Narito Ashida Narito Ashida

柱スパンは2間まで

30畳以上もあるような大きな空間に外周部以
外に1本も柱を立てずに空間を構成できるなら、
そんな楽なことはありません。一般的に鉄骨造
では経済スパンは約7mほど、木造では2間と
言われています。

スパンとは柱と柱の間の距離のことですが、柱
の上には梁が載り、2階建てならその上に2階
の柱や床も載ります。

関東間で言うと2間は3640㎜です。「えっ、
そんなに少ししか飛ばせないのですか?」と思
われるかもしれませんが、木造では、そんなも
のです。

又、国産木材の場合、山側の事情で言うと、一
般的に山で伐られた木材は玉切りと言って、2
m、3m、4mの長さに切り分けられ山から出
されます。

勿論、通し柱のようなもう少し長い材料も必要
ですから前述はあくまでも一般論です。これは
林道を整備したり、運搬したりする際の事情に
よる所が多く、スパン2間の原則とも符合する
部分が多いです。

又、構造強度の面からもスパン2間が理に叶っ
ていて、それ以上スパンを飛ばすならば、梁に
用いる材料も大きなものが必要となります。梁
に大きな材料が必要と言うことは、コストにも
影響を及ぼし皆様のご予算にも直結する訳で、
木造の経済スパンが2間と言う理由が、これら
にあることをご理解いただければ幸いです。

勿論、もう少し細かいスパンで柱を入れると梁
のサイズも小さく出来るので柱スパンは「2間
まで」と解釈していただくのが正しい表現です。

所で、2間 × 2間で出来る空間は、どの程度か
と言いますと関東間では3640㎜ × 3640
㎜で8畳になります。

勿論、2間の間に柱を追加出来るなら、して
おく方が梁のサイズを小さく出来るので構造
的にもコストの面でも楽になります。そして、
これを続き間にすると次の図のようになりま
す。

これで16畳間が出来る訳です。2階建てに
なるケースや上部の荷重条件等に依りますが、
この程度ならもしかしたら外周部以外には柱
が無くても空間が成立する可能性があります。
では、次のケースではどうなるでしょうか?

32畳あるケースです。ここまで来ると、柱
無しで空間を成立させることは難しくなりま
す。

何度も言いますが2階建てや平屋であっても、
上部の荷重条件によって空間の中に、もう少
し柱の数を増やさざるを得ない場合がありま
す。

何度も言うのは、あの人がこんなことを書い
ていたと言って、平気で無謀なプランを考え
る人が出てくるからです。詳細はケースバイ
ケースで検討しないといけません。先日の
「四角くまとめる」も含め、ここでは基本的
な考え方を書いているに過ぎません。

まずは基本が出来ることが肝心で、応用する
のは基本が出来てからの話になります。

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四角くまとめる

昨今、SNSで間取り診断と称し、誰かが描
いたであろう間取りを画面上に晒した上で、
添削を求めたりしているのを目にします。

でも、これ大丈夫なのか?間取りを描いた人
の了承は、おそらく得ていないと思います。

つまり、無断掲載です。もし描いた方が著作
権を主張するならば、著作権違反です。第三
者に教えを求める前に、きちんと目の前の方
と向き合って家づくりを進める或いは、その
方の間取りが、どうしても気に入らないなら、
きちんとお断りして他の方を探すのが筋とい
うものです。

近頃、間取りを作れるソフトもあるようで、
素人さんでも適当に操作すれば、良い間取り
が出来た気になれるかもしれませんが、我々
は、間取りだけを考えるのではなく、立体的
に考え且つ、周辺環境、法律、構造のこと、
設備のことなども含め、全てを同時進行で考
えています。

さて、今回から又少しの間、シリーズものを
書いていこうかと思います。

今回のシリーズは、これから家づくりを考え
ようとされている方向けのシリーズです。前
述のようにご自身で間取りを考えようとされ
ている方や、既に間取りをどこかで描いてい
ただいている方などは参考になるかもしれま
せん。但し、私の所に間取り診断をして下さ
いとご依頼いただいても、お断りさせていた
だきます。

先ずは、言葉の説明をさせていただきますが、
私達が使う「プラン」や「プランニング」と
言う言葉は単に間取りを考えることを指すの
ではなく、前述のように間取りを含む立体的
なこともそうですが計画全般のことを指し、
間取りはその一部でしかありません。

以前、年間100棟以上も手掛けられている
某パワービルダーさんのお話を伺った時の話
ですが、そのビルダーさん曰く、「ウチはデ
ザインがイマイチって言われるんです」と仰
っておられました。

どこにその原因があるのかはプランを見れば
一目瞭然でした。平面プラン(間取り)に必
要以上に凹凸がありすぎなのが、その原因で
す。

何故そうなるのか、プランを考える人が下手
だからです。考えていくうちに、上手くまと
まらなくなってくると、あっちを飛び出させ
たり、こっちを凹ませたり、平面プランが凹
凸だらけなんです。

そうなってくると飛び出した部分には屋根を
掛けないといけませんが、あっちもこっちも
飛び出しているため屋根もチグハグになり、
結果として格好悪い家が完成してしまいます。

敷地がよほど変形しているならまだしも、あ
る程度整形の土地に、建物を考えるときは、
出来るだけ平面プランは四角くまとめる努力
をしないといけません。四角くまとめること
で、屋根も掛けやすくなり、スッキリとした
納まりで建物も上手く、まとまり易くなりま
す。

おそらく、ボコボコした計画をする人は平面
的にしか物事を考えることが出来ておらず、
立体感を想像できていない人かと思います。
私がプランをする時には平面プランは必要以
上に凹凸が出ないように考える努力をします。

何故かと言うと、完成形がスッキリとうまく
まとまると言うこともそうですが、コスト面
でも抑えやすくなります。又、構造強度面で
も有利になります。

シンプル・イズ・ザ・ベストとも言えますね。
逆に平面的に凸凹が多くなると余計なデコレ
ーションが必要になり、まとめにくくもなり
ます。下屋の数が増えると雨漏りの可能性も
高くなります。このようにデメリットが増え
てしまうため、やはり四角くまとめる努力の
大切さが分かりますね。

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世界観

この写真のステッカーは、自動車のリアハッチ
を開けた所に貼ってあります。通常、こういっ
たステッカーは車体の外部、人の目で見える部
分に貼るものですが、これはハッチを空けない
と見えません。

つまり外部からは見えないのです。はっきりし
たことは分かりませんが、車にマツダの世界観
を統一するために、本来なら車体外部に貼るも
のをあえて隠し、各店舗の宣伝になるような余
計なステッカーは貼るなと言ったお達しが出て
いるのかもしれません。

違うメーカーの車では確かに格好悪いショップ
のステッカーが貼ってあり、それが高級感を台
無しにしているのを目にすることもしばしばあ
ります。

マツダの全車が、こうなのかは分かりませんが、
そう言えば同じ車種でショップのステッカーが
貼ってあるのを目にしたことがないので多分、
本社から通達が出ているのでしょう。つまり、
余計なことをするな、と言うことだと思います。

もっとも、このステッカー自体、結構デザイン
性も高いように思いますが、やはり車外には貼
って欲しくないと思います。

このような徹底した世界観の打ち出し方に魅力
を感じる人が多いのも事実かと思います。

建築の世界でも世界観を大事に取り組んでいく
重要性を学ぶことが出来ます。

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モネ?

今回は1か所ずつにもう少し時間を割いてじ
っくり見たいと思っていたので、ここまでの
2つの美術館までは最低限見ることが出来た
ら良いなあと思っていました。

レンタサイクルのお店で、先の2つを見るこ
とが出来たら後はフリーです、と伝えたら、
もし時間があるんだったら、大王わさび農場
まで足を延ばされても面白いですよ、とお勧
めいただいたので、いただいた地図を頼りに
高橋節郎記念美術館を後にしました。

途中までは来た道を戻るのですが、川を渡る
と、その川沿いに沿って殆ど車が通らないサ
イクリングロードを進みます。左には川右に
はわさび畑を眺め、そのうち景色はシラカバ
並木に変わります。更に進むと道祖神があっ
たりする内に車の通りが多い道に行きあたり
ました。

正直、わさび農場なんて見てもな~みたいな
思いでいたのですが、どんどん現地に近づく
に従い先の考えは正されました。観光客がこ
ぞって駆けつけるため、観光バスや自家用車、
バイク、自転車などを停めることが出来る大
型駐車場が用意されています。

なるほど観光スポットにもなっている大農場
なんだと言うことが分かりました。自転車を
停めて、さてこれ全部回ってるときっと時間
オーバーだなと言うことが分かるほどかなり
の規模の施設です。団体客を受け入れること
も出来るレストランやカフェ、お土産物を購
入できる建物など、外国人観光客も沢山押し
かけ、とても賑わっていました。ワサビソフ
トクリームなども売っていましたが、味の想
像もつかず、季節的に冷たいものは避けたか
ったのでワサビソフトクリームはパスしまし
たが、夏に来ることがあれば、食べてみたい
ものです。

幾つかの川が合流する直前辺りにある扇状地
から湧き出る水を生かしてワサビ栽培がされ
ているようで、日除け?のための黒いマルチ
と呼ぶべきかシートと呼ぶべきかが流れに沿
って伏せられています。脇に流れる川は透明
度が凄くニジマスなど綺麗な水にしか棲まな
い魚を眺めることも出来ました。

農場内の高台からは北アルプスの山々を眺め
ることが出来るスポットも用意されていて、
開放的で雄大なその景色とマッチしています。

川沿いに設けられた水車の脇からはボートで
その自然を感じることが出来るアトラクショ
ンも用意されていて、遠目に見るその景色は
まるでモネの絵画にでも登場しそうな美しい
ものでした。

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ポツンと

碌山美術館を後にして、次に目指すは高橋節郎
記念美術館です。美術館巡りになっていますが、
実際長野県は美術館が多いんです。

自転車を借りる時に安全で車通りの少ないコー
スを地図付きで教えていただいたのですが、簡
略化された地図であったため、少しコースを外
れ行き止まりになってしまいました。あれっ、
どうしよう?と思ったのですが教えていただい
たのとは違って、事前に調べていたコースで向
かうことにしました。

車通りが多かったのですが、雀踊りの棟飾りを
持つ建物がたくさんあることが分かり、コース
を外れたことが私にとってはラッキーでした。
一般住宅を始め、ワサビ商品を売っている店舗、
公民館など比較的新しい建物であっても雀踊り
の棟飾りがついていて、こちらの方面にはまだ
まだ、このような建物が残っているんだと思い
ました。只、いずれの建物も屋根の大きさが相
当大きなものばかりで、これくらいの規模が無
いと、雀踊りの棟飾りは映えないんだろうなあ
と思います。

こちらは、ワサビの加工品を販売されているら
しい店舗です。

こちらは地域の公民館です。雀踊りの棟飾りの
下には懸魚(げぎょ)と呼ぶこれも装飾的な意
味合いの強い木材が取り付けられていました。
当初は懸魚も、おそらく棟木の木口を雨からを
守る意味で設けられたものでは無いか?と思い
ます。

未だ他にも幾つかの雀踊りを持つ建物があった
のですが一般住宅のようでしたので、割愛させ
ていただきます。

そんな雀踊りの建物を幾つも発見しながら田園
風景の続く道を進むと、風景に似つかわしくな
い近代的な建物がポツンと現れます。北アルプ
スの山々と対峙するように建つのが高橋節郎記
念美術館です。何故、こんな田園風景の中に建
っているのかな?と思ったのですが、ここは高
橋節郎さんの生家があった場所だそうで、納得
しました。外からでも分かる立派な紅葉に美術
館の中を期待させられながら乗ってきた自転車
を停めます。

こちらが高橋節郎さんの作品の一つですが、
丁度この日から殆どの作品の撮影が解禁さ
れたそうです。高橋さんは鎗金(そうきん)
という技法を駆使して黒と金を基調にし、
漆工芸の技法を用いつつ現代的な漆の世界
を開拓されたそうで、幼い頃に慣れ親しん
だ故郷、安曇野の自然、星空、山々、四季、
古墳などを表現されているんだそうです。

この作品では、立派な角を持つ牛に目が行
きますが数か所にある朱色の丸も漆のよう
で、他の作品にもポイントで同じような描
き方がされていて、逆にそこに目が留まる
場面もありました。

渡り廊下からの切り取られた紅葉も絵になり
ますが、屋上が解放されていて、この日、屋
上では大橋文明展が開催されていました。屋
上の手すりの上に並べられた粘土作品のが大
橋さんの作品のようですが、あんなスペース
に載せられて落ちてしまうのではないか?と
不安もよぎりました。

美術館を出ると一旦、中庭に出て向かう先は
高橋節郎さんの生家です。生家は保存再生さ
れていて靴を脱げば家の中も自由に見て回る
ことが出来ます。それにしても綺麗に手入れ
された庭の木々の紅葉は今が見頃で、室内か
らの眺めも絶景です。本当に良いシーズンに
来ることが出来ました。

広い土間から板の間を経ると畳敷きの四つ間
です。土間の片隅にある小さな板の間の小上
がりは何なんだろう?と思いましたが、牛か
馬を飼っていた場所なのだろうか?と推測し
ますが、さてどうなのでしょうね?

生家を出て再び中庭を通り、再度美術館に戻
る順路となっていて、そこでは高橋節郎さん
の作品と漆芸技法を体験できる場所が用意さ
れていましたが時間の関係で、そこはスルー
させていただきました。

外から見ていたガラス張りの美術館の外観を
建物の中から見た景色で何故ガラス張りなの
かを確認出来ました。北アルプスの山々を綺
麗に眺めることが出来ます。田園で拓けた場
所なので遠くまで見渡すことが出来ます。

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長野出張 Part 2

前回の出張から1か月足らず、再び長野県へ
向けての出張でした。前回と同じくJR福知
山線で新大阪へ、新幹線で名古屋まで行き、
そこから中央西線で塩尻まで、再び乗り継ぎ
岡谷まで、中津川を過ぎた辺りからは殆ど、
山の中を走ります。既に山のてっぺん辺りま
で木々が色づき、その風景が永遠に続きます。
車窓からの眺めは飽きることなくずっと首は
左を向いたままでした。今回は、前回の現地
確認とヒアリングを受けて、計画が出来たた
めプレゼンテーションでした。その話は又追
々と更新させていただきます。

前回同様、岡谷で一泊をと思い旅行サイトか
ら予約作業中、目の前で残り1部屋への予約
が埋まってしまったため、今回は場所を変え、
松本で一泊することにしました。

そして翌日はまたまた、建物探訪です。今回
も松本市内とも思いましたが他にも見たい場
所があったため、少し足を延ばして朝早くか
ら安曇野へ伺いました。

一番見たかった「あずみのちひろ美術館」は
タッチの差で冬季休館に入ったばかりでした
ので目的を変え、目指すは穂高駅からほど近
くにある「碌山美術館」です。

ネット検索していた際に目に留まったレンガ
造りにとんがり屋根の鐘楼、小ぶりな感じの
建物に魅了されました。写真の感じから少し
山奥なのかな?と思っていたのですが意外に
駅そばの便利な場所にありました。

今回は、他にも目的地があったことや、もう
少しじっくり見て回りたかったため駅前でレ
ンタサイクルを借りて出発です。

道路を挟んだ隣にある碌山公園の広さから大
きな敷地があるように思っていたのですが敷
地自体も小ぶりで、別棟の2つの展示棟はR
C造で、恐らく後の時代に建てられただろう
と推測します。碌山館が上の写真で黄色くな
ったツタに覆われた外壁にアーチ型のエント
ランスを潜ると片側の扉のみが口を開き待ち
構えていました。

重厚そうなドアは実は天井から吊り下げられ
たドアの軌跡に沿ったレールに吊られた構造
で開け閉めされるようです。

開けられたドアの外にはキツツキのブロンズ
像が取り付けられていました。しかし、この
キツツキ、本当にドアを突いてるのか、ドア
の方の色が少し違っているようにも見えます。

ドアを潜った正面の壁に書いてあった文字で
す。「苦悩や苦闘の中にこそ美しさがある」と
言う意味なのだそうで、碌山を名のった萩原
守衛の言葉なのだそうです。

碌山館の中は撮影可能とのことです。外部の
重厚さに比して内部は意外にあっさりとつく
られていて見やすい展示となっていました。

こちらは1968年に建設されたグズベリー
ハウスと呼ぶ休憩室だそうで、天窓からの明
かりや四葉のクローバー型の窓、ギザギザと
加工装飾されたものなのか方杖など、所々に
個性を感じる建物でした。

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サイン&フォント

この写真は先日、長野県へ出張で行った時に
街ブラで見かけたパン屋さんのサイン(看板)
です。前回、長野出張の話は一旦終わりとし
ていましたが、今回はこの話がメインではあ
りませんのであしからず。(この、「あしから
ず」と言う表現は死語かもしれませんね・・
・)

このサインは実にストレートな表現で、もし
これがパン屋さんじゃあなかったら、面白い
けどなあと変な期待をしながら近寄ると本当
にパン屋さんでした。明朝体のフォントで表
現されたサインも珍しいのですが、最後の句
読点にも何かしら意味を込められていそうで
すね。

話は変わりますが、丁度1か月前に閉幕した
関西万博ですが、各パビリオンには日本人
向けにカタカナで国名が書いてあったので
すが、中にはそのカタカナフォントが建物
の雰囲気と違和感を感じたパビリオンもあ
りました。恐らく各パビリオンで共通のカ
タカナフォントだったのではないか?と思
いましたがそれが違和感を感じた原因かと
思います。

このように、建物の持つ雰囲気とサイン
(看板)は全く関係ないように見えて、実
はかなり密接に関係します。特に商売をさ
れている場合、外部から誰もが見えるサイ
ンは重要なアイテムにもなります。フリー
素材から適当に拾うのではなくて、ちゃん
とデザイナーを入れて作られたサインは人
目を惹くとともにコンセプトまで反映され、
商売の繁盛にさえ関係します。それは名刺
などのロゴデザインなども同じです。

当事務所のロゴも単なるゴシック体ではあり
ません。今のウィンドウズフォントでは芦田
の「芦」の字のくさかんむりの下は「戸」(よ
こいち)のとにはならず「ノ」を書く「と」
になります。しかし当事務所のフォントはよ
こいちの戸を書くようになっています。これ
はお任せしたデザイナーさんの拘りでもあり、
私自身の仕事に取り組む姿勢やスタンス、性
格なども考慮していただき、このようになっ
たのだそうです。名は体を現わす、ならぬフ
ォントは企業を現わすとでもいいましょうか?

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街で出会う個性

松本市内を街ぶらしていて、ふと目に留まっ
た建物です。

ツタに覆われた外壁に、「何あれ?」
単なる手入れの出来ていない建物でも、こう
言った状態になることはあるのですが、この
建物の場合はそうではないことが直ぐに分か
りました。ツタに覆われているのは妻面だけ
で平側はちゃんと窓が開いています。平側を
見ても建物の正体が、なんだか分からなかっ
たので、妻側に回ってみると正体が判明しま
した。レストランの看板がありました。調べ
て後から分かったのは、ここはフランス料理
レストランの「鯛萬」さんです。ホームペー
ジによると白壁の建物とのことでしたが、も
はや白壁を確認出来るのは平側のわずかな部
分のみで、ツタに覆われた下はフランスアル
ザス風の建物なんだそうです。

「雀踊り」の頭飾りが載った建物に、こんな
街の中で出会えるとは思いもせず感動さえ覚
えました。雀踊りとは棟の上についた王冠の
ような物で、本来は石置屋根の棟の水密性を
守ると言った機能が備わっていたものが、時
代を経て華美に装飾の色合いが濃くなったの
だそうです。建物の前に別棟の小さな建物が
あるため全景が拝めませんでしたが、シンメ
トリーなその姿に落ち着きを感じずにはいれ
ません。写真の左奥にも蔵のような、なまこ
壁が写っていますが、そこも同じ敷地内にあ
るようで平成28年に松本市の近代遺産として
登録されているそうです。中も拝見したかっ
たのですが、この日は公開されていなかった
ようで残念でした。

松本城に向かう道すがら銀行?今も銀行とし
て使われているの?と思える外観に目が留ま
りましたが、外壁にぶら下げられたタペスト
リーと呼ぶべきかサインと呼ぶべきかが、銀
行らしくはないので、何なんだろう?とふと
足を止めました。「アルモニービアン」と言
う名前だけは分かりましたが、後に調べてみ
ると結婚式場とのことで、それらしい雰囲気
が伝わってきました。国の登録有形文化財に
登録されているのだそうで、街中の比較的便
利な場所にあり人気のありそうな感じです。

以上で、長野出張第一弾のシリーズは終わり
ますが、又長野に行く機会があれば続編をお
送りしたいと思います。

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めざせ芸術の都

街ブラ
松本城まで歩いたのは、茅野で歩いたのと同
じ理由で、街ブラで歩いて得る情報が非常に
多いからです。車では一瞬でも歩くと遠くか
らと近くから或いは立ち止まって色んなアン
グルから目的を確認出来たり、下調べやネッ
トでは出てこない自分だけの情報を得ること
が出来るのも楽しさの一つです。

多いなあ
歩いて気付いたのは松本は博物館や美術館な
ど芸術やアートに関する施設が、あちらこち
らに点在していて街の目指すべき方向が見え
てくる気がしました。

松本市美術館
中でも松本市は草間彌生さんの出身地だそう
で、松本市美術館は草間彌生美術館と言って
も過言ではないような外観で赤いドットが壁
面を飾り「yayoi kusama」と書かれていま
す。前庭には派手なドット模様のチューリッ
プ?のオブジェが草間ワールドへ誘うように
配置されています。

ドットの世界
ピロティーの下にはベンチも壁も自販機もド
ット模様で、ベンチの置いてある位置と壁面
のドットの位置が微妙に揃っています。

賑やかさから一転
ピロティーになった建物の足元を潜り抜け一
歩、足を踏み入れると、そこは表の賑やか
さとは異なり、落ち着いた雰囲気を醸す芝
生の中庭が準備されていました。静けさの
奥にはレストランがあったり、草間彌生さ
んの商品が買えるギフトショップもありま
した。

時間の関係で中には入りませんでしたが、お
そらく常設展示が草間彌生さんの作品展示で、
企画展示が他の方の作品展示と言うことなの
でしょう。この日も駐車場からすぐ近くの展
示室では企画展示が行われていました。

松本市立博物館
一方、松本城への道すがら脇を通り抜けただ
けでしたが松本市立博物館では「日本刀は美
しい」と言う特別展が開催されていたようで、
対側の歩道から認識出来るほど大きなポスタ
ーが興味を誘ってきました。松本城へ行くこ
とが第一の目的でしたので、この誘惑には負
けまいと、後ろ髪をひかれる思いで歩を進め
るのでした。多分、外国人の方には刺さる展
示だったことと思います。

まつもと市民芸術館
3つ目は、まつもと市民芸術館です。ここは
演芸や観劇を鑑賞できる所のようで、間口
に対して奥行きの長い建物で建物全景を把
握することが出来ませんでしたが、建築家
の伊藤豊雄さん設計の建物と言うことで興
味深々に立ち寄りました。建物は幾つかの
立方体や楕円筒や円柱が組み合わさり構成
されているようで、内部までじっくり拝見
出来なかったのは心残りでしたが、その雰
囲気だけでも感じ取ることが出来たのは収
穫となりました。

松本まるごと博物館構想
と駆け足で巡っただけでも幾つかの美術館、
博物館を目にすることが出来ましたが他にも
小さな施設が点在しているようです。なんで
も松本市は市全体をひとつの博物館とみなす
「松本まるごと博物館構想」と言う取り組み
を行われているようで、どうりで多いなあと
感じた訳です。

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国宝

次は
茅野を後にし、特急で向かった先は松本です。
松本市は長野県内では比較的大きな都市にな
るのでしょう、駅前から広がる街の雰囲気か
らも、それが伝わってきましたが、同時に観
光客の多さも目につきました。恐らく日本文
化の色香が海外の方々を惹きつけるのでしょ
うね。

駅を降りてまず向かった先は国宝松本城です。
駅からは少し離れた位置にあるようでしたが、
歩きの範囲内と言うことで地道に歩いて向か
うことにしました。

大阪城や姫路城など、比較的大きなお城を見
ている関西人としては、小ぶりな印象でした。
お濠の脇にある、これが天守閣だとは思わず、
大きめの櫓の一つだと思って入場しました。

何故、これを櫓と思ったのかですが、以前震
災後の熊本城を見たことがあり、その櫓の一
つがお濠の隅を固めるように配置されてたの
です。なので、ここも同じくお濠の隅にある
櫓と思っていました。

意外に難敵
所が入場してみると、これが天守閣だったと
は意外でした。しかし、そんな小ぶりのイメ
ージとはかけ離れ、天守に向かう階段は途中
け上げ(段差)40cmもあるような部分が
あります。け上げ40cmとは通常の階段の
倍の高さですので、足腰が悪い方やお子様連
れの方にはかなりタフなお城です。それを甲
冑などの防具を身に着けた武士たちが上り下
りしていたことを考えると、かなりの難所の
ようにも想像しました。

足腰が悪い人やお子様連れはご注意を
上階ほど人数制限が設けられ、又上階は階段
も一つしかないため上がる人と降りる人が交
錯する部分もあったり時には交互通行にされ
たりで混みあいます。又途中で足を踏み外し
持っていた携帯が手元を離れ、下の人の頭に
当たる事故が発生したり、こんな事故が起こ
りやすいことは、予想が出来ることでもある
ため、もう少し入場口で厳しく制限を設ける
べきではないかとも思いました。恐らく皆さ
ん簡単に上がれると思い込んで来ているはず
で、こんなのとは想像していなかったはずで
す。

ちょうなハツリ
下層階の梁は写真のように、ちょうなハツリ
の痕跡がありましたが、上層階に行くと、そ
のような跡がなかったのと、写真のような金
属のブレースが梁を貫通し設けられていたた
め、後の時代に修復または補修などで架け替
えられたのかもしれないなと思います。

守護神
最上階の天井は井桁組された架構の中に二十
六夜神と呼ぶ松本城を守る神様が飾られてい
ました。

松本の街
最上階から眺める松本の街は南側以外の景色
が素晴らしく、上写真は西、北、東の順に並
んでいると思います。街と山が非常に近くに
ある内陸の地方都市は、丹波では感じられな
い都会感もあり、何よりも最高の青空がこの
日の気分を高揚させてくれました。

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お詣り

御柱祭
藤森建築を後にして向かったのは市の境界を
跨ぐものの、少しだけ先にある諏訪大社上社
本宮です。ここは御柱祭と呼ばれる見ている
だけでも、そら恐ろしそうな大木を坂から落
とす、あの神事が行われる神社です。

実際の会場は少し離れた場所にあるようです
が、映像を見ているだけでも柱の上に載って
いる人々の身の危険を案じずにはいれません
が、あの神事、坂から木を落とす前に未だ序
章があるようで、山から木を伐りだして麓に
下ろしてくるのも又その神事の一環として行
われるようで、実に長い日時を掛けて行われ
るものだなあと感心します。

実際に参加される方々の人出をどのようにし
て確保しておられるのかも関心があります。
何せ過疎化が進む地方の街の神事ですので、
おそらくどこも人手確保に苦心されているも
のと想像します。

参拝
私がアプローチしたのは正面鳥居側ではなく
東側にある鳥居の方から神社境内に入りまし
た。

いよいよ境内へ
国の重要文化財でもある入口御門を潜ると布
橋を渡ります。

本殿のない神社
こちらの神社は本殿がないそうですが山や神
木などの自然を神とする自然崇拝信仰が残っ
ているためだそうです。春宮では杉、秋宮で
はイチイの古木がご神木として祀られている
そうで、どうりで冒頭の御柱祭の神事が荘厳
であることと符合します。私も普段、国産木
材である杉やヒノキを材料とした建築づくり
に携わっていることもあり、神々への良いご
挨拶が出来たのではないかと思います。

速足でしたが諏訪大社上社本宮へのお詣りを
済ませ、次の場所へと向かうのでした。

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建物探訪2

守矢資料館を後にして直ぐ近くの藤森建築、
空飛ぶ泥船、高過庵、低過庵、五庵を訪問。

空飛ぶ泥船
まさに空を飛んでいるようにも見えますが、
UFOもののテレビなどで見る綺麗な円形では
なく、少しいびつな形で、ぼてっとしたフォ
ルムに愛着が沸きます。テンションを掛けて
引っ張り上げているのですが、テンションを
掛ける位置によってバランスを崩し上下逆さ
まになってもおかしくなさそうですが、強風
時などは、どうされているのでしょう?空飛
ぶ泥船が建つ敷地は少し高台になった途中に
あり、向かい側の街の景色や山並みが美しく
眺めることが出来るのだと思います。

高過庵(たかすぎあん)
アメリカのTIME誌で、世界でもっとも危
険な建物トップ10に選出されたこともある
そうで、確かに途中にある踊り場まで到達す
るだけでも怖そうですが、中からの景色はど
のようなものでしょうか?ゲゲゲの鬼太郎が
住んでいてもおかしくなさそうです。

高過庵と低過庵の対比。
低過庵が半分地中に埋まっているような感じ
になっているため、その差が際立ちます。

低過庵(ひくすぎあん)
段差のある土地の低い側に建てられているた
め、段の上側からは半分地中に埋まっている
ように見えます。スライドして開くらしい屋
根のために設けられているレールも建築に馴
染んでいます。

五庵
今回、訪れた藤森建築の中では最も新しい建
物です。先ほどの建物とは少し離れた住宅地
の中の空き地にある巨岩の上に建っています。
2021年に開催されたパビリオン・トウキ
ョウ2021で展示された高床式の茶室を一
旦解体して、この場所に再建されたそうです。
翼を広げた鳥の頭にちょこんと載せられた帽
子のような屋根が愛らしくもあります。

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