなく良く内容を判断していただく必要があるという事を言いたかっただけなのです。

今回はお盆特別編と言う事で久々に長々と書き連ねてみました。

最後までご一読頂き有難う御座いました。

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速い安い

先日、完成見学会を終えた住まいの近くでは最近、ぽつぽつと住まいが建ち始めています。

直ぐ目の前では、今や全国展開している某有名メーカーの幕が掛かっています。ここはとにかく安さが売り。

見ているとあっという間に住まいが完成していく。2/11の建国記念の日に建前をされていましたが、週末の完成見学会の日には屋根瓦が葺かれ、サッシが取り付き、住まいの外観はほぼ形を成していて、びっくり。

おそらく春先の完成を目指し後、1ヶ月もすればもう入居されている事でしょう。

工期的にはこちらの約半分、先週は竣工前とあって、たまたま1週間の内およそ半分程度この現場に足を運んでいたのですが、来るたびに違う職種が現場に入っています。

何と言う速さ。

兎に角、迷っている暇はありません。

あの速さで物事が進むと、考える余地は一切なしでしょう。決められたレールの上をひたすら真っ直ぐに進む特急電車のよう。

途中で景色のいい場所見つけたからと言って寄り道も出来ないでしょう。

一生に一度の住まいづくりかもしれないのに、少し可哀想かな?何て思えてしまいます。

でも、そうしないと利益の出ない住まいづくりのシステムなのですから、住まい手がそれを良しとするなら、私にとやかく言う権利は無いのですが、少なくともこのブログにお立ち寄りいただいた皆様にはじっくりと住まいづくりに取り組んでいただきたいものです。

 

住まいは工事期間よりも完成後に住む時間の方法が遥かに長く、人生の内で一番大きな出費が必要となります。

お金について、人生について、生活について、子育てについて、食について、趣味について、様々な事を全て包含して考えられる絶好の機会でもあります。

じっくりと、何が自分達に大切なのかを考えてみましょう!

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玩具博物館

ここの所、随分と寒い日が続いています、ここ丹波では今日は今シーズン一番の雪に見舞われています。

そんな中、先日12日は成人の日。はるか昔の出来事に思いを馳せたか否かは別としまして、昨年末予定の「香寺町の家」の1年点検が各者の都合により先日行われました。

建具関係を中心に各所を見てまわり、大きな問題点は無く(たった1年で大きな問題があっては困るのですが・・・)お庭の話や、近況などをお伺いしました。

出来上がったばかりの何も家具が入っていない状態とは違って、色々な物が入っても良い感じで住みこなして頂けているようで、なんだか嬉しい訪問でした。

別件の夕方の打合せまで時間もあったため、昼食後、気になる照明器具があったと伺っていた、玩具博物館へ。

幸いにも、香寺町の家の直ぐ近くでロス無く時間を有効に活用できた。

そんな玩具博物館を少し紹介。

玩具博物館5

 

切り妻屋根のなまこ壁の蔵のような建物を守るように植えられた生垣の間から遠慮がちに覗いた木戸が入り口。

玩具博物館

 

未だ、門松も立てられ、どこが入り口かと少し戸惑いながらもガラッと戸を開けると受付があり、一安心。

玩具博物館3

 

一旦受付のある棟を一回りすると建物の外へ出て他の棟へ移動する、面白い順路で複数の建物に囲まれた中庭と上のような路地はひっそりと安心感のある空間です。

玩具博物館2

 

肝心の展示物はと言いますと、上のように昔懐かしいブリキやセルロイドで出来たキャラクター人形が新しい玩具の部類で、木のコマ、メンコ、剣玉、ビー球など非常にローテクながら、実際に体験できる玩具も用意されていて、長時間滞在しても楽しそうな場所でした。

時間の約束もあったために、そこそこに切り上げましたが、中でも私の目を引いたのがコレ↓

玩具博物館4

 

デンマーク製のパズルです。

どの形が正解と言う訳ではないようで、白と緑のブロックを使って色々な形を作りましょうと言う物のようです。

 

ひっそりと静かな博物館ですが、比較的来館者も多く、お土産に実際の一部の玩具も販売されています。

日本玩具博物館

 

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来ました。

先日、来ました。

「終了証」なるものが

先月、受講した管理建築士講習の受講終了証です。

終了証

 

何せ、朝9時過ぎ(丹波から神戸までは電車で行こうと思えば2.5時間は見ておきたいところですが、時間にはゆとりをもって行動する私としましてはもう少し余裕を見て家を出ました)には神戸に着いていないといけないと言う、大層な思いをして受けに行った講習です。

この管理建築士と言うのは事務所開設する上で、建築士資格を有する者を責任者として必ず定めなければならないと言うもの。

これは、新たに定められたものではなく、これまでもあったものですが、耐震偽装事件以降の一連の建築関連の法律改正により、これまでよりも、より厳格化された内容ではありますが、関連する諸法律も含め、少し人間味に欠けるものではないかと感じたりするのは私だけではないはず。

行政へ事業年度ごとの業務報告(一般の方が閲覧する事も出来るようです)、設計監理契約時の重要事項説明など、新たな業務が付加された建築士法などますます我々の業務が煩雑化しますが、何とか対応していかねばなりませんが、唯一好感を持てたのは建築士免許証のサイズ変更。

これまでA4サイズの賞状のような大きな物でしたが、新しいものは運転免許証サイズだとかで携帯できるようになります。(古い賞状サイズのままでも有効らしいです)

と言っても、水戸黄門の印籠のような効果は発揮しないでしょうけども、契約時に免許証の提示が義務化されるとあっては、やはり免許証サイズが便利かな?と思いますので、早速切り替えてみるか・・・。

えっ何、切り替えは有料!

まっ、そりゃあ、そうでしょうね。一体いくらかかるのだろうか?

それは、又の機会に・・・。

 

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