バイクガレージのある平屋(2019年)
第一回地域産材建築デザインコンテスト in 兵庫 奨励賞受賞
バイクを複数台所有される住まい手は、そのメンテナンスのためのスペースや将来、更に台数を増やすことも視野に置き、広さに少し余裕のあるスペースを望まれました。
生活空間とバイク置場、両方の間を取り持つことになったアプローチ部分はトンネル状に南北を空けています。
北側の幹線道路の街路樹が、風によって揺らされる様やトンネルの中に吹く心地よい風はバイク置場にも流れ、このスペースでの作業も非常に快適になることが想像出来ます。
生活空間は、片流れの緩やかな屋根で、南側に軒深く延ばしています。この軒に守られた外縁は、半分をサービススペース、残り半分を生活空間の延長とし、
サービススペースの部分を外部からの視線を遮るために水平ルーバーを設け、外観デザインのアクセントにもなっています。
内部は生活し易い平屋とし、建具の開閉でワンルームになったり、部屋を区切れたりする日本家屋が持つ柔軟な空間となっています。
建築場所 兵庫県神戸市
敷地面積 244.39㎡ (73.93 坪) 屋根;ガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き
建築面積 81.75㎡ (24.73 坪) 外壁;杉焼板張り(下地で防火制限をクリアしています)
延床面積 69.65㎡ (21.07 坪)
Ua値 0.54 W/㎡K
ηa値 0.9 %
南西外観
車2台を縦列に停車することが出来るアプローチ兼用スペースが迎え入れてくれます。
南面デッキ
サービスコート部分に外からの視線を遮るための水平ルーバーを設け、外観デザインのアクセントにもなっています。
バイク置場と居住スペースを結ぶトンネル状のアプローチ
バイクガレージ部分は素の杉板張りとしています。
アプローチとバイク置場
トンネル状のこのスペースは夏、南北に抜ける風が心地よく感じます。
玄関
玄関は床、壁、天井共に節の無い綺麗な杉板を張り、素材感を統一しています。アプローチの外のトンネルから内部の木のトンネルを抜けた先には屋根形状に沿った開放的な空間が現れます。
リビング
屋根形状に沿った開放的なリビングスペースは南に大きな窓と深く伸びた軒先で守られた心地よい空間です。
リビング
リビングからキッチン方向を眺める
キッチンカウンターも又、節の無い綺麗な杉板で囲い、素材の統一感を現しています。
左/キッチンカウンター
換気扇はダクトの排出先やサイズ感を考慮し箱型の中に仕込んでいます。
右/寝室
寝室とリビングの境目は欄間部分をオープンにし、高所に溜まる夏の暑い空気を北側の高窓から排気させるための対策です。
キッチン内部
キッチンからサービスバルコニーに直接出入り出来ることで家事が一段と楽になります。
寝室
北側の幹線道路は朝晩、多くの車やバスが通過するため大きな窓を避けています。又高い位置にある窓から夏の熱気を排出します。
サニタリースペース
洗面、洗濯、トイレまでを同じ空間にまとめたホテルライクなスペースです。
施工 / 有限会社 あかい工房
撮影 / 中村写真工房
神戸:趣味と暮らしを分断せず、“同じ土壌”に乗せた家(バイクガレージのある家|2017)
土壌課題:バイクという趣味と日常生活が分断されがち
判断の芯:ガレージを“別棟”ではなく、暮らしの中に組み込む
効き方:趣味と日常が自然につながる
この家の初にあった課題(編集+空気)
バイク置き場が単なる収納になりがち
外部扱いだと、温度・湿気・管理が難しい
趣味の時間と生活が切り離される
敷地・条件
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芦田の判断(判断3点セット)
① 捨てたこと
ガレージを完全に別機能として分離
→ 暮らしとの接点がなくなる見せるだけのガレージ
→ 実用性・管理性が弱くなる
② 優先したこと
編集(生活との接続)
空気(湿気・においのコントロール)
使い勝手(動線)
③ どう効かせたか
ガレージと居住空間を適度な距離で接続
動線上に自然に組み込み、日常と重ねる
空気の流れを整理し、においや湿気を制御
暮らしに起きた変化
バイクが“外の趣味”から“暮らしの一部”へ変わる
触れる頻度が増え、楽しみが日常化する
管理がしやすくなる
この実例が向く人
趣味(バイク・車・DIYなど)を暮らしに取り込みたい
ガレージを単なる収納にしたくない
趣味と生活を切り離したくない