一度きりの真剣勝負。高校野球に学ぶ、後悔しない家づくり
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夏の甲子園も、いよいよ明日の決勝戦を残すのみとなりました。
私も約40年ほど前は白球を追っていた高校球児でしたのでこの時期、自然と甲子園の試合には目を奪われます。
本日行われた準決勝、智弁和歌山対横浜の一戦は、7対1で智弁和歌山が勝利。優勝候補の一角と目されていた横浜高校は、28年ぶりの決勝進出を目前にして姿を消しました。
先発した横浜のエース・織田投手は、最速157キロを誇り「令和の怪物」とも称される超高校級の右腕です。
前日までの試合でも圧倒的な投球を見せてきましたが、中1日での連投という厳しい条件のもと、無念のマウンド降板となりました。
どれだけ実力があっても、たった一試合、数球の巡り合わせやコンディションなどで結果が大きく変わってしまう。
そして負ければ、それで終わり。これが高校野球の厳しさです。
実は、この「一発勝負」という構造、家づくりにもよく似ています。
家づくりも、やり直しのきかない一発勝負
多くの方にとって、家づくりは人生で一度きりの大きな決断です。
何千万円という費用をかけ、何十年と暮らしていく場所を決める。
しかも、一度建ててしまえば、あるいはリフォームしてしまえば、簡単にはやり直しがききません。
「もう一度試合をやり直したい」と思っても叶わない高校野球の選手たちと同じように、家づくりに携わる私たちも、「一度きりの真剣勝負」という緊張感を常に持って向き合っています。だからこそ、事前の準備や、信頼できるパートナー選びが何よりも重要になってくるのです。
エース一人に頼らない。
チームとしての総合力が結果を分ける
今日の試合を振り返って印象的だったのは、横浜が織田投手というエースの好投に多くを託さざるを得なかった一方で、智弁和歌山は打線全体、投手陣全体の総合力で勝利をもぎ取ったという構図です。どれほど傑出した個人がいても、その一人が不調に陥った瞬間にチーム全体が揺らいでしまう。
逆に、様々な選手が持ち味を発揮できるチームは、一人の調子が悪い日でも他の誰かがカバーし、勝利をたぐり寄せることができます。
これは、家づくりのパートナー選びにもそのまま当てはまる話だと感じています。
「有名な建築家だから」「デザインが素敵だから」——もちろんそうした魅力も大切な要素です。
ですが、家づくりの現場で本当に問われるのは、設計力だけではありません。現地調査で建物や敷地の状態を的確に見極める力、施工段階での管理体制、そして完成後のアフターフォローまで、一貫して支えられる総合力があってこそ、想定外の事態にもしっかりと対応できます。
特に、リノベーションや古民家・空き家の再生では、この総合力がより一層試されます。
新築とは違い、実際に壁や床を開けてみないと分からない劣化や、図面には現れない構造上の癖が数多く潜んでいるからです。
そうした「見えなかった問題」に直面したときにこそ、設計・調査・施工・アフターケアが一つのチームとして機能しているかどうかが、結果を大きく左右します。
私たち芦田成人建築設計事務所では、設計だけで終わらない、現地調査から施工、そして竣工後のフォローまでを一貫して伴走できる体制づくりを大切にしています。
一人のエースに頼るのではなく、チーム全体で一つひとつのプロジェクトに向き合う。
それが、想定外の状況が起こりやすいリノベーションや古民家再生において、施主様に安心して任せていただくための土台だと考えています。
準備とチームで、悔いのない一発勝負を
試合後、涙を流しながら「この試合は絶対忘れない」と織田投手は語ったそうです。
もう一度やり直すことができない一発勝負だからこそ、そこに懸けてきた準備や積み重ねの重みが伝わってきます。
家づくりも同じです。やり直しのきかない大きな決断だからこそ、事前の準備を丁寧に重ね、そして一人のエースではなく信頼できるチームと共に歩んでいくことが、悔いのない結果につながります。
明日は、いよいよ決勝戦。優勝旗の行方とともに、高校球児たちの一発勝負の集大成を、私たちも見届けたいと思います。
現地調査から設計、施工、アフターフォローまで、チームで丁寧に伴走いたします。まずは無料相談から、お気軽にお問い合わせください。
リノベの勘所 第1話「何を変えるか」より「何を残すか」
リノベーションを考えるとき、「何を新しくしようか」と考えるのは当然です。
例えば、キッチンを新しくする、床を貼り替える、間取りを変えるなどと考えるかもしれません。
勿論、それもそうなのですが
でも、その前に一度立ち止まって、「この家にしかないものは何だろう?」と考えてみてください。
長い年月を経た柱かもしれません
古い建具かもしれません
当時の職人さんが拘って造った設えかもしれません
それらは、新しい材料に交換すれば手に入るものではありません。
リノベーションとは、古いものを新しくすることだけではありません。
その家が持っている価値を見つけ、それを残しながら、これからの暮らしに合わせていくこと。
私は、そこにリノベーションの面白さがあると思っています。
リノベーション事例
この写真はリノベーションした部屋の事例です。
写真の奥に写る床の間の柱や鴨居と言うべきか?落とし掛けと言うべきか? 床板は元々この家で、この場所で使われていたものです。
今、このような床柱を使って床の間を設けようと思うと大工さんの手間もそこそこ、掛かります。
そして何といっても面白いのは枝の部分が中抜きになっている鴨居?
こんな材料、今では絶対に使わないと思うのですが、当時の施主の好みなのか、職人さんの遊び心なのか貴重な財産と思って、残しました。
その他の部分の壁が白いのは予算の関係で、拘り切れなかった部分です。
柱や敷居は当時のまま使っているため色つやが全然、異なりますが、この家の持っている価値が、このような部分にあると考えます。
リノベーションは「足し算」ではなく「編集作業」
新しい設備を足す
断熱材を足す
収納を足す
部屋を足す
もちろん必要なものはあります。
しかし、リノベーションの本質は、
何を足すかではなく、何を残し、何を取り除き、何をつなぎ直すか。
つまり、
「家をつくり直す」というより「家を編集する」こと
これが本当のリノベーションでは無いかと思っています。
夏の無料相談会開催中!
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今年も暑い夏の日、皆様はどのようにお過ごしでしょうか?
芦田成人建築設計事務所では、この暑い夏、そしてこれから迎える寒い冬に向けて大相談会を開催しています。
相談は、無料で、どなたでもお問い合わせいただけます。会って直接でなくても構いません、オンラインでの無料相談を受け付けております。
例えば、お住まいの結露やカビが、どうにかならないか? 収納が不足していて家中が片付かない、ウチの家の耐震性は大丈夫かな?などお住まいに関することは勿論ですが
中古物件を買って、新たに事業を始めたいと思うのだけど、この物件本当に買って大丈夫なの?法的な手続きは必要ないの?など事業に関する相談まで
30分ほどの内容で、建物に関することなら何でも大丈夫です。
但し、間取り診断と建築確認申請だけをお願いしたいと言う内容は、お断りしておりますのでご容赦お願い致します。
日常の備えが重要
先日、熊本県で10年ぶりとなる大きな地震が発生しました。
被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
また、今なお避難生活を余儀なくされている方々が、一日も早く安心して日常を取り戻されることを願っております。
私自身、7年前に震源地に近い高千穂町で仕事をさせていただいたことがあり、今回の地震のニュースを見て、現地の方々のことがとても気になっています。
地震が発生すると、一時的に「自宅は大丈夫だろうか」「耐震補強をした方がいいのでは」と考える方が増えます。
しかし、時間が経つにつれて、その危機感は少しずつ薄れていくのも現実です。
実はこれが一番怖いことではないでしょうか。
日本は世界でも有数の地震大国です。
「次はいつ、どこで起こるか分からない。」
だからこそ、大きな地震が起きた"今だけ"ではなく、普段から住まいの安全について考えておくことが大切だと思います。
7月11日のブログでは、耐震診断や耐震改修の必要性について書きました。
しかし、いきなり耐震補強の話になると、「費用が掛かりそう」「本当に必要なのか分からない」と感じられる方も少なくありません。
私は、まず最初に行うべきことは、
「自分の家がどれくらいの耐震性能を持っているのかを知ること」
だと考えています。
診断を受けて初めて、
・補強が必要なのか
・どの程度の補強で済むのか
・今のままでも安心できるのか
という判断ができます。
つまり、耐震診断は工事をするためではなく、正しい判断をするための第一歩なのです。
兵庫県では、昭和56年(1981年)5月以前に着工されたことが証明できる住宅については、無料または低額で簡易耐震診断を受けられる制度があります。
対象となる住宅にお住まいの方は、この制度を活用しない手はありません。
また、対象外となる住宅であっても、当事務所では 簡易耐震診断を3万円(税別)で行っています。
「補強工事をするかどうか」ではなく、
まずは住まいの現状を知る。
そのことが、ご家族を守る第一歩になると考えています。
もう一つ、今日からでもできる地震対策があります。
それは寝室にある背の高い家具の固定です。
阪神・淡路大震災では、建物そのものではなく、倒れてきた家具の下敷きになり、多くの方が被害に遭われました。
特に就寝中は、とっさに避難することができません。
耐震改修には時間も費用も掛かりますが、家具の固定は比較的少ない費用で、すぐに始められる防災対策です。
「何から始めればいいか分からない。」
そう思われる方は、まず寝室を見渡してみてください。
それだけでも、住まいの安全性は少し高まります。
私の実家では背の高いタンスは全てホームセンターで購入した家具転倒防止用チェーンにてしっかりと下地のある壁面に固定しています。
地震は忘れた頃にやって来る。
昔から言われてきたこの言葉は、今も決して色褪せていません。
だからこそ、ニュースを見た今だけではなく、日常の中で住まいの安全を考える習慣を持っていただきたいと思います。
「私の家は大丈夫だろうか。」
その疑問を、そのままにしないことが、ご自身や大切なご家族の命を守ることにつながります。
住まいは、暮らしを支える場所であると同時に、災害時には命を守る器でもあります。
この機会に、ぜひ一度、ご自宅の耐震性について考えてみませんか。
夏の入浴、どうされていますか?
浴室感想暖房機の活用で快適な夏の入浴
夏こそ「頭寒足熱」の入浴で、汗をかかない快適な夜を
夏はシャワーだけで済ませる方も多いですが、一日の疲れを取るためには、やはり湯船に浸かることが大切です。
ただ、多くの方が感じるのが、
「お風呂から上がっても、いつまでも汗が止まらない…」
という悩みではないでしょうか。
タオルで何度拭いても汗が噴き出し、せっかくお風呂に入ったのに不快な思いをすることがあります。
実は、この悩みはお湯の温度と浴室環境を少し工夫するだけで改善できるかもしれません。
私が実践している夏の入浴法
私は夏になると、いつもの入浴方法を少しだけ変えています。
お湯の温度を1℃下げる
普段より1℃低い39℃に設定します。
たった1℃ですが、身体への負担が少なくなり、のぼせにくくなります。
2. 浴室の「涼風機能」を使う
浴室暖房乾燥機に付いている涼風機能を入れたまま湯船に浸かります。
すると、
頭や顔には涼しい風が当たり、下半身は温かいお湯
という状態になります。
まさに昔から理想とされる
「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」
の状態です。
頭を冷やしながら足元は温めるため、非常に快適に入浴できます。
但し、浴室乾燥暖房機が無い場合は、他の方法を考えなければいけませんが後付け出来る物もありますし、
扇風機などを付ける方法が取れるかもしれませんね。
最後に冷水を浴びる方法との違い
以前は、
「汗を止めるには最後に水を浴びればいい」
と思い試していました。
確かに汗は少なくなりますが、
身体が冷え、お風呂に入った満足感が薄れた上で、リラックス感が少ない
という印象でした。
一方、頭寒足熱で入浴すると、
身体はしっかり温まり、お風呂上がりの汗の出方がかなり違い、とても快適な状態で脱衣場も後に出来るようになりました。
建築の工夫は暮らしの快適さにつながる
住宅設計では断熱性能や気密性能ばかりが注目されます。
もちろんそれらはとても重要ですが、
実際の暮らしでは、設備をどう使いこなすかと言った暮らしの運用によって快適性は大きく変わります。
家づくりとは、建物をつくることだけではありません。
そこで毎日を心地よく過ごす「暮らし方」を考えることでもあります。
夏のお風呂で汗に悩まれている方は、ぜひ一度、
39℃のお湯と浴室の涼風機能による「頭寒足熱入浴」
を試してみてください。
きっと、「こんなに違うのか」と感じていただけると思います。
「住まい」と「食」の共通点
今年から家庭菜園を始めました。
初めての挑戦なので、水やりの加減、虫や暑さへの対応など、分からないことばかりです。
それでも毎日のようにトマトやキュウリ、ナスなどの夏野菜を収穫できるようになり、土に触れる時間がとても楽しみになっています。
建築設計をしている私は、これまで「住まいと健康」の関係についてお客様にお話しする機会が多くありました。
断熱性能が高い家は、夏も冬も快適に過ごせるだけではありません。
ヒートショックのリスクを減らしたり、睡眠の質を高めたり、健康寿命にも良い影響を与えることが分かっています。
しかし、家庭菜園を始めてから思うようになりました。
健康との関係で言えば、「食」は住まい以上に根本的な存在ではないだろうか。
昨年の米不足をきっかけに、日本の食について以前より関心を持つようになりました。
日本の食料自給率は決して高くありません。一方で、まだ食べられる食品が大量に廃棄されているという現実があります。
「足りない」と言いながら「捨てている」
この矛盾には、何とも複雑な気持ちになります。
家庭菜園を始めると、野菜が一つ育つまでにどれだけ手間が掛かるのかを身をもって知ることになります。
毎日様子を見て、水をやり、草を抜き、虫と戦い、ようやく収穫できる。
だからこそ、収穫した野菜を無駄にしようとは思いません。
スーパーでは当たり前に並んでいる野菜も、本当は多くの時間と労力を経て私たちの食卓へ届いていることを改めて実感します。
これは建築にもよく似ています。
一棟の住宅も、設計者だけで完成するものではありません。
大工さん、左官職人さん、電気屋さん、設備屋さんなど、多くの職人さんの技術と努力が積み重なって、一つの住まいになります。
完成した家だけを見るのではなく、その背景にある「つくられる過程」を知ることで、その価値は何倍にも感じられます。
食も住まいも同じです。
完成したものだけを見るのではなく、「どのようにつくられたのか」を知ることが、本当の豊かさにつながるのではないでしょうか。
家庭菜園は野菜を育てる趣味であると同時に、食の安全や食料自給率、食品ロスについて考えるきっかけを与えてくれました。
そして、健康とは薬や運動だけでつくられるものではなく、
「何を食べるか」「どんな家で暮らすか」という毎日の積み重ねによって育まれるものだということも改めて感じています。
これからも家庭菜園を続けながら、野菜だけではなく、食の成り立ちや日本の農業についても少しずつ学んでいきたいと思います。
住まいを設計する建築者として、これからは「住まい」と「食」の両方の視点から、健康な暮らしについて考え、発信していければと思っています。
200㎡以上の建物を購入する前に
「安く買えた」は危険かもしれません。床面積200㎡以上の建物を購入する前に必ず確認してほしいこと
住宅を購入し、又同じく住宅として使用される方は200㎡以上であっても何も問題はありませんので、この先を読んでいただかなくても構いません。
「古い建物を購入して、カフェを開きたい。」
「空き家をリノベーションして民泊を始めたい。」
「工場を改装して店舗として利用したい。」
近年、このようなご相談をいただく機会が増えています。
物件価格も手頃で、「少し改修すればすぐに営業できそう」と考えられる方も多いのですが、実はその判断には大きな落とし穴があります。
それが『用途変更』です。
200㎡以上の建物は特に注意が必要です
延べ床面積が200㎡以上の建物で、以前とは異なる用途に変更して利用する場合は、建築基準法に基づく用途変更の手続きが必要になるケースがあります。
例えば、
住宅を民泊や宿泊施設へ変更する
住宅を飲食店や店舗へ変更する
工場を福祉施設へ変更する
といったケースです。
「内装を変えるだけだから大丈夫」と思われるかもしれませんが、法律上はそう簡単ではありません。
建築確認申請書は残っていますか?
私が最初に確認するのは、その建物に建築確認申請書や確認済証などの資料が残っているかということです。
これらの資料が残っていれば、建物がどのような設計で建てられたのかを確認しながら用途変更の手続きを進められる可能性があります。
もちろん個別の検討は必要です。
しかし、問題はここからです。
建築確認申請が存在しない建物は大きなリスクがあります
昔の建物では、建築確認申請書が残っていなかったり、そもそも建築確認を受けていないケースもあります。
このような建物を用途変更しようとすると、状況によっては改めて建築確認申請を取得しなければならない場合があります。
すると問題になるのが、現在の建築基準法への適合です。
建てられた当時の基準と現在の基準は大きく違います
建築基準法は何度も改正されています。
特に構造に関する基準は、昔と現在では大きく異なります。
そのため、新たに建築確認申請を取得する場合には、現在の法令に適合させる必要があり、
構造補強
耐震補強
防火区画の見直し
避難経路の確保
その他各種法令への適合
など、多額の改修工事が必要になることも珍しくありません。
「物件は安く購入できたけれど、改修費が想像以上に膨らんでしまった。」
そんなケースは決して珍しい話ではないのです。
不動産価格だけで判断しないことが大切です
物件探しでは、どうしても購入価格に目が向きがちです。
しかし、本当に見るべきなのは、
『その建物を自分の目的で問題なく使えるか』
という点です。
建築確認申請が存在しない建物では、その確認が非常に難しくなります。
結果として、用途変更ができない、あるいは多額の改修費が必要になる可能性もあります。
購入前に建築の専門家へ相談してください
もし200㎡以上の建物を購入し、事業を始めようと考えているのであれば、契約を結ぶ前に一度、建築士へ相談されることをおすすめします。
購入後に問題が判明すると、「こんなはずではなかった」と後悔しても取り返しがつきません。
建築確認申請書の有無を確認し、用途変更が可能なのか、どの程度の改修が必要になるのかを事前に調査しておくことで、大きなリスクを避けられます。
まとめると
建物は「安く買えれば良い」というものではありません。
特に200㎡以上の建物で用途変更を伴う事業計画では、建築確認申請書の有無が、その後の事業の成否を左右することもあります。
もし建築確認申請が存在しない建物であれば、現在の建築基準法への適合が必要となり、多額の改修工事が発生する可能性があります。
だからこそ、物件を購入する前に一度立ち止まり、建築の専門家と一緒にリスクを確認してください。
建物選びで失敗しないための最初の一歩は、「建築確認申請書がありますか?」と確認することです。
その一言が、数百万円、場合によっては数千万円規模の予想外の出費を防ぐことにつながるかもしれません。
先生、私は何の病気ですか~?
と電話で自身の病状を尋ねる人は居ないと思います。何故なら、診てもらわないことには何も分からないことが判明しているからです。
同じく私どもの仕事も現地や現状を把握できないと、お答えできるものは何もありません。最近、ファーストコンタクトで「費用はいくらですか?」と言った内容を伝えられる方が多いのですが、それは先の電話口の患者さんと同じことをされているのと同じなんです。
逆に、現地や現状も見ず、何も把握出来ないで、その質問に答えられる人が居るなら、とても心配です。
勿論、費用を気にされている方々のお気持ちは分かります。
しかし、我々は毎回同じことを同じように繰り返す仕事ではありません。物件毎に違う条件、規模、用途、環境などを一つずつ把握することから全てが始まります。おまけに建築の場合は法令が関わることも多く、その法令に則って仕事を進めるために事前調査が必要になる場合もあります。だからこそ、先ずは現状を正確に把握し、その上で根拠のある費用を算出し、ご提示することが、皆様にとっても一番安心できる方法だと考えています。
高い安いだけでなく、根拠のある内容をきちんと提示するのが私どもの姿勢です。そのために、今回の案件では、どのような仕事をしなければいけないのかを、現状や現地を把握した後で組み立てます。その後に初めてお見積もりと言う形で金額の提示が出来るようになります。
設計と言う行為こそ、机の上での仕事ですが、全ては現地や現状のために行う行為であり、そこをどれだけ把握するかが命なのです。
耐震診断および耐震改修工事について
「この家もあと何年住むか分からない。」
耐震診断のお話をすると、多くの方から返ってくる言葉です。
「子どもも独立したし。」
「地震なんていつ来るか分からない。」
「今さらお金を掛けても…。」
確かに、そのお気持ちはよく分かります。
しかし、私は兵庫県の耐震診断員として、これまで40件以上の丹波市内の住宅を診断してきました。
その経験から、一つだけお伝えしたいことがあります。
「古い家だから危ない」のではありません。
「危険な状態のまま暮らしていること」が問題なのです。
あなたの家は大丈夫でしょうか?
兵庫県では、昭和56年5月以前に着工した住宅であれば、条件を満たすことで無料または少ない自己負担で簡易耐震診断を受けることができます。
昭和56年は建築基準法が大きく改正された年です。
それ以前の住宅は、現在の耐震基準とは考え方が大きく異なります。
「見た目はしっかりしている。」
「今まで地震でも壊れなかった。」
だから安全とは言い切れません。
実際に診断してみると、壁の配置や接合部、基礎など、建物全体のバランスに問題がある住宅は少なくありません。
評点1.0を超えた住宅は、ほとんどありませんでした
これまで40件以上の耐震診断を行ってきました。
その中で、評点1.0以上だった住宅は、特殊なケースを除けばほとんどありません。
多くの住宅は、
評点0.4前後
という結果でした。
評点1.0以上が「一応倒壊しない」とされる基準です。
0.4という数字は、その基準を大きく下回っています。
もちろん、評点だけですべてを判断するわけではありません。
ですが、数字として現実を知ることは、とても大切です。
「いつ来るか分からない」ではなく、「いつ来てもおかしくない」
南海トラフ地震の発生確率が繰り返し報道されています。
もちろん、明日起こるかもしれませんし、30年後かもしれません。
誰にも分かりません。
だからこそ、多くの方は
「まだ大丈夫。」
と思ってしまいます。
ですが地震は、
準備ができた人を待ってはくれません。
もし家が倒壊すれば、
家財はもちろん、
思い出も、
そして何より、
命そのものが危険になります。
耐震改修は建物を守る工事ではありません。
その家で暮らす人を守る工事なのです。
「耐震改修は高い」というイメージを変えたい
耐震改修というと、
「かなり高額になる。」
そんなイメージを持たれている方も多いでしょう。
もちろん全面改修をすれば、それだけ費用は掛かります。
しかし現在では、
愛知建築地震災害軽減システム研究協議会が開発・評価した低コスト工法が普及しています。
当事務所でも、この工法を積極的に採用し、
必要な性能を確保しながら、できるだけ費用を抑える耐震改修
をご提案しています。
さらに兵庫県では、
耐震改修設計費や工事費に対して補助制度も用意されています。
「高額だから無理。」
と思っていた方でも、実際には利用できるケースが増えていますし、補助金を使えなくても良いから自主的に補強をしたいと言う方も増えています。
将来、家を売る時にも耐震性は評価される時代です
最近では、中古住宅を購入する方も、
「耐震性」を重視するようになっています。
実際に、耐震性能を評価したうえで売買を行う不動産会社も増えてきました。
つまり耐震改修は、
今住む家族のためだけではありません。
将来、
お子さんへ引き継ぐとき。
売却するとき。
空き家活用を考えるとき。
住宅の価値にも影響する可能性があります。
耐震化は「費用」ではなく、
将来への投資
という考え方もできるのです。
まずは現状を知ることから始めませんか
耐震改修をするかどうかは、
診断を受けてから考えても遅くありません。
ですが、
診断を受けなければ、
危険かどうかさえ分かりません。
健康診断を受けずに健康だと思い込む人はいないでしょう。
住まいも同じです。
まずは現在の状態を知ること。
そこから、ご家族にとって最善の選択を考えていただければ十分です。
県或いは市の無料の条件に当てはまらない方でも簡易耐震診断だけなら、当方では、3万円+消費税でお受けいたします。
命を守る選択を、一緒に考えます
芦田成人建築設計事務所では、兵庫県の耐震診断員として、これまで40件以上の耐震診断に携わってきました。
診断だけで終わるのではなく、補助制度の活用や、低コスト工法による耐震改修まで一貫してご相談いただけます。
「まだ住み続けるか分からないから。」
そう考える方にこそ、一度お話を聞いていただきたいと思っています。
住む期間の長さではなく、
明日も安心して暮らせること。
それが耐震化の本当の価値ではないでしょうか。
ぜひ一度、ご自宅の耐震性について考えるきっかけにしていただければ幸いです。
施工図は私が描く
一般的な建築現場では
住宅建築の現場では、設計者が描いた設計図をもとに施工会社が施工図を作成することが一般的です。
設計図は建物全体の考え方や寸法を示す図面ですが、実際に職人さんが施工するためには、さらに詳細な図面が必要になります。
そこで作られるのが施工図です。
当事務所の設計監理案件では、多くの現場で私自身が施工図を作成しています。
手間も時間も掛かります。
正直に言えば、効率だけを考えれば施工会社に任せた方が楽かもしれません。
それでも続けているのには理由があります。
先ずは、手戻りを防ぐことができると言うことが理由の一つです。
現場で最も避けたいことの一つが手戻りです。
一度作ったものを壊してやり直す。
言葉にすると簡単ですが、実際には大きな損失になります。
職人さんの手間が増えるだけでなく、材料に傷が付く可能性もあります。
そして現場の雰囲気も少しずつ悪くなります。
施工図を事前に描き込み、納まりを整理しておくことで、こうした手戻りを大幅に減らすことができます。
次に、本当に納まるのかを確認できると言うことも理由になります。
設計中は美しく見えた図面でも、施工図を描き始めると様々な問題が見えてきます。
柱と建具の取り合い。
断熱材の厚み。
設備配管の通り道。
見えない部分の寸法関係。
施工図は、設計図の答え合わせのような作業でもあります。
「描いたものが本当に実現できるのか」
それを自分自身の手で確認できることは大きな価値だと思っています。
実際、この作業によって大きな変更が伴いそうになったのを事前に発見することができたこともあります。
そして、職人さんから学べると言うことも大きな理由になります。
実は私が最も大切にしているのはここかもしれません。
施工図を描いて現場へ持ち込むと、職人さんから様々な意見をいただきます。
「こうした方がきれいに納まる」
「この方法ならもっと丈夫になる」
「こちらの方が将来のメンテナンスがしやすい」
長年現場で培われた知恵は、教科書には載っていません。
その一つひとつが次の設計の財産になります。
私たちは図面を描くことは出来ても、それを形にしていただくのは現場の職人さんです。
その職人さんへのリスペクトの気持ちを込めて、施工図を描いています。
又、それは職人さんとのコミュニケーションツールの一つとしても機能します。
設計は図面を描いて終わりではない、「自分が描いた図面に責任を持つ」
多くの設計者がSNS上で現場の職人さん達から叩かれている記事を目にする度に、心が痛い思いをします。
設計というと、机に向かって図面を描く仕事と思われることがあります。
しかし実際には、図面を描いた後からが本番です。
施工図を描き、現場で確認し、職人さんと対話しながら建物を完成へ導いていく。
そうした積み重ねによって、図面の中にしか存在しなかった建物が本当の住まいになっていきます。
だから私は今も施工図を描き続けています。
それは単なる確認作業ではなく、より良い建築をつくるための大切な設計の一部なのです。