断熱工事の前に

年も明け、「TATAMIリビングの家」の現場も動き始めました。 現場では屋根工事もほぼ完了し、外壁下地工事、内部では断熱工事に先行して電気配線や各所への穴あけ工事が行われています。

こちらの住まいの壁面にはセルロースファイバー断熱材を使用するために後で穴空け施工が難しくなります。

従がって壁面に穴あけが必要な箇所、エアコン配管や換気扇、壁内に埋設されるスイッチやコンセントボックス類が先行されています。

こちらのお住まいでも、当然Q値、μ値計算を事前に行っていますが、いくらこの数値が良くても陽が射さない事には性能云々も論外となってしまいます。

しかし、こちらのお住まい、南側隣地の建物が近く、背が高い、敷地に充分な南側空地を取り辛いなど、日照条件がやや良くないのですが、それでも僅かな隙間を狙って何とか陽射しの確保に努めました。

吹き抜けから射す陽射し

吹抜上部には材料が置かれているので陽射しが遮られていますが、これらが片付けばもう少し陽も射す事と思います。

吹抜

その吹抜上部の開口です。

床に板が並べられている部分は吹抜となり、そこから階下に陽を導こうと計画しています。

Read More
未分類 Narito Ashida 未分類 Narito Ashida

解析

先日の続きとなる部分もありますが Q値(熱損失係数)を計算してみて分る傾向があります。

ウチで設計させて頂く多くの住まいは屋根面の構造体や垂木が見えています。即ち屋根面は躯体の外側で断熱を考えているのですが、これ熱損失を考える上では意外に難しいのです。性能の高い断熱材を使ってようやく部位別の性能をクリアしていたり、時には屋根面の性能だけでは基準をクリア出来ないけども建物全体でクリアさせると言う、総合評価を下さいないといけない時もあります。

屋根面の性能が少し弱いと言う事は即ち、冬場よりも夏場の熱気が屋根面近くに溜まりやすいと言う事ですので、その熱気を外部に排出するための仕掛けが必要になる訳です。

小さくても高窓を設けると言う手法が最も安価で手っ取り早い方法ですが、他の手法とも組み合わせながらASHIDAスタイルの家は進化し続けます。

Read More
その他諸々 Narito Ashida その他諸々 Narito Ashida

うん、居たよ。

前回の応答文? では、ありませんが。

同じ庭先に指の太さ程度の穴が3つ、かなり深くまで続いているようにみえます。

抜け穴

何の穴だろう?

そう、これからシーズンに突入する生き物です。

セミ、地中で一生の大半を過し、地上に出て短い人生を終える。

はかない生き物です。

さて、夏本番。

そう言えば、Q値(キュウチ)、μ値(ミューチ)の話が延期されていましたね。

「冬暖かくて夏涼しい家」と言うのをお聞きになられた事があるかと思います。

住まいが、冬暖かいと言うのはお日様の光、室内で使用する暖房器具や人体の発熱、調理などから発せられる熱などが外に逃げていき難いと言う事なのですが、その熱の逃げやすさ(若しくは逃げにくさ)を表す指標の一つがQ値(熱損失係数)と言い、値が大きいほど熱が逃げていきやすい住まいと言えます。

逆に夏涼しいと言うのは、風が通る事も勿論ですが、暑い陽射しが、室内に侵入し難いように軒を延ばしたり、庇を設けたりする工夫が必要です。そしてμ値(日射侵入率)と言うのは、夏の陽射しが室内に侵入する割合を示し、数字が大きいほど暑い陽射しが沢山室内に入ってくる事を現します。

つまり、エコや省エネを漠然と言葉にするのでは無く、数字と言う根拠を持ってこれらを表示する事で、信用性の高い性能を示す事が出来るようになる。即ち定量的に住まいの性能を計れると言う訳です。

ごく、簡単に説明をしましたがこれらは、業界の中でも、そんなの単なる数字の遊びだよと、胡散臭がる方も沢山いらっしゃいますが、そうでは無くて、きちんと自分達がつくっている住まいのスペックと言うものを示せる。

その必要性を感じ、私共も取り組んでいます。

Read More

模型3体

ゴールデンウィークも明日で終わり、最大10連休と言う羨ましい方もいらっしゃったとか、いらっしゃらなかったとか、しかし高速道路の無料化実験も間もなく終わるという事で、大変な混雑も見られたようですね。 さて当事務所は、と言いますと主に模型製作に追われた連休となりましたが、計3体の模型が完成しました。

と言っても内1体はスタディー模型ですので手軽に作れる物でしたが、それでも他2体はプレゼン用ですのでスケールアップして作り込むと、それなりに時間も掛かります。

模型3体

しかし、全貌は未だ見せられません。何せプレゼン前なので、ひとまず真上から。

それにしても震災後、暮らしのエネルギー利用に対する広告のあり方がここぞとばかりに、初期投資の必要な、ややアクティブな手法ばかり目立って来たようにも感じます。

これは大手と呼ばれる造り手や企業がここぞ、とばかりに広告効果を期待し投資している事は言うまでもありません。

只、これらは未だ解決するべき問題やコスト、効率性が充分とは言えないように思いますので、もう少し建物自体で省エネルギー性能を高める方が賢明と考えます。

当事務所での震災前からの取り組みではありますが、Q値計算(熱の逃げやすさを示す指標)を行うのも、その一環であります。

日経アーキテクチャー最新号では吉田兼好の「夏を旨とすべし」と言う住まいのあり方に疑問を唱えられています。

夏は熱帯、冬は欧州並みと言う両極端の日本の気候を鑑みると、体毛が薄く発汗機能が発達している人間は暑さは得意で、反対に寒さには大きなハンディを背負っている、とあります。(だから冬は沢山の服を着込んで暖をとろうとするのでしょうね)

そして、むしろ日本の住まいは「冬を旨とすべし」と言う面白い展開をされている事に目が行きました。

これは私自身、北近畿丹波に住んでみて感じた事とほぼ同じで、1年の内で、11月頃から暖房器具を用意し、そしてつい先日まで朝夕に暖房器具に頼って生活する我々には正にその通りなのでは?と思った内容でありました。

又次号以降もこの特集は続くようですので、期待して読み進めてみたいと思います。

Read More
ありがとうの家 Narito Ashida ありがとうの家 Narito Ashida

裏付け

「ありがとうの家」のQ値計算。 Q値とは熱損失係数の事で、建物の色々な部位(屋根、壁、床、窓、換気など)から逃げていく熱量を建物の床面積で割った値で、建物の省エネルギー性能を表現する方法の一つです。

このような概念で建物を考える事は、まだまだ浸透していないのかも知れませんし、多分建築業界の中でも数字で物事を考える事に、批判的な方もいらっしゃいますし、数年前までの私も実はそちら側の考えでした。

しかし、これは数字で物事を考えているのではなく、あくまでも漠然と設計を進める事を予防するための裏付けなのです。

例えば、断熱材を分厚くすれば、性能が良くなるのは当然ですが、しかしその分厚くとは「一体何㎜やねん?」

もしかしたら必要以上に分厚くし過ぎていて、過剰なのではないか?即ち余計なお金を掛けているのではないか?と言った事を予防するための過程でもあります。

又、意匠設計者が陥りがちな一例として、屋根を極力薄く見せたいがために性能をおろそかにして断熱材を薄くしすぎると、夏めっちゃ暑い家が出来てしまうと言った事もあります。

それを予防するためには屋根を薄くしたいけども、じゃあどこまですれば性能との両立を計れるのかと言った裏付けにもなります。

良い家、(住まいだけではありませんが)良いデザインにはちゃんと裏付けが必要なのです。

勿論、性能を担保するには、きちんと施工されているかを確認する監理と言う行為が重要な事は言うまでもありません。

Read More