国宝
次は
茅野を後にし、特急で向かった先は松本です。
松本市は長野県内では比較的大きな都市にな
るのでしょう、駅前から広がる街の雰囲気か
らも、それが伝わってきましたが、同時に観
光客の多さも目につきました。恐らく日本文
化の色香が海外の方々を惹きつけるのでしょ
うね。
駅を降りてまず向かった先は国宝松本城です。
駅からは少し離れた位置にあるようでしたが、
歩きの範囲内と言うことで地道に歩いて向か
うことにしました。
大阪城や姫路城など、比較的大きなお城を見
ている関西人としては、小ぶりな印象でした。
お濠の脇にある、これが天守閣だとは思わず、
大きめの櫓の一つだと思って入場しました。
何故、これを櫓と思ったのかですが、以前震
災後の熊本城を見たことがあり、その櫓の一
つがお濠の隅を固めるように配置されてたの
です。なので、ここも同じくお濠の隅にある
櫓と思っていました。
意外に難敵
所が入場してみると、これが天守閣だったと
は意外でした。しかし、そんな小ぶりのイメ
ージとはかけ離れ、天守に向かう階段は途中
け上げ(段差)40cmもあるような部分が
あります。け上げ40cmとは通常の階段の
倍の高さですので、足腰が悪い方やお子様連
れの方にはかなりタフなお城です。それを甲
冑などの防具を身に着けた武士たちが上り下
りしていたことを考えると、かなりの難所の
ようにも想像しました。
足腰が悪い人やお子様連れはご注意を
上階ほど人数制限が設けられ、又上階は階段
も一つしかないため上がる人と降りる人が交
錯する部分もあったり時には交互通行にされ
たりで混みあいます。又途中で足を踏み外し
持っていた携帯が手元を離れ、下の人の頭に
当たる事故が発生したり、こんな事故が起こ
りやすいことは、予想が出来ることでもある
ため、もう少し入場口で厳しく制限を設ける
べきではないかとも思いました。恐らく皆さ
ん簡単に上がれると思い込んで来ているはず
で、こんなのとは想像していなかったはずで
す。
ちょうなハツリ
下層階の梁は写真のように、ちょうなハツリ
の痕跡がありましたが、上層階に行くと、そ
のような跡がなかったのと、写真のような金
属のブレースが梁を貫通し設けられていたた
め、後の時代に修復または補修などで架け替
えられたのかもしれないなと思います。
守護神
最上階の天井は井桁組された架構の中に二十
六夜神と呼ぶ松本城を守る神様が飾られてい
ました。
松本の街
最上階から眺める松本の街は南側以外の景色
が素晴らしく、上写真は西、北、東の順に並
んでいると思います。街と山が非常に近くに
ある内陸の地方都市は、丹波では感じられな
い都会感もあり、何よりも最高の青空がこの
日の気分を高揚させてくれました。
お詣り
御柱祭
藤森建築を後にして向かったのは市の境界を
跨ぐものの、少しだけ先にある諏訪大社上社
本宮です。ここは御柱祭と呼ばれる見ている
だけでも、そら恐ろしそうな大木を坂から落
とす、あの神事が行われる神社です。
実際の会場は少し離れた場所にあるようです
が、映像を見ているだけでも柱の上に載って
いる人々の身の危険を案じずにはいれません
が、あの神事、坂から木を落とす前に未だ序
章があるようで、山から木を伐りだして麓に
下ろしてくるのも又その神事の一環として行
われるようで、実に長い日時を掛けて行われ
るものだなあと感心します。
実際に参加される方々の人出をどのようにし
て確保しておられるのかも関心があります。
何せ過疎化が進む地方の街の神事ですので、
おそらくどこも人手確保に苦心されているも
のと想像します。
参拝
私がアプローチしたのは正面鳥居側ではなく
東側にある鳥居の方から神社境内に入りまし
た。
いよいよ境内へ
国の重要文化財でもある入口御門を潜ると布
橋を渡ります。
本殿のない神社
こちらの神社は本殿がないそうですが山や神
木などの自然を神とする自然崇拝信仰が残っ
ているためだそうです。春宮では杉、秋宮で
はイチイの古木がご神木として祀られている
そうで、どうりで冒頭の御柱祭の神事が荘厳
であることと符合します。私も普段、国産木
材である杉やヒノキを材料とした建築づくり
に携わっていることもあり、神々への良いご
挨拶が出来たのではないかと思います。
速足でしたが諏訪大社上社本宮へのお詣りを
済ませ、次の場所へと向かうのでした。
建物探訪2
守矢資料館を後にして直ぐ近くの藤森建築、
空飛ぶ泥船、高過庵、低過庵、五庵を訪問。
空飛ぶ泥船
まさに空を飛んでいるようにも見えますが、
UFOもののテレビなどで見る綺麗な円形では
なく、少しいびつな形で、ぼてっとしたフォ
ルムに愛着が沸きます。テンションを掛けて
引っ張り上げているのですが、テンションを
掛ける位置によってバランスを崩し上下逆さ
まになってもおかしくなさそうですが、強風
時などは、どうされているのでしょう?空飛
ぶ泥船が建つ敷地は少し高台になった途中に
あり、向かい側の街の景色や山並みが美しく
眺めることが出来るのだと思います。
高過庵(たかすぎあん)
アメリカのTIME誌で、世界でもっとも危
険な建物トップ10に選出されたこともある
そうで、確かに途中にある踊り場まで到達す
るだけでも怖そうですが、中からの景色はど
のようなものでしょうか?ゲゲゲの鬼太郎が
住んでいてもおかしくなさそうです。
高過庵と低過庵の対比。
低過庵が半分地中に埋まっているような感じ
になっているため、その差が際立ちます。
低過庵(ひくすぎあん)
段差のある土地の低い側に建てられているた
め、段の上側からは半分地中に埋まっている
ように見えます。スライドして開くらしい屋
根のために設けられているレールも建築に馴
染んでいます。
五庵
今回、訪れた藤森建築の中では最も新しい建
物です。先ほどの建物とは少し離れた住宅地
の中の空き地にある巨岩の上に建っています。
2021年に開催されたパビリオン・トウキ
ョウ2021で展示された高床式の茶室を一
旦解体して、この場所に再建されたそうです。
翼を広げた鳥の頭にちょこんと載せられた帽
子のような屋根が愛らしくもあります。
建物探訪
高部公民館を後にして、向かった先は神長官守矢資料館(じんちょうかんもりやしりょうかん)です。神長官守矢家は古代から明治の初めまで諏訪上社の神長官と言う役職を勤めてきた家なのだそうです。
こちらも4本の木が屋根を貫きます。この木はイチイの木だそうで、高部の集落を歩いて得たものだそうです。
柱が屋根を貫通する部分のディテールです。パイプを屋根に埋め込んで、その間を柱が通り抜けています。多分、雨の日はここから雨が漏ってきているんだろうなと思いますが潔い納まりです。
入った所でお金を払い、パンフレットを貰って、早速内部へ。写真撮影OKとのことで、さほど広くはない内部ですが、目の前の展示が、やけに気になります。
ウサギの串刺し、鹿の頭、25頭のイノシシと鹿の頭。流石にウサギの串刺しはショッキングですが、鹿やイノシシの頭は、昔のお金持ちの家に飾ってあるイメージですが、丹波でも生きている鹿は時々見かけるので、珍しさは感じませんでした。でも、1頭だけ頭が置いてある鹿は今にも話し出しそうで風格を感じました。諏訪上社では剥製の鹿の首で神事が行われるそうです。
トイレ周りの窓や戸のディテールです。既製品は一切なし、全てが制作物で、ガラスも平滑でなく微妙な凹凸に気泡が世界観に味を加えます。
この階段は上ってみたかったけど、ロープが張られてあったので見るだけでした。2階には収納庫と倉庫があるそうです。
この窓が開いている所を見たかったのですが、残念ながらこの日は閉まっていました。
長野出張
先週、長野県へ出張して来ました。目的は現
地調査を兼ねた打ち合わせのためですが、長
野県へはスキーをしていた頃に良く行ってた
のですが、独立後はスキーをすることもなく
なったため、かなり久しぶりの訪問になりま
した。
お伺いしたのは岡谷市と呼ぶ諏訪湖のほとり
にある街です。名古屋駅からは特急しなのに
乗り山間を走ります。丹波を出発して6時間
少し、丁度お昼頃に到着しました。
午後からはヒアリングや打ち合わせ後に現地
確認及び調査に時間を費やしました。また、
そちらの進捗は追って挙げて行くことにしま
す。
当日の滞在は駅前のホテルです。チェックイ
ンしたのは既に日が沈んだ後でしたので窓の
外の景色が分かりませんでしたが、翌朝、窓
から外の景色を眺めると僅かに諏訪湖の水面
が顔を出していました。(下写真)
翌朝、知らない街に来た場合は恒例の建物探
訪です。お隣の茅野市には藤森輝信さん設計
の建物が点在しているとのことで、朝早くか
ら茅野に移動です。朝の電車は丁度、通学時
間帯で多くの学生さんとともに観光客らしい
人々の姿も見受けられました。茅野駅から目
的地までは距離にして2キロ少しです。微妙な
距離で移動手段を模索しましたが、結局徒歩
を選択しました。
徒歩で移動する理由は、マークしていなかっ
た建物や街並みに出会える可能性が非常に高
いからです。但し、これは距離に限界がある
ので、私の場合は3キロくらいまでと思います。
ウォーキングで歩く距離が大体、それくらい
なのです。
で、一番最初に訪問したのが比較的近年に完
成したとされている高部公民館です。交通量
の多い道路沿いに、ふと現れる、らしさ全開
の外観は誰が何と言おうと藤森さんの設計に
よるものと一目で分かります。
柱が屋根を貫き、銅板を揉みこんで張った屋
根、黒い焼き板の外壁に漆喰で縁取りされた
窓。
建物に近寄るに従ってわくわくする気持ちと
にんまりする顔、傍から見ていると変かもし
れませんが多分、建築好きに共通する行動や
表情なのかもしれませんね。
建物の足元を隠すように鉄平石を張らずに立
てかけるだけなのは新鮮でした。
2枚目の写真から道路にそって少し進むと建
物の裏側を走る細い道路と合流する三叉路に
なります。敷地は三叉路の側に行くに従い絞
り込まれるようになります。ここから裏道側
に回ると二つの入り口があります。そして、
こちら側の屋根は銅板を揉み込んだようなく
しゃくしゃものではなく、一般のたてひら葺
き。おそらく予算のこともあったのでしょう。
竪樋を設けずに写真のように軒樋からの水を
そのまま地面に落とす潔いデティールです。
柱の足元は、どうなっているんだろう?銅板
が巻いてるのは分かりますが、その下の黄色
い部分はコンクリートの基礎の上に何かしら
の仕上げを施しているようにも見えますが、
柱は固定されているのか?はたまた置いてあ
るだけなのか?
流石に内部を見ることは出来ませんでしたが、
小さな建物がどのように活用されているのか
も気になります。
リノベーションについて その20
しばらく続けてきました、「リノベーション
について」シリーズですが、一旦これまでの
内容をまとめて、締めにしようと思います。
又、時期を見て「その21」から再開するか
もしれませんが、その時には宜しくお願い致
します。
まとめ
1.建築確認申請が必要になることがある
壁、柱、床、はり、屋根又は階段の1か所で
も過半に及ぶ工事がされる場合は確実に建築
確認申請の提出が必要になります。例えば階
段の位置や向きを変えるだけでも建築確認申
請が必要になります。必要なら提出すればい
いやん、と思われるかもしれませんね。
只、提出だけで済むのなら何の苦労も無いの
ですが、建築確認申請を提出するということ
は階段以外のあらゆる部分を現在の建築基準
法に従ってグレードアップしていかないとい
けません。それだけ皆さんの金銭的負担も増
えます。様々にハードルが上がることをお分
かりいただけますでしょうか?
2. 耐震性や断熱性も考える
リノベーションでは出来上がりの表面的な部
分が注目を浴び勝ちです。例えばキッチンが
新しいのになり嬉しい、とか、お風呂がユニ
ットバスに変わり便利になったとか、見た目
に分かりやすい部分の評価はしやすいのです
が、折角、大々的に建物を触るのなら耐震性
や断熱性についてもグレードを上げておくべ
きなんです。
耐震性なんて、「いつ地震が来るのかも分から
ないのに」とか「あと何年、この家に住むか
分からないのに」などとネガティブ発言を耳
にすることもあるのですが、やっておくこと
で精神的な安定に繋がりますし、ついでにす
ることで費用を抑えることが出来たり補助金
を使えることだって出来ます。
又断熱性を上げることで、ご自身の暮らしが
劇的に変わります「こんなに暖かくなるんだ
ったら、もっと早くやっておけば良かった」
と仰る方も多くいらっしゃいます。ご自身の
身体に優しくヒートショックの心配も減らせ
ることから、特に冷え性の方、アトピーや喘
息をお持ちの方やご年配の方には是非とも考
慮していただきたいと思います。
3. 事前の調査が重要
人間も健康診断を受けたり人間ドッグに入っ
たりしてメンテナンスをするように、建物も
あらゆる面から調査をしておくことで、その
建物が持つ問題点を把握しやすくなります。
先の耐震性や断熱性の問題を解決するにして
も調査が丁寧に行われることで、より的確な
補強や修繕を行いやすくなります。
4. 構造種別
建物は木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造な
ど様々な構造種別があります。日本の戸建て
住宅では殆どの建物が木造で出来ていますが、
木造は自由度も高く、何度も増改築を繰り返
しながら住み継がれていて、それが良い場合
もありますが、逆にそれが雨漏りの原因を生
んだり、構造的な欠陥を生んだり、欠点にな
る場合もあります。
又、集合住宅(マンションやアパートなど)
では鉄筋コンクリート造や鉄骨造が採用され
ることも多く、木造のような自由度はありま
せんので無茶な増改築はし難い建物と言えま
す。但し、一旦つくってしまうと、後から躯
体に穴を空けたりすることが難しいため特に
設備機器を更新する際に問題となるのがそれ
らの配管配線を、どのような方法で躯体を貫
通させるのかと言うことです。新築する場合
は、それらを見越して先に予備の穴をあけて
おくなどするのですが、リノベーションの場
合は特に躯体への配慮が必要になります。
5. 設備機器の更新
構造種別は置いておきリノベーションでは設
備機器の更新をされる方も多いと思います。
特にオール電化にするのか、ガスも併用にす
るのか、あるいは太陽光発電を導入するのか、
マニアックですが、オフグリッドと呼ぶ管や
線をつなぐことなく、電力や水を自力で調達
する方法もあります。
それらのメリット、デメリット、ご自身の生
活に照らし合わせて、どの方法が最もライフ
スタイルに適しているのか、を見直すのも、
この機会に見直してみるのも良いと思います。
6. 点検商法にはお気を付けください
最近は随分と減っているのかもしれませんが、
住宅系の工事で訪問営業でやってくるのは、
殆ど怪しんで良いと思います。困った場合は、
一人で判断せずに、誰かに相談する。それが
無理なら御家族が気を付けていただくと言っ
たオーソドックスな対処方法しかないと思い
ます。「身内に建築工事の関係者が居るから、
御社には頼めません。」と言った方便で切り
抜けることも考えてみて下さい。
7. WHOでは
WHO(世界保健機関)では住まいと健康に
関するガイドラインにおいて冬季の室内温度
は18℃以上が好ましいと勧告しています。
冬の室温が18℃以上であれば呼吸器系疾患
や心血管系疾患のリスクが低減できると確認
されたからです。また高齢者や子どもの場合
は、さらに暖かい環境が必要であることも述
べています。
詳しくは、こちら をご覧ください(PDFが開
きます)
8. 温熱測定
当事務所では新築で出来たお住まいや、リノ
ベーション前後のお住まいの温熱測定を実施
させていただいています。これは前述の「W
HOでは」にも関係しますが、実際に出来た
お住まいの室温を把握しておくことで、この
仕様であればこれくらいの室温を確保できる
と、皆さまに、お伝えできるようにすること、
とともにデータを分析し、今後の改善にも生
かすために蓄積させていただいています。そ
のためには、こちらの意向を汲んで適切に施
工していただける施工者さんのご協力も大事
になります。
9. 石場建ての建物
基礎の無い建物を、石場建て構法と呼ぶので
すが昨今、このような建物を購入して住んだ
り、用途変更して他の用途の建物として生か
したいと言う需要があります。但し、用途変
更する場合、床面積が200㎡以上になる場
合は用途変更のための書類手続きが必要とな
ります。手続きが必要になると言うことは当
然、耐震の面でも断熱の面でも現在の法を順
守する必要が生じる訳です。
出来るだけ現在の面影を変えずに手を加える
にしても、法順守のための根拠が必要になり
ます。それらの根拠を示すのは、全て何らか
の計算をする必要が生じます。石場建ての構
造安全性を検証するには限界耐力計算が向い
ていると言われています。しかし、この計算
を出来る人は未だ少ないのですが、私も時間
を見つけて取り組んでみようかと思いますが
現段階では未だ出来ていないのが現状です。
出来るようになった暁には又公表させていた
だきます。
10. 住宅医と言う選択肢
私も登録している住宅医と呼ぶ民間の制度が
あります。これは、ここまでに取り上げてき
たリノベーションにおける問題点を調査の上
に洗い出して、最善を尽くし改善しようと言
った取り組みをされている方々の集まりです。
詳しくは こちら をご覧ください。
と言う訳で20章に渡りお伝えしてきました
「リノベーションについて」シリーズも、こ
こまでで一旦、締めとさせていただきますが
又ウェブサイトにもリノベーションの専門ペ
ージを増やしたいと思いますので、ご期待下
さい。ありがとうございました。
次回からは通常のブログに戻りますので宜し
くお願いいたします。
リノベーションについて その19
雨漏りはとても気になる
このシリーズの「その8」の時に屋根替え工事
をした時の写真を少しだけ紹介させていただき
ましたが、リフォームやリノベーションでは屋
根からの雨漏りも気になる部位になります。昔
の建物では下屋の防水シートの立ち上がりが少
なく、その立ち上がり不足の部分から台風など
で雨が巻き上げられると、大変な雨漏りとなっ
て部屋の中を濡らしてしまいます。
立ち上がりとは
写真が下屋の防水シートの立ち上がりを写した
ものです。立ち上がりとは垂直壁面に沿ってど
れくらいシートが立ち上がっているかを指すの
ですが、この写真で約30cmほど立ち上がっ
ています。
昔の建物では
ところが昔の建物では5cmほどしか立ち上が
っていません。それでは強風で雨が巻き上げら
れると防水シートを乗り越えて建物の内側に入
り込み1階の天井から雨が漏り始めます。天井
に雨染みがあるのは、おそらくそれが原因の可
能性が高いと思いますが、他にも谷樋になって
いて、その谷樋が銅板で葺かれているため酸性
雨で銅板が腐食し穴が開いて雨漏りになる可能
性も高くなります。
シンプルが一番
屋根の形状は出来るだけシンプルである方が雨
漏りの可能性を下げることが出来ます。屋根の
形状がシンプルと言うことは平面形状も同様に
シンプルであると言うことになります。
屋根替え
話が逸れましたが、屋根替えに話を戻します。
この建物は元々、茅葺であった屋根の上から
茅を下ろさず、その上から鉄板を被せた、い
わゆる缶詰と呼ばれる状態になっている屋根
です。
ご予算の関係で屋根だけを葺き替える提案を
させていただきました。内部は屋根を支える
構造体が繰り返された積雪などの重みに堪え
兼ねて、折れてしまい、応急処置が施された
状態でした。天井裏に上がると屋根板も脆く、
危うく踏み抜きそうになりました。
一見、立派に見える梁も割と華奢で、余計な
荷重を載せるとたわみも大きくなりそうでし
た。そのため屋根架構は出来るだけ下部に柱
のある個所に屋根を支える束を置き、成立さ
せることを考えました。又屋根勾配も写真ほ
どきつくすると、屋根面に足場を設けないと
いけないため、屋根替え後の勾配は少し緩く
なっていますが、それでも6寸勾配(約31°)
もあります。
割と華奢
写真から、複雑な屋根組ですが、割と華奢な
梁サイズであることをお分かりいただけると
思います。
扠首組
屋根は扠首組(さすぐみ)と呼ぶ軒桁より上
の部分を置いてあるだけの構造なので、屋根
の解体は比較的楽なんです。
屋根の解体
そのため、一旦屋根を取り払った状態が上の
写真なのですが、見事にフラットな状態が生
まれています。
定点観測
同じ場所から屋根が出来上がって行く様子が
分かります。
余計な負担をかけない
屋根の形状が対象になっていないのは、先述
した下に柱が建つ位置に小屋束(屋根を支え
る部材)を立てたためで、そうすることで華
奢な梁に余計な負担を掛けずに済みます。何
も考えずに以前と同じように対称形の屋根に
してしまうと、長期目線で建物の寿命を縮め
ることになります。見た目こそ大きく変わり
ましたが、屋根の大きさは健在です。
リノベーションとは
リノベーションとは単に直すだけの行為では
なく、事前の調査を元に、建物の特徴を把握
し長期目線で建物のことをより良い状態にす
る行為です。
リノベーションについて その18
築40数年の住まいを測定
前回は、築20数年のお住まいのリノベーシ
ョンした部屋としていない部屋の温熱測定結
果を比較してみました。
建築年代から考えると20数年前のお住まい
では、厚みこそ薄い物でしたが天井及び壁に
はわずかに断熱材が入っていました。
では、もう少し築年数が古いお住まいではど
うか?と言うことで築40数年のお住まいの
温熱測定をしています。現段階で特に工事の
予定は無いため工事前後の比較はできません
が公開させていただきます。こちらのお住ま
いは内外ともに真壁造の土壁仕様で無断熱の
住宅です。
2階寝室の室温
2023年2月15日から2月21日までの
7日間、2階の寝室を測定したもので、昼間
はほとんど在室していないため、リビングな
どのように暖房が常についている訳ではない
ため、より室温は低くなりがちだと思ってい
ただければ幸いです。
赤が室温、青が湿度で最低室温3.9℃、平
均室温8.9℃と、とても寒いのですが、後
半はやや室温も上がり気味で、外気温にひっ
ぱられて、やはり無断熱住宅だと、こんなも
のか、と言う気もします。
内外真壁の家では外気温による影響大
そして、こちらの表は同地域のアメダスデー
タで赤囲みの範囲が測定期間になります。測
定期間前半3日間は、最低気温がマイナスに
なる寒い日が続きましたが2月19日辺りは
平均気温が10℃を超える、この時期にして
は比較的暖かめの日があります。
このようなお住まいに、どのように断熱補強
をすべきか?難しい判断ですが、土壁の長所
を生かすなら室内は真壁のままで外壁側に断
熱措置を施した上で、内外真壁の短所である
雨対策を強化すべく屋外側は大壁として仕上
げるべきと考えます。
内外真壁の建物の改修
上の2枚の写真は先の温熱測定のデータの建
物ではありませんが、内外真壁のお寺の庫裏
の改修工事前後のものです。1枚目が工事前
で2枚目が工事後になります。2階部分は手
を入れていないため、変化はありませんが1
階部分は断熱改修も含めて水回りを増設して
います。隙間だらけの木製窓は取り替え、建
物の外側は焼き板を貼って大壁仕上げとして
います。
もっと早くやっておけば
工事後、住職からうかがったお話では「工事
前と比べると全然あったかくて、こんなに変
わるんだったら、もっと早く工事をしておけ
ばよかった」とおしゃっておられました。断
熱改修を行うと殆どの方が「もっと早くやっ
ておけば・・・」とおっしゃいます。それほ
ど、寒さと言うのは年齢を重ねれば重ねるほ
ど身体に堪えるようになります。温度差によ
るヒートショックの可能性も高くなります。
全面改修は難しくても
全面改修は難しくても長時間滞在するLDK
+水回りだけの改修を考える方も増えていま
す。欲を出すなら寝室も改修出来れば快適な
睡眠時間をもたらせてくれることと思います。
限られた予算の中で何が出来るのかを皆さん
と一緒に考え、そしてこのようなデータの蓄
積から結果を分析し、常に最善の方法を求め
続け、提案出来ることが私どもの強みでもあ
ります。
リノベーションについて その17
断熱工事の効果
このシリーズの「その3」の時に断熱の話を
少しさせていただきましたが、今回はその効
果についてお話をさせていただきます。
今年の4月から新しく建つ住宅については省
エネ住宅の義務化により、全て一定の省エネ
性能を有することを求められるようになりま
した。
既存住宅は法の外か?
では既存住宅はと言うと法の網からは外れ、
取り残されています。但し、国の制度によっ
て内窓を入れたり、高断熱化工事や高効率機
器の導入に対して補助金が与えられています。
暑い寒いは身体に堪える
個々では住まいの暑い寒いを何とかしたいと
言う要望も多く、昨今夏の異常な暑さは特に
年配の方の身体にも堪えます。そして結露も、
何とかしたい現象の一つでしょう。
実測データより
次のグラフは2階建て住宅の1階のみを断熱
工事も含めたリノベーションをしたお住まい
の温熱測定結果です。1枚目が工事をした後
の1階の測定結果で2枚目は同お住まいの工
事をしていない2階の測定結果です。どちら
も測定期間は同じです。
1枚目は赤と青の線が交錯していますが2枚
目はそれらの線が交錯していません。これは
エラーでは無く、新しく購入した測定機器と
以前に購入していた測定機器による表示方法
の違いです。
1枚目は縦軸がグラフの両端に目盛りを設け
てあり左の縦軸が室温を右の縦軸が湿度を現
わしています。一方2枚目は縦軸は左端にし
か無く室温も湿度も同じになっているため線
の交錯の有無が生まれます。
どちらも赤が室温で青が湿度を現わしていま
す。何れも2021年2月14日から同2月
23日まで測定していて、工事をした後の1
階は平均室温が16.2℃、一方工事をして
いない2階は平均室温12.2℃で、その差
が4℃もあります。
但し、滞在時間が長くなる1階は平均室温も
高くなりがちなため、どう比較すべきかが難
しい所ですが、最低室温を比べてみると工事
をした1階は10.3℃、工事をしていない
2階では4.5℃と倍以上もの違いが生まれ
ています。
最低室温の差に注目
最低室温とは要するに保温力の違いです。夜
寝る前に暖房をオフにしてから朝起きて暖房
をオンにする直前までに室温がどれほど下が
るのか、10℃以上あれば布団から出て上着
を羽織れば、そんなに寒さを我慢せずに、す
ぐにでも行動できる温度です。私の場合は。
一方4.5℃になると、先ず布団から出るの
に勇気を振り絞る必要があり、布団から出た
としても直ぐに上着を着込まないと、寒すぎ
て行動さえ起こせません。それほどの差が今
回の工事でついたのです。逆を言えば差が付
いたことで、やっぱり2階も断熱工事をした
いと言う要望が生まれてもおかしくありませ
ん。
WHOでは
WHO(世界保健機関)では、2018年に、
住まいと健康に関するガイドラインにおいて
冬季の室内温度は18℃以上が好ましいと勧
告しています。これは、冬の室温が18℃以上
であれば、呼吸器系疾患や心血管疾患のリス
クが低減できると確認されたからです。また、
高齢者や子どもの場合は、さらに暖かい環境
が必要であることも述べています。
室温18℃への挑戦
先述の当方の測定結果によると、室温18℃
までには少し及んでいません。これは部分間
歇暖房と言う日本の暖房方法が影響している
と考えています。
部分間歇暖房とは人が居住する部屋で起きて
いる時間のみ暖房を運転することを指すので
すが、24時間連続冷暖房システムを採用し
ていないお住まいでは、殆どが部分間歇暖房
になると思います。人が居ない部屋と人が寝
ている時には暖房がオフになるため室温は下
がるしかありません。しかし平均でなら18
℃は目指せる可能性はあるので、もう少し改
良すべき点や住まい方の工夫で達成できるラ
インかと思っております。
特別ページもご覧下さい
因みに、既出のグラフのお住まいのインタビ
ューを含めた特別ページも作っています。
宜しければ、こちら もご覧下さい。
→ リノベーション特別ページ
リノベーションについて その16
構造のお話
今回は少し難しくなるかもしれませんが構造
の問題です。事前調査が必要な理由のナンバ
ーワンがこの問題にあると言っても過言では
ありません。但し、これは間取りさえ把握で
きれば床下や屋根裏を覗かなくても、凡そ判
断できます。
柱が無い
良くあるのが2階の出隅の柱の真下に1階の
柱が存在しないと言ったパターンです。
床の間の横が書院になっていたりするとこの
ようなケース非常に多いのですが何が問題か
と言うと出隅の柱には非常に大きな力が作用
し易いのです。力の流れは上から下へ、即ち
屋根から地面へスムーズに力を受け流し、地
面に伝えることが必要なのですが、その際に
1階の柱が無いと、その力は梁で負担するこ
とになります。従って梁は大きなサイズの材
料が必要になりますが、大きな材料が必要と
言うことは材料費も増えますし、大きさにも
限界があります。他にももっと専門的な理由
はありますが難しすぎるためこの場では割愛
させていただきます。
下図が、その一例です。このケースでは「2
通」と「ろ通」の交点に2階の柱が載ること
になるのですが、その位置の1階には柱が存
在しません。しかし直ぐ隣の「3通」に柱が
存在するため、このケースでは未だマシな方
かもしれません。
極端な例ですが
しかし、次のケースになると「ろ通」には
「1通」と「6通」にしか柱が無い上に2階
には「2通」の位置に柱が載ります。こうな
ると構造的には相当無理な計画になり何かし
らの問題が起こる可能性が高くなります。極
端な例を挙げましたが、リノベーションでは
往々にしてこのような無謀な構造計画がされ
ているケースも結構あります。
直下率
ですので力の流れをスムーズに流そうと思え
ば2階の柱の真下には1階の柱が存在してい
ることが理想となります。上下の柱の位置の
一致する割合を直下率と言う言葉で表すので
すが、直下率の低い建物は繰り返し地震にも
弱いと言うことが発表されています。繰り返
し地震とは直近では熊本県を中心に起こった
大きな地震が数日の内に起こることを指しま
す。
スパン飛び過ぎ問題
これも又、間取りを把握できれば凡そ、分か
るのですが柱と柱の間隔が大きく空いている、
いわゆる構造スパンを飛ばしすぎている間取
りが存在ます。スパンを飛ばし過ぎると、経
年で2階の床のたわみが大きくなったり、下
屋に問題が起こることもあります。
2間以内に柱が欲しい
新築で考える場合は、単純梁の状態でスパン
2間で材料の成が約8寸で考えられます。こ
れは両端の柱の上に載る梁の上には何も荷重
が載らない状態での話です。下図が、その内
容を説明したものになります。
丘立ち柱
仮にそのスパンの上に柱や束が載ると梁の成
は8寸では持ち堪えられません。建物が新し
い内は何ともない様に見えても次第にたわみ
が大きくなるため2階の床に影響が出ます。
その柱や束が1本、2本と本数が増える度に
梁成を大きくする必要がありますが、材成に
も限界がありますので私の場合、新築建物で
は出来るだけ梁の上には柱が載らないような
計画を目指すのですが、どうしても仕方ない
場合は1本だけ柱や束が立つように収める努
力をしています。
大丈夫だろう?は大丈夫では無い
何度も繰り返しになりますが、リノベーショ
ンでは、無理な構造計画になっていることが
良くあります。
大きな梁が入っているから大丈夫だろうと思
っていても計算してみるとアウトになってい
るケースも非常に多く、これを是正できるの
はリノベーションの機会しかありません。
見た目よりも中身が大事
見た目重視の無柱大空間も良いけれど、その
危うさを良く知っておくことが重要ですし、
下手に床を抜いて吹き抜けを造っても良くな
いケースも出てきます。
その意味でもトータルにバランスを見て判断
する目を持つ人に仕事を依頼する方が賢明で
す。
リノベーションについて その15
精密検査のように
リノベーション前の調査では床下や天井裏を
調査することを以前お伝えさせていただいた
と思いますが、では床下や天井裏を覗いて何
が分かるのか?と言うと実は色んなことが分
かります。
人の身体は問診や触診では分からないけども
胃カメラやMRIなどで身体の内部を覗くこ
とで分かることがあるのと同じで、床下や天
井裏を覗くことで、その家の骨格が分かった
り、傷んでいる場所や蝕まれている個所が分
かったりすることがあります。
もっとも隅から隅まで覗ける訳ではないため、
完全把握することは難しく解体時に発見とな
ることもあります。
点検商法にご注意を
珍しいケースでは悪徳点検商法に引っかかっ
てしまっていたのを発見してしまったことも
あります。
天井裏を覗き込んだ際に普段見覚えの無い珍
しい金物が一杯ついてて「あれは、どうされ
たのですか?」と御伺いすると実は飛び込み
の営業マンが来てと、その会社の名前の入っ
た報告書なるものを見せていただきました。
耐震補強とは
耐震補強って屋根裏に金物を取り付けただけ
では補強になることはありません。まずは壁
と接合部(柱と梁が繋がる部位や柱と土台が
繋がる部位など)を補強したり、荷重の軽量
化を計ったり、基礎の補強をしたりなど、全
体的な話になるため屋根だけ、床だけを何と
かすると言った補強は無いものと考えていた
だいて良いと思います。
おまけに、その家では床下を覗き込んだ際に
直ぐ目の前にある樹脂製の床束が変な間隔に
並んでいて手を伸ばして触った所簡単に束が
外れてしまいました。それも1本だけではな
く2本も、おそらく手の届かなかった遠くに
あった束も只、置いてあるだけで全く床を支
えていなかったのです。
消費者センター
私は、その報告書と手で外すことが出来た床
束を持って消費者センターに相談に行くよう
に勧めましたが、事実を知った住人の方は相
当、ショックを受けられていました。何せ、
その業者はテレビCMも大々的に流し、一部
上場している会社だったのですから。後で調
べた所、その会社はそう言った悪徳な訪問営
業による点検商法で一時、国から業務停止命
令を受けていたことも分かりました。
床下で分かること
床下に潜って分かること、雨漏りなどによる
腐朽やシロアリによる蟻害、床下地材のスパ
ンが飛びすぎて居たり、束が少なかったりす
ると床のたわみが大きくなることもあります。
床下は乾燥している方が良いのですが、建物
が建つ場所によってはそのような環境に恵ま
れないことも多々あります。特に山の際に建
つ家などは山からの水の影響を受けやすく湿
気ていることが多いのではないでしょうか。
木材腐朽菌
木材を腐朽させる木材腐朽菌と呼ぶ菌は湿度、
温度、栄養(木材自体)、酸素の4つの条件
が揃うと発生します。これら4つの条件の内、
3つはコントロールの仕様が無いのですが、
湿度に関してはコントロールの仕様があるた
め床下の湿度を抑える工夫を皆がなんとかし
ようと努力しています。
シロアリ
シロアリは突然現れる訳ではなく、先の木材
腐朽菌によって木材が柔らかくなった所を食
害するため、やはり木材腐朽菌が繁殖しない
ような環境づくりが必要なのですが、所が近
年では乾燥した材料にも害を及ぼす乾材シロ
アリと呼ぶ種類も海外の木材に混じって国内
に発生するようになっています。
日本固有種であったヤマトシロアリは殆ど床
下や柱の足元程度までの食害ですが、この乾
材シロアリは2階の桁の高さであっても被害
に遭うことがあるそうですが、私は未だ乾材
シロアリの食害にあった跡を見たことはあり
ません。
よく見るのはヤマトシロアリやイエシロアリ
の被害跡ですが、これらの種類は春先の5~
6月頃の外気が少し暖かくなってくる頃に水
回りなどを中心に羽アリが群飛と言って大量
に発生するため唯一目視で確認出来るタイミ
ングなのですが、丁度この頃になるとCMな
どにも良くシロアリ退治は・・・と言った内
容で流れてきます。
食害跡
写真は解体時に発見されたシロアリによる食
害を受けた土台の部分です。扉の向こう側は
トイレになっていてやはり、水を使う場所の
近辺は湿度も高くなることから木材腐朽菌が
発生する条件が整いやすくなることがこの事
例からもお分かりいただけることと思います。
雨漏りから
こちらの写真は先の写真とは又別の現場です
が、外部に面した柱の足元です。雨漏りなど
によって柱の足元の条件が揃い、木材腐朽菌
が発生した後に柱の内部をシロアリによって
食害された跡です。
シロアリは木材の表面を食べずに薄皮1枚残
した、その内側を食害する傾向があるようで、
外部からは何も被害を受けていないように見
えることもありますが、実はその部分を触る
とペコペコと薄皮1枚が凹んで実は食害に遭
っていたと言ったことが分かることもありま
す。幸か不幸かどちらのケースも撮影箇所の
上の方まで被害に遭っていることはありませ
んでしたので補強工事が大々的になることは
ありませんでした。
イレギュラーを減らす
これらのように、リノベーションでは最初に
予定していなかったケースが登場します。し
かし出来るだけ予定していなかったケースを
減らす意味でも事前の調査は重要になってき
ます。
リノベーションについて その14
気を付ける
まだまだリノベーションの実例はあるのですが、
今回からリノベーションにおいて気を付けるべ
き点や問題となる点などを紹介させていただき
ます。
リノベーションの動機
リノベーションの動機としては各ご家族個々の
問題を解決することが最も多いと思います。そ
れ以外で多いのは、間取りの不便さ、劣化や老
朽化による問題、結露、バリアフリー、設備機
器の更新、光熱費、最近では耐震性や断熱性を
考えられる方も増えています。
設備機器
今回は設備のお話になります。昔は電気とガス
を併用したパターンが多かったと思いますが、
一時オール電化が主流を占め、大きな災害が起
こったことで電気一本を家庭のエネルギー源と
することを不安視する方も増えました。太陽光
発電を搭載することで電気代を抑え、かつ非常
時の電源として活用する方法もあります。又、
緊急時に電気自動車を電源として活用する方法
もあります。
いざと言う時の備え
実はつい先日、私の住む地域で落雷による停電
がありました。そんなに酷い雷鳴がしなかった
ため、直ぐに復旧するだろうと思っていたので
すが、いつまで経っても電気は点きません。懐
中電灯とスマホの電燈機能を立ち上げていまし
たが、スマホのバッテリーもいつまでもつか分
かりませんし、いざと言う時のための備えが出
来ていないことを痛感しました。
電気のない生活
昔と違い現代の生活は多くの電力を必要とする
製品ばかりです。エアコン、電子レンジ、エコ
キュート、ポット、炊飯器、IHコンロ、テレ
ビ、パソコン、トイレ、などなど私たちの身の
回りには電気を必要とするものばかりです。電
気が止まるとたちまち私たちの生活がストップ
することが想定されます。
分電盤
これは分電盤の写真ですが、築20数年程度の
お住まいでしたので未だ回路の数も多い方です。
ところが築年数が40~50年程度のお住まい
になると回路の数は半分程度になるため、写真
の黒いスイッチの数が減ります。
そのように築年数の経ったお住まいの設備機器
の更新を伴う、リノベーションではこれらの回
路の数が足りなくなるため増設する必要もあり
ます。住まいのあっちとこっちで電気を使うと
ブレーカーが落ちることが多いお宅は既に回路
の数が足りていないんだと思います。
私どもの調査では、このような個所のチェック
も必要となるため撮った写真です。