昇りたくなる
先日、完成写真撮影を終えた「駅前の家」
こちらの住まいはプランの関係で
工事前と比較して階段の向きを
180°逆にしています。
1階と2階のつながりを持たせることが
狙いだったのですが、階段を通じて
暖気が2階に逃げていってしまっては
勿体ないので階段室への出入り口には
開き戸を設けています
しかし、階段の向きを変更しなかった場合
1階から2階へ行くのに一度部屋を飛び出して
階段を上がり2階へ至ることになるので
やはり、階段の向きを変えたことは
正解であったと思います
そして、この階段幅は少し広めで
勾配もゆったりしたため、非常に安全に
昇降できます
おまけに1階から2階へ上がる際には
2階の廊下の先に設けた扉から
明かりが降り注ぎ、まるで
「2階においで」と誘われているような感じもします
〇〇調
「〇〇調」、「〇〇風」と言う言葉は
建築の世界では良く出てきます
でも、特に設計者の中ではこれらの言葉
あまり良い意味で受け取って貰えないと思います
偽物、模擬、そのような意味合いで
受け止められると言うのが理由のように思います
そのため、私もこのような言葉や商品は
あまり好きではありません
しかし、今回ついに使ってしまいました
「木目調」
これまで自論で、本物の木の近くに偽物の木を用いると
より偽物感が増幅されて変だよ、と説いてたのですが
近頃の木目調は結構、精度が向上しているのか
若しくは、面積的に小さいためか
今回の木目調は意外にマッチしていました
「丁寧に暮らす家」の現場
写真奥に写っている3灯のダウンライトが、その木目調です
ウォルナット色と記載されていました
これまで白か黒程度しか選択肢が無かったのですが
白木調、ウォルナットと木目柄の選択肢が
2種類増えていました
この空間には、黒よりも木の色に近い
ウォルナットで正解だったように思います
天井高さ
「丁寧に暮らす家」のリビングダイニングに
該当するスペースは、天井高さを抑えています
日本の家の平均的な天井高さは2.40mくらいと
されていますが、その由来は正直分かりません
通常よりも低い天井高さで圧迫感を感じないのか?
と思われるかもしれませんが
身長1.76mある私は、低いと感じたことはありません
同じように1.80m以上の身長の住まい手さんにも
同じ程度の天井高さで、どのように感じるかを
尋ねたことがありますが、低いとは感じない
との返答でした
その理由は定かではありませんが
天井まで目一杯の背の高い窓
そして、シーリングライトと呼ぶ
天井面にデカデカと存在感のある照明器具を
付けないことも、その理由の一つのように思います
見積書は中身を見よう
工事見積を複数社から取ったにも関わらず
総額だけを見て、一番安い業者を選択する人は
必ず失敗します
何故なら、このような人は中身を見ていないからです
先ほど総額と書きましたが
殆どの場合、総額は見積書のトップページか
その次のページに必ず登場します
しかし、それ以降のページを見ようとしない
それで本当に大丈夫ですか?
その金額は消費税込み表示ですか?
もしかしたら税抜き表示と言う場合もあります
まあ、それくらいは確認されるかもしれませんが
中身を見ないのは愚の骨頂です
例えば、アマゾンや価格コムなどで最安表示であっても
送料を込みにすると、別会社の方が安かったと言うことは
大いにあります
見積もりの中身を見ないのは、それと同じことをしている
と言うことに過ぎません
そんなこと言ったって、分厚い見積書の中身なんて
分かる訳がない、と思われるかもしれませんが
その分厚い見積書を作る労力がどれだけ掛かるのかを
理解すれば、もう少し関わり方が違ってくるはずです
見方が分からなければ、説明を求めればいいのです
で何が含まれていて、何が含まれていないかを
比較することになるのですが
各社で見積書の表示方法が微妙に違っているため
真の比較と言うのが結構難しかったりします
でも、おおよその流れは比較できるため
中身を吟味する意味は大きいのです
又別の日に見積り書の見方について
解説したいとは思います
もっとも、これは見積もりの条件が各社で揃っていることが
条件なので、各社がメイメイに見積もった物を
同じ土俵に乗せて比べても意味はありません
灯がともる
「駅前の家」も月末引き渡しに向けてラストスパートです
今日は、ガレージ部分の土間モルタル押さえと
内部では水回りの床仕上げ工事
先週と比べると照明器具が取り付けられたため
暖色の灯がともった室内は
これまで、あくまでも工事現場でしたが
生活を想像出来る空間へと近づいています
内装を剥がしてみると
当初、目論んでいた天井の高さを確保できず
止む無く、設計変更した1階のLDKですが
(リノベーション工事は開けてみなけりゃ分からないこともあります)
変更したことが功と出たかもしれません
キッチンが据え付けられて一気に完成が近づいた感も湧きます
そして、こちらは一部養生が剥がされた階段
階段を上がりきった先にあるドアからの神々しい
光を見ると2階に導かれるように上がりたくなります
Jパネル
「丁寧に暮らす家」で採用したJパネル
Jパネルとは杉板を繊維方向が直交するように
三層に貼り合わせたパネルの事で、
耐力壁パネルとして用いることも
意匠用に用いることも可能な便利な材料で
今では杉以外の樹種でも同じような商品が出ています
当方がJパネルを採用するのは、かなり久しぶりのはずで
何故、こんなに間が空いたのかは自分でも分かりません
リノベーションの今回は、主に意匠用に採用してみたのですが
上小節の杉の床板の上品な空間に馴染むように腰板として
用いています
写真が、Jパネルです
既に使用サイズに切断した状態です
この商品は実(さね)がついているタイプです
パネル小口を見て頂くと3層になっていることが
分かると思いますが両端の板は繊維方向が同じ向きですが
間に挟まれた真ん中の板は繊維方向が直交しているため
木の特性である、反りに対しては比較的強いと思われます
しかし、建具に使用したことがある同業の方の
話では、建具として使用する場合は、かなり反りが
出るとのことでしたが、随分以前の話ではあります
さて、次回現場定例の時には、どのようになっているかな?
様々な木の使い方
連休中に、住まい手さん自らが2階各室の塗装工事を終えた
「駅前の家」、クライマックスに向けて
本工事も大詰めです
今日は家具兼建具屋さんが現場に入っておられました
大体、家具や建具は工事の最後の方になります
既に大工工事は、ほぼ終えていて
残すは設備機器の設置が大きな所です
こちらの住まいの工事は
内部が主役で、樹種数こそ多くはありませんが
使い方を様々に変えて
空間が単調にならないように試みています
一つ目は昨年、「バイクガレージのある平屋」でも
採用した杉板を縦貼りしたキッチンカウンターです
杉は産地によって少し表情が変わるのですが
どちらも同じ兵庫県下と言う事で、似たような感じになっています
続いて、こちらはベイスギ(レッドシダー)を
テレビ台の背面壁として採用した例です
こちらも同じ「スギ」と名がつくのですが
比べて頂いても差は歴然で、色味の違いの大きさが
特徴で水にも強いとされている木ですので
屋外に用いることもあります
近寄ると、エンピツの香りがします
そうエンピツに使われている木です
そして、こちらも杉ですが
木刷りと言って塗り壁の下地などに用いられる
表面が粗いままの状態の材料です
今回は、これを下地で無く天井の仕上げとして
採用しています
手に触れない個所なので粗いままでも全然大丈夫
綺麗に仕上がっています
そこの断熱施工も、お忘れなく
「丁寧に暮らす家」の現場は部分リノベーションです
全面を丸裸にする工事とは少し違い現況のままの部分と
新しくなる部分が混在します
このような場合、プロの作り手であっても
意外に忘れてしまいそうな断熱個所があります
下屋と呼ぶ部分の天井裏の断熱です
下屋とは2階建ての住宅の場合に
間取り的に見て、2階よりも1階が出っ張っている部分には
当然、1階にも屋根が出来ますね
この部分を「下屋(げや)」と呼びます
壁と床には、結構神経を配って施工するのですが
うっかりと忘れ勝ちのこの部分
しかも断熱材で外気と接する部分を
しっかりシャットアウトしたいので
より厳重に施工しています
写真の白い物はボード状の断熱材です
この断熱材の向こう側は2階の部屋が存在します
今回、2階は工事をしないので1階の部屋を外気に
面しないようにするにはどうすれば良いかを
考えた結果、この白いボード状断熱を
天井裏に入れる200㎜厚の断熱材の受け材としても兼用させることで
1階の空間が理論上、外気とは接しないことになります