28坪 最小限の木の家(2014年)
地元工務店のモデルハウスを数社回りましたが、自分たちの目指す住まいでは無かった、必要最低限で構わないので無駄が無く一つ一つに意味のあることをしたいんですとは、住まい手さんのご要望でした。
当初の、ご要望は塀を建てずに目隠し効果のあるプランでした。第一案ではL字型のプランによって、それをクリアできたのですが、直接採光が無い部分や凹凸のある平面を好まれませんでした。
最初のご要望を覆しても良いので、シンプルな形をと決まったのが、こちらです。
玄関からガレージまでは雨に濡れることなく行けること、樹脂サッシの採用なども絶対条件でした。
無駄をなくすとは、空間の無駄も含みますので屋根裏空間は物置として利用しています。
建築場所 京都府綾部市
敷地面積 165.00㎡ (49.91坪)
建築面積 76.67㎡ (23.19坪)
延床面積 110.84㎡ (33.53坪)、(28坪は居住部分の面積を指します)
Q値 1.76W/㎡K 、 μ値 0.038
※ 最後まで見て頂くと、冬季の室温測定の結果も掲載しています
南東面外観
車から降りて雨に濡れずに玄関に入れる駐車スペースを設けています
写真左から
南西面外観、南西面外観夜景、南面外観夜景
東面外観
東面に設けた駐車スペースのための下屋は玄関のアプローチも兼ねています
写真左 玄関はその外側に鍵付の網戸を備えています
写真右 玄関から更に一歩奥には朝の準備のための収納棚を備えています
1階は小上りの和室とダイニングキッチンスペース、水回りのコンパクトなスペースです
写真左 キッチンの手元は背の低い棚を造り付け家事のお手伝いもし易くなっています
写真右 2階の吹抜に面したワークスペースです
写真左 2階はキャットウォークで部屋と部屋が繋がり回遊できる動線となっています
写真右 子供部屋
写真右 洗面台
写真中 北前ヒバを貼った浴室
写真右 大便器、小便器を備えたトイレ
室温測定
住まいの完成後、生活が落ち着いた頃合いを見計らって、室温測定機器を設置させて頂きました。
上図が室温測定の結果です。測定したのは2015年1月31日~2月11日までの間です。
測定期間中の最高室温は24.5℃、最低室温は12.4℃、平均室温が17.5℃となっています。
そして、下には同期間中のアメダスデータを掲載しています。
同市内にはアメダスポイントが無いため、地理的に最も近い福知山市のデータを採用しています。
測定期間中外気温は2月9日に最低気温-2.5℃を記録しています。その日の室内最低室温を見ると約15℃で、室内外の差は17.5℃となります。お年寄りが同居されるお宅では、冬場に室内の温度差で事故が起こることがあると言われますが、これだけ室内温度がキープされていれば、その心配は少ないと思います。
施工 / 株式会社 坂根工務店
撮影 / 中村写真工房