御引渡し
オープンハウスを終えて週末は「縁望の家」の御引渡しでした。 当初リノベーションからスタートした今回の住まいづくりも、いよいよ住まい手さんにバトンタッチです。
毎回の事ですが、ひとまず私たちが関われるのは、ここまで。
後は、住まい手さんによって家に味付けをして頂くこととなります。
それぞれのご家庭の味が存在するのは当然で、良い味出てきましたね~、てな具合に住みこなして頂けると設計した者としても微笑ましい事でしょう。
長く関わらせて頂いた分、ご家族の皆さんとお会い出来る機会が減ることは名残惜しいですが、これもこの仕事をしていく上では仕方の無い事です。
又、お目にかかれます日を期待しながら次の仕事へと向かいます。
「縁望の家」を振り返る 最終章
さて明日、明後日オープンハウス直前ですが、振り返るシリーズも最終章です。 最後は「縁」について、説明を加えて行きたいと思います。
しかし、その前に少しだけ性能面の説明をさせて頂きます。
こちらの住まいも他物件と同じように環境性能を示す指標としての計算を行いましたので結果を報告致します。
熱損失係数 Q値 2.26 W/㎡K < 2.7 W/㎡K (次世代省エネ基準)
暖冷房などによる熱が屋外へ逃げて行き易さを示す値で、数値が小さい方が性能が良いとされています。但し現在はQ値を改めた指標を用いられるようになりましたが、浸透度では未だQ値の方がメジャーと言う事で敢えてQ値を使用しています。
夏季日射取得係数 0.035 < 0.07 (次世代省エネ基準)
夏季にどれだけ屋内に日射が入るか、即ち数値が高いほど夏の陽射しが屋内に入り込むので屋内の温度は上がる傾向にあり、それを和らげるためにエアコンなどの力を多く借りる事となります。
以上が計算値に基づく値ですが、あくまでも計算ですので、如何に施工がきっちりされるかを現場で確認しないといけません。
さて、前置きが長くなりましたがいよいよ「縁」について
こちらの住まいでは南東のコーナーに設けた縁が住まい全体の面積の1割近くを占める非常に贅沢な一角となっています。しかし、これはこの住まいにとってはどうしてもなくてはならないものと思いプランニングに落とし込みました。
南東の景色が良い事が大きな理由ですが、それだけなら開口部をこちらに設ければ必然的に目に飛び込んできます。しかし、前記に記したように室内環境のコントロールと言うのも私の設計では非常に大きな要素です。
その意味で昔の日本家屋の造りは非常に良く考えられたものと言えます。しかしその欠点は隙間だらけで冬はどうしても我慢して生活しないといけません。それらを改善すると言う意味で、前記に挙げたような環境設計も有用な要素となる訳です。
庇を設け陽射しや雨を避け、その下に出来た空間を第二の部屋として屋内外を結ぶ有用な役割を担わせました。
タイミング悪くベストショットが撮れませんでしたが、屋内外の関係を示す1枚です。
縁側は奥行き1.82mありますので、非常に懐の深い空間が出来ました。
軒裏は構造体がそのまま見える明快な構造としています。一定のリズムで設けた垂木ですが、このリズムを変えたりする事でまた違った表情になる事も、構造体を見せる醍醐味となります。
この縁側にブランコを付けたり、縁に座ってスイカを食べたり、昼寝をしたりと様々なシーンが連想されますが、何よりも内部から眺めるシーンが、一番落ち着くのでは無いでしょうか?
是非、今回のオープンハウスでは、そのシーンを御体感下さい。
これにて、振り返るシリーズを最後と致します。
皆様のご来場をお待ちしています。
「縁望の家」を振り返る その4
さて、振り返るシリーズも第4回目 次で振り返るシリーズは一旦終了ですが、今回は外観編
住まいに用いる外壁材には色々ありますが、左官系、塗装系の材料ほど様々な表情に変化する材料は無いのではないかと思います。
勿論、当方の場合は外壁、屋根共に通気工法を採用しますので工程が増えると言うのも理由の一つですが、通気層を設ける事は即ち、建物の寿命に影響すると言われますし、実際専門誌などでも通気層を取らなかった事による短期劣化の報告も挙げられています。
写真は、既に通気層を設けた上に外壁の下地となる木ズリと呼ぶ板を貼った状態です。この時点で構造体本体と木ズリ板との間に少し空間が開いて1重目の防水施工も施してあります。
そしてこちらは、先ほどの木ズリの上にアスファルトフェルトと呼ばれる防水紙を貼った状態で、この上からモルタルを塗るための金網を貼り付けていきます。これで外壁は二重の防水措置がされている事になります。因みに、屋根も同じように二重に防水措置を施すのが標準仕様としています。
そしてこちらは、一度目のモルタルを塗った状態です。一度と言う事は当然二度目がある訳ですが、一度に分厚く塗ってしまうとひび割れの原因になるなどが、起りますので一度目を塗りある程度乾かしてから二度目を塗る作業になります。
二度目のモルタルが塗り終わると、このように綺麗に外壁が仕上げられます。
しっとりと落ち着いた外観と木の表情もばっちり。
白、黒、黄土色の3つの候補の中から、この地に一番馴染む色と言う事で推薦させて頂きましたが、ばっちり正解と思いました。
さて、振り返るシリーズも次で閉めとなります。
オープンハウス直前に相応しい内容となりますように、今から練って参ります。
「縁望の家」を振り返る その3
さて、今週末のオープンハウスを控え、振り返りシリーズは着工編です。 てこずった建築確認申請などの書類事でしたが2月中に何とか交付され3月、無事着工へ向けて動き始めました。
まずは建物の位置を出すための地縄張り、方位に従い建物を配置したために、敷地と平行な部分がありません。
位置が決まれば、基礎工事ですが、その間にやらなければならない事が
新築では大事な「選木作業」
木の家は如何に木が綺麗に見えるかが勝負。と言って、節の無い綺麗な材料ばかりを使ってしまっては、値段もボンと跳ね上がります。
ですので、同じ等級の材料の中で如何に見せるか、隠すかの作業をする訳です。
大きな一括りの材料一通り全て目を通し、○△× を付けていきます。×印の物は使わないのでは無く、見えない壁の中に隠れる位置で使います。
△が付いた物は、○を優先的に使い、それでも足らない場合、△の中から使えそうな物を選ぶようにした物です。
そして、○と言いながら何も印は付いていませんが、ご覧のように綺麗な材料は優先的に目に見える位置に使う柱です。
そして、こちらは梁。今回は杉と桧を適材適所に使い分けています。
そのように下ごしらえされた材料がいよいよ、お目見えしたのが上棟の日です。
平成25年4月18日、無事上棟。
この辺りでは風習として、竹と共に、ご覧のような長い吹きさらしが風になびき、上棟した事を表現するそうです。
振り返りシリーズも、後少しとなってきましたが、次回は大詰めに差し迫って参ります。
オープンハウスの詳細は こちら からどうぞ。
「縁望の家」を振り返る その2
さて、そんな敷地に用意させて頂いたプランは計2案 一つは現プランの原型となった案と、もう一つは東西に長くつまり各部屋が南面に向き合う形態を取ったものです。(模型写真参照)
後者の、即ち写真の案も捨てがたかったのですが、各部屋が南に向くのですから必然的に縁側は南面のみ、敷地の間口目一杯に展開させているために後ろに建つ既存の倉庫からの物の出し入れなどから考慮し結果として、現案の元案を採用頂く事となりました。
採用となった案は南北に長い敷地に馴染むように建物も南北軸を長く確保し、大屋根+下屋の形状と、東南のコーナーに奥行き約1.8mの縁側を設けています。結果として、この縁側は住まいのシンボルとなり懐の深いゆとりある空間を生んでいます。
さて、次回はいよいよ工事開始~を振り返ります。
オープンハウスの詳細は こちら からご確認下さい。
「縁望の家」を振り返る その1
さて、8月10日(土)、11日(日)のオープンハウスまであと僅かとなりました「縁望の家」ですが、そのオープンハウスを前に、これまでを少し振り返ってみたいと思います。 オープンハウスの詳細は こちら からどうぞ
初めて、お会いしたのは2011年の10月末、当初は今お住まいの建物をリノベーションしようと言う事からスタートしたのですが、紆余曲折を経て別敷地即ち、現在の場所へ新築しようと方向転換となったのでした。
敷地は北側に隣家が存在するものの適度な距離を保っています。西には村の道路が、南東は田畑が広がり、ほぼ遮るものが何もない好条件の場所です。
何よりも、1時間に1~2本程度、敷地の東側に現れる1両編成のローカル列車がノスタルジックな雰囲気を演出しています。
上写真は敷地南側の水田。山は遠く、近くは小高い丘ですので、日当たりばっちり申し分ありません。
そして、敷地の東側には北条鉄道の1両編成のユニークな車輌が時折、通過して行きます。
そんな敷地に用意させて頂いたのは・・・。 次回へ続く
温度測定結果(続編)
前回に続き、今週も屋根面の温度測定を実施しました。 足場の加減で比較出来るのは、恐らく今回が最後と思います。
今回は、測定器の記録を公開します。
先日の、計測時間帯のアメダス観測ポイント(福崎、三木、西脇)における平均気温は29℃~30℃の間でした。
さて、結果は
少々見づらいですが、青が気温、赤が湿度。
縦軸に温度、湿度を示す値で最高値が60、以降1横線ごとに数字が10ポイントずつ下がります
横軸は時間の経過で午前11時頃計測開始、以降1縦線ごとに1時間経過していて、15時頃に計測終了しています。
最初は、黒に近い色の屋根から計測です。
湿度(赤線)が気温を逆転している所からスタートしていますが、車から機械を取り出した瞬間に機械が反応したのかもしれませんので、その辺りは無視して、気温にして40~50℃の間をウロウロしているのが分ります。
ここで計測をストップさせると、新たな計測結果が上書きされるので、計測を続けたまま車に積み込み、12時過ぎから13時頃まで移動及び昼食。
再び13時過ぎから計測開始、シルバーの屋根では開始と同時にぐんぐん温度が上昇し、ついには60℃を超える時間もあります。
日が照ったり曇ったりでしたので、随分とばらつきのあるデータとなりましたが、その差はおよそ10℃前後と、前回の終日好天の計測と大して変わらない結果が出たのではないかと思います。
2回の計測で同じような結果が出ましたので機械の異常ではなく前回の考察通り、反射温度を拾った結果が出たのだと思います。
上のグラフが少し見辛いので、PDFファイルを公開します。 → 130718温度測定
さて、そんな「縁望の家」のオープンハウス日程が決まりました。
詳しくは、 こちら からご覧下さい。
屋根面温度測定結果
先日いずれも現場進行中の2つの現場において、屋根面の温度測定を実施しました。 そもそも、この2つの現場の屋根には同じ厚みの鋼板を使用しており、しかもどちらもほぼ南へ下った勾配屋根の形状、周囲の障害物による影響を受け難く、建築地域も加西市と西脇市、車移動でおよそ30~40分程度の距離にあり、ほぼ地理的差異が少なく、比較の上でも好条件と言う事で実施した測定です。
おまけに、両現場共に未だ足場が設置されているとあり、屋根までは支障なくアプローチ出来ます。
唯一、違うのは屋根に使用した鋼板の色、片やギングロと呼ばれる、黒に近い色、片やシルバー色で、屋根の上ではやや照り返しが強く感じます。
メーカー発表の熱線反射率にしてシルバーの方が40%ほど高く、さてこの数字がどのように測定結果に現れるのか、興味津々でした。
さて、その結果や如何に、皆様はどう思われますか?
私の予想に反し意外な事が判明しました。
と言うか思い込みが招いた無知と言うべきかもしれません。
一般的には黒の方が熱をより吸収し熱くなるので当然、黒の方が温度が高いとイメージされるかもしれません。
間違いではないのですが、測定結果では逆の結果が出ました。
と言うのも、温度計は屋根表面の温度を測りますので鉄板に当り、照り返した後の温度を拾ったようで、反射率の高いシルバーの方が測定結果が高いと言うデータが得られました。
上がギングロ(黒に近い) 午前11時10分頃から約40分間測定
下がシルバー 午後12時30分頃から約40分間測定
出来るだけ条件を整えるために測定時間帯の差も少なくしました。
温湿度センサーはケーブルの先にある物で、鋼板の上に直接置いています、滑り止めのためにタオルの上に載せているのはレコーダーです。
この時間帯の両測定ポイントから最寄のアメダスデータでは、この時間帯どちらも、ほぼ外気温約33℃、現場最寄の測定ポイントの風速、上4m/s、下2m/s
上ギングロの現場、体感ではやや心地良い風が吹いていました。
又測定機械の特性上、下シルバーのデータしか残りませんでしたが、測定時間内には最高59℃位まで温度が上がっている時間帯がありました。
上も同じように記録が残っていればもう少し正確な事が言えたのかもしれませんが、先日の結果では、およそ7~15℃の温度差が生じた事になります。
しかし、この温度差をそのまま読み込んでしまうと誤った解釈になりますので、ここからが結論になりますが
鋼板外側ではこれだけの差が生じましたが裏側では、この差が逆転すると解釈しておかないといけません。
つまり、シルバーは熱を反射させ、黒は熱を吸収するために室内に侵入する熱の量も多くなると言う事だと思います。
それらの事も鑑みながら、屋根面の断熱計画を進めるが必要となります。
幸い、上のギングロの現場では屋根面に太陽光パネルを載せますので、何も載せない場合に比べ、太陽光パネルが室内に侵入する熱を遮る、副効果とでも言うべきかもしれjませんが、屋根に近い2階の温熱環境が断然良くなります。
これは既に前例があり、私も体感済みですので、はっきり断言出来ます。
さて足場がもう少しの間、存在しますので天気が良ければ後1~2度、この測定を試みてみようと思います。
6月スタート
今週も無事終えて、今日から6月。 はやいものです、今月が終わると1年の半分が過ぎたことになります。
ここで年始に立てた目標が早くも崩れつつあるので、一度立て直しを図らないと、このままズルズルいきそうでコワイ今日この頃です。
さて、現場もそれぞれ動いておりますが
まずは「縁望の家」
外部の大工工事は、ほぼ終えており内部へと場が移っています。
サッシも取り付き、縁側の屋根も完成しています。正面は既にサッシが入っていますが、フレームレスに見える納まりとしています。ガラスだけ割らないように気を付けてもらわないといけません。
次に「YKITハウス」は基礎の立上りコンクリート打設に向けて型枠が組まれていましたが、この時期雨によって1日だけ作業が出来なかったそうです。
続いて「須磨区のマンションリノベーション」も設計は大詰め、見積前の打合せを終えて少し図面を修正です。
「発展する家」工事スタート待ち
「桜・天空の家」見積内容調整中が続いています
「哲学の家」設計進行中
と続きます。
進行中と養生中
「縁望の家」と「YKITハウス」共に工事は始まっていますが、進捗状況では「縁望の家」が先に進んでいます。 工事が始まれば、常に現場が動いているか?と言うと実はそうではなく、特に基礎工事などコンクリート工事が関係する場合は養生期間と呼ばれる、現場が動かないように見える期間があります。
コンクリートを打てば直ぐに強度を発するか?と言うと実は使うコンクリートの種類や打設時期、外気温などによって所定の強度に達するまでに時間は変わります。
一般的には気温の高い夏場の方が早期に強度が出やすいと言われていますが、夏場のコンクリートを打った後では、外気の暑さ+コンクリートが硬化する時に発する水和熱と言う熱によって、気温以上の暑さになります。
ですので、夏場コンクリート造の建物の現場ではサウナ状態を覚悟しないといけません。
かと言って、半袖半パンと言ったラフな格好は怪我の元ですので絶対に禁止です。
現場とは、それほど過酷なものなんですよ。
上写真は「縁望の家」外観
そして、こちらは敷地造成中の「YKITハウス」。
擁壁のコンクリートが打たれた後、養生中です。
大きいなぁ
5月と言うのに未だ寒い、おまけに未だストーブが出ている当事務所です。 毎年、そろそろストーブは仕舞って空焚きなどしている頃ですが、いつまで必要になるのでしょうね?
そんな5月の始めは2つの現場で打合せと確認と
「縁望の家」では上棟後、順調に工事は進み、次回は中間検査を受けます。
中に居る時は、さほど感じませんが、一旦外に出て引き目に見ると、「この家大きいなあ」と感じるのは、屋根の長さが手伝っているのかな?と思います。
そして、もう一つの現場、「YKITハウス」では敷地の造成工事が進んでいます。
建物の規模はさほどでも無いのですが、敷地の造成作業を眺めていると、「どれだけ大きな家が建つんやろう?」と近所の人たちは思っておられるかも知れませんね。
竹やぶの向こう側は国道、かなりの交通量ですが1本道を外れると、このように長閑な景色の場所です。
実は、この2つの現場1本のルート上に存在するので、現場監理の上では非常に有難いんです。
ナイスタイミングで工事が始まっている、つまり、ついている事に感謝し又監理に励みます。


























